• 自転車旅行(下) 五十嵐(いがらし) 啓子(けいこ)
    自転車旅行(下) 五十嵐(いがらし) 啓子(けいこ)

       「えー! 北海道から自転車で来たの?!」と言われたいという不純な動機で始めた自転車旅行は、苫小牧市から室蘭市、そして海を渡って青森県へ向かうところからスタートした。計画当初は、東京の友人宅に向かう予定だったが、大型トラックが自分の脇すれすれを走るような道路状況で、これでは気がめいってしまうと思い、

    • 2024年8月3日
  • 中井紫竹習字教室講師 中井るみ子さん(74)
 古里厚真で習字教室開設日本文化伝える 子どもたちの「居場所」にも
    中井紫竹習字教室講師 中井るみ子さん(74) 古里厚真で習字教室開設日本文化伝える 子どもたちの「居場所」にも

       厚真の地で2005年10月、自らの雅号で習字教室を開設して来年10月で節目の20周年を迎える。インターネットが普及した現代において、「筆文字ができるのは特別なことなんだよ」と町内から通ってくる子どもから一般まで50人ほどいる幅広い世代に、古くからの日本文化を伝えている。「20年もやってきたんだな」

    • 2024年8月3日
  • 海岸草原を散策 ピッポと響き渡る声
    海岸草原を散策 ピッポと響き渡る声

       毎年のように「今年の夏は暑い」と更新しているような北海道の夏。  そんな暑さもある中ですが、生き物探しはやめられず。とはいえ、暑い中の散策は体にこたえるので、始業前の早朝の散策がメイン。ある日の朝、その日は暑さも和らぎ、風も穏やかだったこともあり、海岸草原がある場所へ。散策の数日前は荒天だっ

    • 2024年8月2日
  • 時空を超えて とまこまいの文化財(10)
【史跡】馬櫪神碑および馬頭観音碑 功績と感謝を刻む
    時空を超えて とまこまいの文化財(10) 【史跡】馬櫪神碑および馬頭観音碑 功績と感謝を刻む

       苫小牧で長年にわたり獣医師として活躍した猪狩一郎は「自動車が登場するまで、馬は重要な輸送手段であり動力源だった」と、証言している。開墾や物資、商品などの運搬、競走馬や軍馬としても活躍した。馬櫪神(ばれきじん)碑や馬頭観音碑は馬の守護神をまつる石碑で、現在市内に24基が確認されている。  苫小

    • 2024年8月2日
  • 守りたいこと
高橋(たかはし) 承子(しょうこ)
    守りたいこと 高橋(たかはし) 承子(しょうこ)

       私の本業は着物の着付け師である。苫小牧市民斎場で約30年、喪服の専属着付け師として仕事をさせてもらっている。近年はお通夜でも着物を着る人が少なくなった。私は、「着物は日本の民族衣装ですから、1人でも着物の方がいらっしゃると葬儀会場が引き締まり、全体の雰囲気が心のこもった式になるような気がします」と

    • 2024年8月1日
  • 時空を超えて とまこまいの文化財(8)
【市指定有形文化財】円空作樽前権現像および奉納品7点 山の名刻まれた円空仏
    時空を超えて とまこまいの文化財(8) 【市指定有形文化財】円空作樽前権現像および奉納品7点 山の名刻まれた円空仏

       苫小牧市宮前町にある錦岡樽前山神社には、江戸時代前期の僧の円空が造仏した権現像が奉納されている。大きさは高さ45センチ、幅26・5センチ、厚さ11センチ。オンコ(イチイ)の木でできており、背に「たろまゑ乃たけ」と刻まれている。  円空は美濃国(現在の岐阜県)の生まれ。1665年30代の頃に、

    • 2024年7月31日
  • 「熱い」夏
    「熱い」夏

       全国的に今年の最高気温を更新する暑い日が続いている。29日は栃木県佐野市で41・0を観測し、全国6地点で40度を超えた。2018年7月23日に埼玉県熊谷市、20年8月17日に静岡県浜松市で記録した41・1度の歴代最高に迫る勢いだ。苫小牧市は30日こそ30度を超えたが、夏日も年に数えるほどしかない過

    • 2024年7月31日
  • 時空を超えて とまこまいの文化財(7)
【市指定民俗文化財】勇払恵比須神社奉納品21点 民衆の信仰伝える品々
    時空を超えて とまこまいの文化財(7) 【市指定民俗文化財】勇払恵比須神社奉納品21点 民衆の信仰伝える品々

