• 統率取れたカラスの群れ
    統率取れたカラスの群れ

       Q…塾に子どもを迎えに行った時、市街地の電線にカラスがたくさん止まっているのを見つけました。毎年見掛ける光景ですが、何をしているのでしょう?  A…ハシボソガラスもハシブトガラスも繁殖期が終わると群れで行動するようになり、夜は集団でねぐら入りします。  ねぐ

    • 2023年1月14日
  • 小さくてきれいなユリカモメ
    小さくてきれいなユリカモメ

       Q…ウトナイ湖へハクチョウを見に行くと、小さくてきれいなカモメがいました。何というカモメですか?  A…ユリカモメだと思います。  ユリカモメは体長40センチほどの小さなカモメで、秋になると繁殖地のカムチャツカ半島などから飛来し、北海道を中継地にして本州以南

    • 2022年12月9日
  • 晩秋も見掛けるキトンボ
    晩秋も見掛けるキトンボ

       Q…樽前山麓で子どもと一緒にサルナシを採っていると、日向ぼっこするオレンジ色をしたトンボのような昆虫を見つけました。何でしょう?  A…キトンボというアカトンボの仲間でしょう。  キトンボは体長4センチぐらいのトンボで、名前の通り体全体と羽の一部がオレンジ色

    • 2022年11月17日
  • 編隊の先頭はリーダーか
    編隊の先頭はリーダーか

       Q…10月13日午後、自宅の上空を編隊で飛んで行くハクチョウを見ました。それを見た長女が先頭を飛んでいるのがリーダーだよと教えてくれました。本当ですか?  A…お嬢さんの言うように、編隊で飛んでいる先頭がリーダーかもしれませんね。でも科学的に証明されてはいないんで

    • 2022年10月24日
  • 網を張らないハエトリグモ
    網を張らないハエトリグモ

       Q…家の中で素早く動き回る小さなクモを見つけました。何という虫でしょう?  A…それは網を張らずに獲物を捕まえるハエトリグモの仲間です。網を張らないハエトリグモは、優れた跳躍力と視力を使って狩りをします。ハエトリグモの持っている主眼と呼ばれる特殊な目には、獲物の動

    • 2022年10月18日
  • アカトンボの見分け方は?
    アカトンボの見分け方は?

       Q…ナツアカネとアキアカネの違いは何ですか?友人は夏に見られるのがナツアカネ、秋に見られるのがアキアカネと言いますが本当ですか?  A…夏に見られるからナツアカネ、秋に見られるからアキアカネと思っている方が多いですが、残念ながら違います。  ナツアカネとアキ

    • 2022年10月7日
  • 独特な模様 サメハダヘイケガニ
    独特な模様 サメハダヘイケガニ

       Q…子どもたちと勇払海岸で遊んでいると、子どもがカニを拾ってきました。甲羅の模様が人の顔みたいです。何というカニでしょうか?  A…サメハダヘイケガニ(鮫肌平家蟹)は甲長(甲羅の縦の長さ)3センチほどのヘイケガニの仲間です。甲羅の表面や脚が顆粒(かりゅう)で覆われ

    • 2022年9月27日
  • アリの巣の中で育つゴマシジミ
    アリの巣の中で育つゴマシジミ

       Q…アリの巣の中で成長するチョウがいることを子どもが教えてくれました。観察させてあげたいのですが、できますか?  A…そのチョウはゴマシジミです。  ゴマシジミはシジミチョウ科に属する開長(羽を開いた大きさ)40ミリほどの小さなチョウで、名前は羽の裏にごまの

    • 2022年9月10日
  • 羽音が大きな毛むくじゃらのハチ
    羽音が大きな毛むくじゃらのハチ

       Q…朝、近所の堤防を散歩していると、毛むくじゃらのハチが大きな羽音を立てて飛び回っていました。何というハチでしょうか?ハチは暑くないのですか?  A…ハチはマルハナバチの仲間です。マルハナバチは蜜や花粉を求めて花を訪れるミツバチの仲間で、苫小牧周辺にはエゾオオマル

    • 2022年8月12日
  • サソリに似た節足動物
    サソリに似た節足動物

       Q…庭仕事をしていると、落ち葉の下でサソリに似た5ミリほどの生き物を見つけました。何でしょうか?  A…カニムシだと思います。カニムシは尾が無いサソリのような姿をした体長2ミリから5ミリの節足動物です。カニムシが属するクモ網にはカニムシ目の他にサソリ目、ザトウムシ

    • 2022年5月14日
  • ウグイス餅 名付け親は秀吉?
    ウグイス餅 名付け親は秀吉?

