7 奥尻島で出土したビーズ 四つの素材の首飾り 地域と世代をつなぐ美
- 2021年12月4日
北海道南部に位置する奥尻島青苗遺跡において、ヒスイ・ガラス・水晶・滑石の4種のビーズ素材で組み合わされた首飾りが1976年に発見された。 最も興味を引くのは、ヒスイで作られた長さ5センチの大型の勾玉(まがたま)である。頭部に3条の線が刻まれたこの勾玉は本州の古墳文化からもたらされたものだが
北海道南部に位置する奥尻島青苗遺跡において、ヒスイ・ガラス・水晶・滑石の4種のビーズ素材で組み合わされた首飾りが1976年に発見された。 最も興味を引くのは、ヒスイで作られた長さ5センチの大型の勾玉(まがたま)である。頭部に3条の線が刻まれたこの勾玉は本州の古墳文化からもたらされたものだが
タマサイ―この華やかな首飾りは、アクセサリー感覚で気軽に身に着けることができるものではなく、儀礼などの特別な日の盛装として使用されてきた歴史を持つ。また、一つのタマサイが母から娘や孫たちへ継承される。それは、このような首飾りが単なる装身具ではなく、自分と先祖をつなぐイコロ(宝物)であることを意味す
アイヌの女性が身に着けるタマサイと呼ばれる首飾りは、連ねたガラス玉に金属製の飾り板(シトキ)をつないだものが一般的である。APENUY(炎を意味するアイヌ語)と名付けられた下倉洋之さん=彫金作家=の作品は、彼が制作した銀製のシトキに増井敏雄さん=蜻蛉(とんぼ)玉作家=の玉をつないだ共作となっている
今回の特別展では、アイヌ女性が盛装のときに身に着けたタマサイ(首飾り)が十数点展示されている。その中で筆者が一番印象的な資料は、長万部アイヌである故・司馬ハル氏が実際に身に着けていたタマサイである。 北海道立北方民族博物館(網走市)の所蔵資料で、先々代の館長が渡島管内長万部町へ調査に行った
アイヌのタマサイ(首飾り)と言えば、連なったガラス玉やくぎ隠しなどを使ったシトキ(ペンダントヘッドのようなもの)を思い浮かべる人が多いだろう。今回の展示会では、現在手に入る素材を使い、アイヌ文化に基づくビーズ作品を作家に依頼した。6人の作者に制作していただいたが、その中で貝澤徹氏(平取町二風谷在住
12万年前にアフリカや西アジアで誕生したビーズは、徐々に世界各地に拡散していった。日本列島にはいつ伝わったのかは明らかではないが、日本列島で最古級とされるビーズは北海道で発見されている。道南の知内町にある「湯の里4遺跡」から発掘された石製品である。約2万年前とされる旧石器時代の地層から一
皆さまの家では、数珠、首飾り、ブレスレットなどを持っているのではないだろうか。そしてこれらは、よく見ると共通した特徴を持つことに気がつくことであろう。球形の玉と玉をつないでいる点だ。しかし、その部材が玉である必要はない。貝殻、石、植物の実など、どんな素材でも、つなぐことでビーズになる。 一