       江戸時代後期、勇払地区は勇払会所を中心に幕府役人や商人、漁場労働者が集い栄えていた。社堂(やしろどう)と呼ばれる、神と仏を一緒にまつる建物が複数あった。勇払で最も古いとされる社堂は弁天社と考えられる。18世紀半ばに設立され、本州と蝦夷地を往来する商人が海上の安全や大漁、商売繁盛を祈願し、守護神とし

    • 2024年7月30日
  • 母親が安心して集える場所
東條(とうじょう) 広大(こうだい)
    母親が安心して集える場所 東條(とうじょう) 広大(こうだい)

       前回は、コミュニティースペース「ENTRANCE(エントランス)」が持つ三つの役割をお伝えしました。今回は、そのうちの一つ「まちとつながる場」について、具体的なイベントを取り上げて紹介したいと思います。  定期的に開いているものに「ママNight」というお母さん向けのイベントがあります。これ

    • 2024年7月30日
  • 時空を超えて とまこまいの文化財(6)
【史跡】開拓使美々鹿肉缶詰製造所跡 輸出を目標に生産
    時空を超えて とまこまいの文化財(6) 【史跡】開拓使美々鹿肉缶詰製造所跡 輸出を目標に生産

       1878年、苫小牧の美々に約185平方メートルの鹿肉の缶詰製造所が完成した。初年度は年間7万6313缶を製造し、10~20人が働いていた。翌年には倉庫や従業員が休む小屋を建て、設備も増設した。  開拓使は北海道の振興のため、ビールやみそ、しょうゆ、紙、缶詰などの工場を全道各地に造った。美々の

    • 2024年7月29日
  • 時空を超えて とまこまいの文化財(5)
【市指定史跡】蝦夷地開拓移住隊士の墓 開拓の歴史伝える一場面
    時空を超えて とまこまいの文化財(5) 【市指定史跡】蝦夷地開拓移住隊士の墓 開拓の歴史伝える一場面

       勇払開拓史跡公園には、八王子千人同心など合わせて29人がまつられている。最も古い墓石は1800年のものだ。  同年、勇払会所が開いた翌年、千人同心は北方警備と開拓のため、蝦夷地(現在の北海道および周辺地域)に移住してきた。千人頭の原半左衛門を隊長に、その弟新介を副士に100人を伴い蝦夷地に入

    • 2024年7月27日
  • 「助けて」と言おう
    「助けて」と言おう

       札幌で起きた事件について、コメント取材があった。介護疲れから認知症の妻を殺害したという罪に問われている高齢男性の裁判についてだ。  一通りコメントした後で、電話してきた記者がこう質問した。「香山さんが今いる町でも、孤立した状況で介護をしている高齢者はいるのでしょうか?」  私は返答に困

    • 2024年7月27日
  • 部会の天使 外囿(ほかぞの) 心一(しんいち)
    部会の天使 外囿(ほかぞの) 心一(しんいち)

       今回も苫小牧商工会議所の職員について紹介したいと思います。よどんだ空気を一変させる能力を持つ20代後半の女性です。  司会進行をすると華があり、とても明るい人です。みんなの士気を高めることができるので生産性が上がり、成果を出す方向へリードする力もあり、全員を前向きな気持ちにしてくれます。会員

    • 2024年7月27日
  • 馬産地日胆盛り上げる 7月のサラブレッド競り市 (6) 国内外からバイヤー集結
    馬産地日胆盛り上げる 7月のサラブレッド競り市 (6) 国内外からバイヤー集結

       馬産地胆振、日高の7月は、大きな行事がある。サラブレッドの競り市で、苫小牧市ノーザンホースパークで「セレクトセール」、新ひだか町北海道市場で「セレクションセール」が開催され、毎年1歳馬と当歳(0歳)馬合わせて約1000頭が取引される。国内外から数多くの購買者が集まり、馬産地がにぎわいを見せる時期で

    • 2024年7月26日
  • 「インド好き・インド嫌いの分かれ目とは」
    「インド好き・インド嫌いの分かれ目とは」

       初めてインドを旅して帰国すると、すぐにまた行きたくなるか、二度と行きたくなくなるか、両極端のタイプに分かれる――とよくいわれる。  なにゆえに? そのわけを目下滞在しているインドで、我(わ)が体験から解き明かしてみたい。  コルカタの空港に降り立ち、空港タクシーを発券カウンターでチャー

