野鳥の子育て期到来 温かく見守って
- 2025年4月18日
ウトナイ湖畔の林にも、春の訪れを告げるナニワズが、鮮やかな黄色い花びらで彩りを添え始めました。小鳥のさえずりも響き渡るようになり、野鳥たちの繁殖期がいよいよ本格化するこの季節。ぜひ皆さま、改めて、野生の生きものたちの営みを、温かく見守っていただけたらと思います。近年、人気を博しているエナガ(スズメ
ウトナイ湖畔の林にも、春の訪れを告げるナニワズが、鮮やかな黄色い花びらで彩りを添え始めました。小鳥のさえずりも響き渡るようになり、野鳥たちの繁殖期がいよいよ本格化するこの季節。ぜひ皆さま、改めて、野生の生きものたちの営みを、温かく見守っていただけたらと思います。近年、人気を博しているエナガ(スズメ
早いもので、春の訪れの兆しを感じる季節となりました。ウトナイ湖の春の風物詩、ガンのねぐら立ちも見られるようになり、多くの水鳥たちが北の繁殖地を目指します。そんなウトナイ湖で先日、オオハクチョウの親子を見掛けました。ご存じの通り、オオハクチョウの体は真っ白ですが、成鳥になるまでは灰色の羽毛を身にまと
先日、苫小牧市美術博物館で開催中の企画展「足もとから見つける、まちの自然」を訪れました。私たちが暮らす身近な場所で見ることができる動植物が、300点以上の標本や剥製、写真などで紹介されており、大変見応えのある展示でした。その中に、アオバト(ハト目ハト科)の展示コーナーを見つけました。アオバトとは、漢
今冬が始まる頃、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターに、黒と白のツートンカラーが特徴的な、カササギ(スズメ目カラス科)が搬入されました。 カササギといえば、苫小牧市にお住まいの方は、もうおなじみの野鳥かもしれませんが、実は、北海道はもとより、もともと日本に生息していなかった野鳥です。 カ
突然ではありますが、鳥類の胃は何個あるかご存じでしょうか。 つい先日、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターのボランティアさんから質問を受けたこともあり、今回は鳥類の胃について紹介したいと思います。 そもそも、胃が複数ある生きものがいることを知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、その代
秋晴れの9月下旬、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターで「野生動物に学ぶ救護セミナー」を開催しました。これは、2012年から開催しているセミナーで、当初は救護に関連する内容を主としていましたが、近年では自然界のさまざまな生き物もテーマに、各分野で活躍している講師を招いて実施しています。 この日の
先日、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターに市民の方から1本の電話を頂きました。内容は、職場の近くに数日前から姿を見せている野鳥が翼をけがしているようだということ。そして、「足がない」ようだということでした。 当センターには時折、「足がない」野鳥の問い合わせがあります。一番多いのが、水鳥の一本足
今月8日、胆振獣医師会主催の第14回胆振動物愛護フェスティバルがノーザンホースパーク(苫小牧市美沢)で行われ、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターはブース出展として、参加してきました。 このイベントは、動物愛護週間(9月20~26日)にちなんで、「動物を知ろう・触れよう・深めよう」をテーマに、ポ
2020年夏、突如として始まった、わが家の小さな環境グループ「地球お守りチーム」の活動も、早いもので5年目を迎えました。この活動は、毎月、海辺や川辺などでごみ拾いをするもので、当初はわが家だけで行っていましたが、ありがたいことに一緒に活動をしてくださる方々も増え、これまで延べ52回の活動を行い、累
まずは、写真をご覧ください。2羽とも同じ種の鳥、シメ(スズメ目アトリ科)の写真ですが、両者の体のどこかに、明らかな色の違いがお分かりでしょうか。それは、くちばしの色です。 鳥類は種によって、夏羽(なつばね)冬羽(ふゆばね)といったように、主に夏と冬で羽色が変化する場合があります。一般的には
気象庁では、今年の夏も全国的に気温が高くなる予想と発表され、札幌市ではすでに5月で夏日を記録。この先の気温が大変気になるところではありますが、すでに自然界では野鳥たちの「熱い」季節が始まっています。それは野鳥のライフサイクルの中で最も重要な子育ての季節です。 そしてウトナイ湖野生鳥獣保護セ
今年の大型連休、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターも多くの来館者でにぎわう中、初めてのミニ講座「傷ついた鳥たちのお話」を実施しました。これは、人為的な要因で傷つき、自然復帰に至らなかった終生飼養の個体を間近で見ていただきながら救護の実態を伝え、その理解を深めていただくために企画したものです。
つい先日、約2カ月のリハビリ期間を経て、1羽のヒヨドリ(スズメ目ヒヨドリ科)が無事に自然復帰しました。 まだ寒さ厳しい1月下旬、道路で飛べずにいたところを保護されたヒヨドリ。人工物への衝突か他動物による襲撃か、直接的な原因は不明ですが、左の翼の次列風切(じれつかざきり)と背中の一部の羽が抜
このたび、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターの展示ホールに、哺乳類の剥製が設置されました。これは2013年より苫小牧市美術博物館と当センターとの共催事業で始まった「サテライト展」の一環で、ウトナイ湖や勇払原野で見られる生き物について、同博物館で収蔵されている剥製を学芸員の方に選定、設置いただいています