       Q…ウグイス餅には、なぜウグイスという名前が付いているのですか?  A…「ウグイス餅」という名前は、きな粉で覆われた餅の表面がウグイスの羽(背中と腰)の色に似ていることに由来します。ちなみにウグイス餅の名付け親は豊臣秀吉とされ、春の茶会に出された茶菓子の色を見て名

    • 2022年4月6日
  • スズメのさえずり
    スズメのさえずり

       Q…林や野原の野鳥はきれいな声でさえずりますが、スズメは一年中同じ声で鳴いているように思えます。スズメも春になるとさえずりますか?  A…スズメの繁殖期は2月ごろから始まり、3月から4月につがいができます。スズメの雄が行うディスプレイ(求愛)は、1羽の雌に対して複

    • 2022年3月24日
  • 雪上を歩く黒い昆虫
    雪上を歩く黒い昆虫

       Q…河岸の雪上を歩き回る細長い黒い昆虫を見つけました。何でしょうか?  A…セッケイカワゲラというクロカワゲラの仲間でしょう。  クロカワゲラという昆虫は、羽のあるグループと羽の無いセッケイカワゲラのグループに分けられます。真冬に活動するので、どちらも太陽熱

    • 2022年3月8日
  • 雪上を跳び回る小さな生き物
    雪上を跳び回る小さな生き物

       Q…気温が上がった1月15日、苫小牧市の高丘森林公園に行くと雪上をピョンピョン跳び回る小さな生き物をたくさん見つけました。何でしょうか?  A…雪上を跳び回っていたのは、トビムシという昆虫でしょう。  トビムシは原始的な昆虫で、大きな種類でも5ミリほどしかな

    • 2022年1月27日
  • 冬だけに活動 ガのような昆虫
    冬だけに活動 ガのような昆虫

       Q…公園を散歩していると小さなガのようなものが飛んでいました。何でしょう?  A…冬に活動する昆虫は少ないですが、冬だけに活動する昆虫がいます。見ることが多いのはフユシャク(冬尺)と呼ばれるガの仲間です。  フユシャクの仲間は気温の低い冬から早春にかけて成虫

    • 2022年1月14日
  • 割れたクルミ 誰の仕業?
    割れたクルミ 誰の仕業?

       Q…苫小牧市緑ケ丘公園を散歩していると、散策路に割れたオニグルミを見つけました。誰の仕業でしょう?  A…オニグルミの殻はとても堅いので、殻を割って食べることができるのはカラスとネズミ、リスの仲間くらいです。特に二つに割ることができるのは、カラスとリスの仲間だけで

    • 2021年12月29日
  • 冬でも残るナナカマドの実
    冬でも残るナナカマドの実

       Q…冬でもナナカマドに果実が付いています。なぜ残っているのでしょう。鳥はナナカマドの果実を食べないのでしょうか  A…ナナカマドの果実は、熟すると野鳥たちに少しずつ食べられるようになります。しかし短期間に食べ尽くされることはなく、2月中旬ごろまで枝先に残っています

    • 2021年12月13日
  • カワウソのような動物
    カワウソのような動物

       Q…苫小牧の緑ケ丘公園でカワウソのような動物に遭遇した。知人はイタチではないかと言う。昔から生息しているのか。   A…残念ながら、カワウソである確率は極めて低いでしょう。ニホンカワウソは青森県から鹿児島県に生息していましたが、1955年以降目撃例が無くなり、20

    • 2021年11月25日
  • オオハクチョウとコハクチョウ くちばしで識別
    オオハクチョウとコハクチョウ くちばしで識別

       Q…オオハクチョウとコハクチョウはどこで区別できますか?  A…勇払原野で毎年見られるハクチョウの仲間には、飼い鳥が逃げ出して定着した外来種のコブハクチョウ、冬鳥や旅鳥として飛来するオオハクチョウ、コハクチョウ(亜種にアメリカコハクチョウ)の3種類がいます。

    • 2021年11月9日
  • 「雪虫」はアブラムシの仲間
    「雪虫」はアブラムシの仲間

       Q 「雪虫はなぜ、初雪前に大量発生するのですか。雪虫の正体は?」  A 「雪虫」と呼ばれているのは、ワタムシ科に属するアブラムシの仲間です。雪虫にはトドノネオオワタムシやコウノオオワタムシなど10種類ほどがいます。その中で、最もよく見られるのがトドノネオオワタムシでしょう。  雪虫とい

    • 2021年10月28日
  • ドングリムシの正体は?
    ドングリムシの正体は?