    • 2024年7月26日
  • 時空を超えて とまこまいの文化財(3)
【市指定有形文化財】タプコプ遺跡 2000年前のクマの器
    時空を超えて とまこまいの文化財(3) 【市指定有形文化財】タプコプ遺跡 2000年前のクマの器

       タプコプ遺跡は、苫小牧市植苗の国道36号植苗橋交差点の西の丘に位置する。1940年に発刊された「苫小牧町史」でも紹介されている古い遺跡だ。本格的な発掘調査は、83年に国道工事に伴い行われた。縄文時代のものと思われる17カ所の住居や六つの墓、続縄文時代の漆塗りの弓、海外(大陸)から持ち込まれたガラス

    • 2024年7月25日
  • 対話、してみませんか? 山田(やまだ) 麻以(まい)
    対話、してみませんか? 山田(やまだ) 麻以(まい)

       私は「デスカフェ正光寺」「認知症カフェ」を定期開催し、他にはジャガ芋料理を振る舞う中で地域につながりを創出する「フリーじゃがいも」やボランティア活動などを通じ、さまざまな方と対話をしています。  デスカフェ正光寺は、死をタブー視することなく、語り合う場です。コンセプトは「死を考えることは、生

    • 2024年7月25日
  • 繁華街にて
    繁華街にて

       この頃、苫小牧市錦町周辺の繁華街では、平日の夕方でも出歩く人が明らかに増えた。市内の製油所のシャットダウンメンテナンスが始まったのがその理由。道内外から多くの作業員が集まり、街にも繰り出している。  飲食店は4年に一度の特需に沸く。ただ問題は、この人出が続かないことだ。コロナ禍で途絶えた客足

    • 2024年7月24日
  • (3) 体づくりからしっかり準備 FW 三浦 稜介 #16
    (3) 体づくりからしっかり準備 FW 三浦 稜介 #16

       ―競技を始めたきっかけとプレーの特徴。  兄(横浜グリッツ、DF三浦大輝)がアイスホッケーをやっていた影響で、幼稚園のころから始めた。大学時代はリバウンドを狙って相手ゴールに向かい、こぼれたリバウンドを得点する場面が多かったが、得点に直結するラストパスも得意の一つ。  ―アジアリーガー

    • 2024年7月24日
  • 時空を超えて とまこまいの文化財
(2)【国指定史跡】静川遺跡 想像超えたスケール
    時空を超えて とまこまいの文化財 (2)【国指定史跡】静川遺跡 想像超えたスケール

       苫小牧東部地域(苫東)の静川地区に広がる、火山灰が積もった大地に静川遺跡はある。1980年の石油備蓄施設建設に伴い発掘調査が行われ、その後東西二つのエリアに分かれた広大な遺跡が発見された。縄文時代の竪穴式住居跡や火をたいた跡など生活した跡が130基、土器装身具類など18万点が見つかっている。

    • 2024年7月23日
  • 台風と白身魚と赤身魚 杉本(すぎもと) 大志(まさし)
    台風と白身魚と赤身魚 杉本(すぎもと) 大志(まさし)

       四国の瀬戸内地方に住んでみて、驚いたことが幾つかあります。まず、瀬戸内海は非常に穏やかで、台風がめったに来ません。夏季はなぎが多く、白身魚が豊富です。タイやハマチ、オコゼなどは、その肉質が軟らかくおいしいです。  これに対して、高知県の方はまったく違います。読者の皆さまもご存じのように、高知

    • 2024年7月23日
  • 時空を超えて とまこまいの文化財(1)
 【道指定有形文化財】アイヌ丸木舟および推進具 移動や運搬、漁にも
    時空を超えて とまこまいの文化財(1) 【道指定有形文化財】アイヌ丸木舟および推進具 移動や運搬、漁にも

       丸木舟は1本の大きな木をくりぬいて作られる。アイヌ民族は海や川、湖を移動する交通手段として丸木舟を使い、荷物の運搬、人の移動、漁などを行った。  1966年7月、旧勇払川右岸(現沼ノ端)から丸木舟5隻とかい、さおなどが大量の火山灰の中から発見された。1667年、樽前山の大噴火によって火山灰に