2月2日は「世界湿地の日」。1971年2月2日、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)」が採択されたことを記念し、条約事務局が96年に定めたのが「世界湿地の日」です。この日に合わせて、毎年各国では湿地を守るためのイベントが行われています。ウトナイ湖野生鳥獣センター
ウトナイ湖野生鳥獣保護センターの救護室には、現在14羽の終生飼養の傷病鳥がいます。自動車や建物に衝突するなど、人為的な要因でけがをし保護されたものの、後遺症などにより自然復帰がかなわず、生涯にわたり飼養を余儀なくされた鳥たちです。 この中で最も飼養歴が長いのが、2010年に保護されたフ
2009年度から始まった小学校への出前授業「こころの授業」も、ありがたいことに多くの小学校から声を掛けていただき、これまで実施した授業は500回を、そして参加児童数は1万5000人を超えました。 「こころの授業」とは、苫小牧市内の小学生を対象とした授業で、実際に人為的な要因でけがをした傷病
野生の動物を間近で見ることができる救護の現場では、その個体の体のつくりに改めて驚くことがあります。特に鳥類にいたっては、分類が異なれば実にさまざまな形態をしており、目を引きます。 先日搬入された水鳥も、非常に個性的な体形の持ち主でした。それは、冬鳥として国内に渡来するハジロカイツブリ(カイ
先日、1羽の瀕死(ひんし)のスズメ(スズメ目スズメ科)がウトナイ湖野生鳥獣保護センターに搬入されました。スズメといえば、私たちの身近な環境に生息し、誰でもその名を知る認知度の高い野鳥です。北海道から沖縄まで日本全土に生息しており、全体的に茶色系の羽毛で、頬やくちばしや喉の黒色が特徴的です。今回搬入
2020年に発足したわが家の小さな環境グループ「地球お守りチーム」の活動も、早いもので4年目を迎えました。当時小学校4年生だった長男と、環境のために何かできないかと話していたことがきっかけで始まった、わが家のごみ拾い活動。年長だった長女がグループの名付け親となり、それから毎月、海岸などでごみ拾いを
先日、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターに、窓ガラスに衝突したゴジュウカラが保護されました。 ゴジュウカラは、スズメ目ゴジュウカラ科に属する小鳥で、一年を通じ、私たちの身近な環境で生息しています。これと似た名前でシジュウカラという種もいますが、こちらはシジュウカラ科に属するため、生物学的な分類
先日、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターで、終生飼養のフクロウ(フクロウ目フクロウ科)が産卵しました。このフクロウは、2010年に建物に衝突し、翼の骨が折れたことが原因で自然復帰できず、終生飼養となった個体です。 通常、保護された傷病鳥は、それまで暮らしていた自然界の環境と大きく異なるため
新緑が深まり、春から夏の装いに変わりつつある今日この頃。多くの野鳥が子育ての時期を迎え、どこからか、にぎやかなひなの声が聞こえたり、親鳥が巣立ちしたばかりの子を連れて飛ぶ姿が見られたりするようになります。ほほ笑ましい野鳥の子育て風景がある一方で、あまり歓迎されない野鳥もいます。それはカラスの子育て
新年度を迎えた4月1日、設立20周年を経てウトナイ湖野生鳥獣保護センターは初めての屋内展示の大幅なリニューアルを行い、一般公開となりました。 当センターを訪れる方々がウトナイ湖や周辺に生息する動植物を身近に感じ、よりその生態の理解が深まるようにと、私たちスタッフも施工の打ち合わせから参加さ
1月下旬、1羽のオオコノハズク(フクロウ目フクロウ科)がウトナイ湖野生鳥獣保護センターに搬入されました。 このオオコノハズク、数日前から市内のとある店舗内に迷い込んでしまい、外へ出られなくなってしまったとのことでした。このように、野鳥が倉庫や車庫などの建物に迷い込んでしまう事例は時折発生し
このたび、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターに羽根標本を展示することとなりました。羽根標本とは、鳥類の羽根に適切な処理を施し、長期保存を可能とした標本です。 当センターでは毎年多くの傷病鳥が搬入されますが、その半数近くの鳥類は残念ながら救命に至りません。そういった個体は死因究明のために解
2023年の干支(えと)にちなんでウサギのお話。 ウサギといえば、童話や童謡にもよく登場し、その特徴的な長い耳に大きな目をしたかわいらしさもあって、子どもから大人まで人気の高い動物です。しかし、多くの人々が慣れ親しんでいるにもかかわらず、意外にも野生のウサギを目にする機会はほとんどありませ
2022年も残りあとわずか。時の流れの早さを日々実感します。今年、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターは設立20周年という節目の年でした。7月28日の設立日に合わせ、夏期はさまざまなイベントを実施し、これまで築いてきたことを振り返りつつ、新たな一歩を踏み出しました。 そして、この連載も早いもので
先日、体の広範囲に粘着剤が付着したスズメ(スズメ目スズメ科)がウトナイ湖野生鳥獣保護センターに搬入されました。ある倉庫内で、ネズミ捕獲のために仕掛けた粘着シートにくっついてしまったとのこと。搬入時にはすでにスズメは粘着シートから取り外されていましたが、その体にはまだたくさんの粘着剤が付着していまし
先日、懐かしいお客さんがウトナイ湖野生鳥獣保護センターを訪れてくれました。名前は大須賀詩織さん。鹿児島大学に通う、現役の獣医学部の学生さんです。 彼女との出会いは16年前。私がまだ当センターで勤務を始めたばかりの頃でした。当時、札幌市の小学校に通っていた彼女はとにかく野鳥が大好きで、休日を