       Q…ドングリの中にいる幼虫の正体は?成虫はどんな姿になりますか。  A…ドングリを拾って帰り、しばらくすると幼虫が出てくることがあります。  出てきたのは、ドングリの中身を食べて成長したコナラシギゾウムシなどの幼虫です。  コナラシギゾウムシは体長8ミ

    • 2021年10月12日
  • キリギリス 道内には生息せず
    キリギリス 道内には生息せず

       Q…北海道にキリギリスはいないと聞きました。本当でしょうか?  A…北海道にキリギリスは生息していません。北海道に生息しているのは、寒冷地に適応したハネナガキリギリスとカラフトキリギリスです。また、カラフトキリギリスは道東周辺にしか生息していません。  本州

    • 2021年9月28日
  • 鳴きながら飛ぶムクドリ
    鳴きながら飛ぶムクドリ

       Q…鳴きながら飛ぶ野鳥の群れをよく見掛けます。何という野鳥でしょうか?  A 鳴きながら群れで飛んでいる野鳥は、ムクドリやコムクドリだと思います。日本で見られるムクドリの仲間は、ムクドリとコムクドリ、ホシムクドリ、シベリアムクドリの4種類ですが、普通に見られるのはムクドリとコム

    • 2021年9月15日
  • カンタン 秋に鳴く虫
    カンタン 秋に鳴く虫

       Q…家の周りで「ルルルルルル」と鳴いている虫は?  A…鳴いているのは、カンタンというバッタの仲間です。 カンタンは体長15ミリほどの寒冷地に適応した昆虫で、名前は中国の故事「邯鄲(かんたん)の夢枕」に由来し、故事の内容と旅愁を感じさせる鳴き声から付けられた

    • 2021年8月25日
  • 少なくなったコガネムシも
    少なくなったコガネムシも

       Q「この夏、家の周りでコガネムシをよく目にします。大量発生しているのですか」  A よく目にするコガネムシにはスジコガネ、オオスジコガネ、ヒメコガネなどがいます。これらのコガネムシは街灯によく集まり、室内にも飛び込んできます。しかし、30年ほど前にはよく見られたシロスジコガネやドウガネブイブ

    • 2021年8月9日
  • ミヤマクワガタは広葉樹林に
    ミヤマクワガタは広葉樹林に

       Q…休みなので、子どもと一緒にミヤマクワガタを捕りに行く約束をしました。ミヤマクワガタはどんな木にいますか?  A…ミヤマクワガタは国内に生息するクワガタの中で最も大きな種類で、雄の中には体長が7センチ(大顎を含む)を超えるものもいます。雄は立派な大顎を持っていて

    • 2021年7月27日
  • 巻かれたススキの葉はカバキコマチグモの産室
    巻かれたススキの葉はカバキコマチグモの産室

       Q…ちまきのように巻かれたススキの葉を見つけました。なんでしょうか?  A…ススキの葉がちまきのように巻かれたものは、カバキコマチグモの雌が作った産室です。産室は母グモが子どもを育てるための部屋で、その中で子グモが育ちます。  カバキコマチグモの成体は雄が1

    • 2021年7月13日
  • 苫小牧の夏の霧、主に「海霧」
    苫小牧の夏の霧、主に「海霧」

       Q…苫小牧は夏になると、霧の日が多くなります。なぜですか?  A…5月下旬、勇払原野では霧の日が多くなるとハスカップ(クロミノウグイスカグラ)の花が咲き始め、ハスカップの季節が終わるとズミやエゾノコリンゴの季節を迎えます。そして、最も霧が濃くなる7月にはホザキシモ

    • 2021年6月29日
  • ハサミムシのはさみ、威嚇や捕食に使用
    ハサミムシのはさみ、威嚇や捕食に使用

       Q…庭仕事をしていると、石の下から大きなハサミムシが出てきました。ハサミムシのお尻にあるはさみは何のためにあるのですか?  A…ハサミムシは腹部の先端にハサミがあり、捕まえようとするとサソリのようにはさみを振りかざして威嚇します。  ハサミは小さいですが、挟

    • 2021年6月15日
  • カッコウ 托卵の理由や経緯は不明
    カッコウ 托卵の理由や経緯は不明

       Q…カッコウは自分で子育てをしないと聞きました。なぜでしょう?  A…カッコウはホトトギス科に属するハトくらいの大きさの夏鳥で、越冬地の東南アジアなどから5月20日前後に飛来します。この時期になると「カッコウ、カッコウ」という独特の鳴き声が聞かれるようになります。

    • 2021年5月24日