    • 2024年7月22日
  • REH新入団選手紹介  「冷静な対処」意識してプレー DF・木村俊太
練習から良いアピールを GK・佐藤永基
    REH新入団選手紹介 「冷静な対処」意識してプレー DF・木村俊太 練習から良いアピールを GK・佐藤永基

       【木村俊太】 ―自身の特徴について。  9歳のころ、幼なじみに誘われ競技を始めた。リグループやブレークアウトのパス出しは長所の一つだと思っている。いかに冷静に対処できるか―を意識してプレーしていく。 ―ターニングポイントは。  大学3年の時、日本代表に選ばれ、国内のトップ選手た

    • 2024年7月22日
  • フランス
    フランス

       人の思考を決定付ける高校と大学の7年間。この時期、私の心は「フランス」に支配されていた。15の春に親元を離れ、札幌で下宿生活を始めてすぐにアルチュール・ランボーにのめり込み、高校の授業そっちのけで仏語の辞書を片手に超硬質なダイヤともいうべき天才詩人のテキストにふけった。  おかげで大学は親の

    • 2024年7月20日
  • (1) 練習から良いアピールを GK 佐藤 永基 #44
    (1) 練習から良いアピールを GK 佐藤 永基 #44

       アイスホッケーアジアリーグのレッドイーグルス北海道に今季5人が入団した。代表選考合宿に参加していた選手たちもチーム練習に戻り、ハードな練習に取り組んでいる。「初年から結果を」と闘志を燃やす新入団選手に話を聞いた。随時掲載。 ―競技を始めたきっかけは。  4歳くらいのころ、気付いたらアイ

    • 2024年7月20日
  • フランス【使用不可】
    フランス【使用不可】

       人の思考を決定付ける高校と大学の7年間。この時期、私の心は「フランス」に支配されていた。15の春に親元を離れ、札幌で下宿生活を始めてすぐにアルチュール・ランボーにのめり込み、高校の授業そっちのけで仏語の辞書を片手に超硬質なダイヤともいうべき天才詩人のテキストにふけった。  おかげで大学は親の

    • 2024年7月20日
  • ライスワークではなくライフワーク(3) 青谷(あおや) 尚人(なおと)
    ライスワークではなくライフワーク(3) 青谷(あおや) 尚人(なおと)

       前回は市場の「まだ知られていない商品」についてお話をしました。今回は時期でもありますので、うまいものについて、もう少しお話しします。  6月1日から「積丹沖のウニ漁」が解禁になっています。お盆頃までしか漁が続かない貴重なものですが、なぜ夏の積丹のウニがおいしいのかご存じですか。私が長年調べて

    • 2024年7月20日
  • B&T TRADING代表取締役 ビシュヌ・ギリさん(42) 異国の地で起業 がむしゃらに 「第二の故郷」勇払地区の活性化に力
    B&T TRADING代表取締役 ビシュヌ・ギリさん(42) 異国の地で起業 がむしゃらに 「第二の故郷」勇払地区の活性化に力

       2008年4月20日に、ネパールから来た青年は新千歳空港に降り立ち、初めて日本の地に足をつけた。ネパールとは環境も言葉も全く違う異国での仕事。不安もあったが、空港で次の行き先が分からず困っていた自分に、折りたたみ式の携帯電話を貸してくれた日本人の優しさに「この国でも暮らせるな」と直感した。それから

    • 2024年7月20日
  • 4 伸長するリサイクル産業 物流拠点の優位存分に
    4 伸長するリサイクル産業 物流拠点の優位存分に

       苫小牧東部地域の産業用地を造成、分譲する株式会社苫東(辻泰弘社長)。今年はちょうど創立から25年の節目を迎える。破綻した旧会社から、「新生苫東」として成長した一つにリサイクル産業の流れが強く後押しした。  2013年。資源リサイクル産業の積極的導入を目指し、その基本的な考え方を示す「苫東地域

    • 2024年7月19日
  • 羽だけじゃない 季節によって変わる色
    羽だけじゃない 季節によって変わる色

       まずは、写真をご覧ください。2羽とも同じ種の鳥、シメ(スズメ目アトリ科)の写真ですが、両者の体のどこかに、明らかな色の違いがお分かりでしょうか。それは、くちばしの色です。  鳥類は種によって、夏羽(なつばね)冬羽(ふゆばね)といったように、主に夏と冬で羽色が変化する場合があります。一般的には

    • 2024年7月19日