子どものための 選定図書 「文豪中学生日記」 (7) 〔中学生向け〕 著・小手鞠るい
- 2022年8月12日
三度の飯より「書くこと」が好きなハルキ。得意な教科は国語のみだが、文芸部の部長として周囲の信頼も厚く、中学校生活を楽しく過ごしていた。中学2年の冬休み、新しい年の新しい一日に、何か新しいことを始めたいと思い、1年間日記を書くことにした。 そんな2月のある日、インターネットで調べものをしてい
三度の飯より「書くこと」が好きなハルキ。得意な教科は国語のみだが、文芸部の部長として周囲の信頼も厚く、中学校生活を楽しく過ごしていた。中学2年の冬休み、新しい年の新しい一日に、何か新しいことを始めたいと思い、1年間日記を書くことにした。 そんな2月のある日、インターネットで調べものをしてい
大きな牙と長い鼻を持った、ゾウに似た生き物で、大昔に絶滅したマンモスという生き物を知っていますか? もし絶滅したマンモスを現代によみがえらせることができたら、その技術は、今地球上から絶滅しそうな生き物を救うことにつながるかもしれません。 そんな夢のような話を実現させるべく、細胞培養やゲノム
ひまりは、注意欠陥・多動性障害(ADHD)という特性を持つ女の子。明るく、みんなを笑わせることが大好きで、やりたいことを見つけると夢中で突っ走る元気いっぱいの小学生。5年生までは、忘れ物一番、ケアレスミス一番、けんかっ早いの一番という毎日でも、笑って接してくれた担任の先生たち。ところが、6年生にな
「友達の気持ちが分からない!」。そんな時はありませんか? 「何であの子は泣いているんだろう」「どうしてあの子は、これが好きなんだろう…」。その時、あなたはどうしますか? 相手の気持ちを理解しようとしますか? それとも、どうせ分からないのだからと諦めますか? このお話の主人公、
仕事で離れて暮らすお父さん、毎日忙しいお母さん、小学4年生の一真、そして一緒に暮らすことらのお話。ことらは16歳。人間でいうと80歳のおじいちゃん猫。今までは机やたんすの高い所がことらのお気に入り。でも、最近は乗らなくなった。さらにご飯も食べなくなった。 ある日一真が学校から帰ると、お母さ
今もまだウクライナとロシアの間では、戦争が続いています。ニュースなどを見て、「もし、日本でも戦争が起こったらどうなるの?」と、不安に思う子もいるのではないでしょうか。 戦争によって国を追われた難民の半分以上は子供だそうです。家族や学校生活を奪われた上に、避難した国で受け入れてもらえなかった
皆さんは、「根室」というまちを知っていますか。タンチョウヅルが子育てをする風蓮湖、朝焼けに銀色に光るサンマ、海から揚げた昆布を干す人たち…。北海道の東の端にあり、皆さんが住んでいる苫小牧市と同じく、海に面しているまちです。 この「ねむろんろん」という本は、根室でよく取れている
パンクロックが生きがいの兄弟(高1と中2)の物語。兄弟2人だけでの生活、兄のアルバイト、バンド仲間の大学生や親代わりの男性との関わりなど、「ふつうの」中学生にとっては異次元の世界かもしれません。 ですが、ようやく実現した自分たちのバンドの発表会で、「寿命が半分になってもいいから1秒でも長く
私立の中高一貫校に通う中学1年生の堀内めぐは、生まれつき髪の毛が赤茶色だ。毎朝校門で行われる頭髪色素チェックで先生に注意され、「生まれつきです」と答える問答を行うのが嫌で、生まれつきの証明をもらうことにした。 すると生徒手帳に『赤毛証明』と書かれた大きな印を赤で押された。それは「あなたは普
「なんとかなる」という言葉を聞いたら、どんな感じがしますか。エールのようだ、適当だなあ…など、さまざまな感じ方があると思います。この本にたびたび出てくるこの言葉。主人公あおいは初め、母からのこの言葉が苦手でした。 ある経験から「普通でいたい」と願うあおいは、カナダに引っ越すこ
「アテルイ」は、奈良時代後期から平安時代にかけて現在の東北地方に暮らしていたエミシの長(おさ)だ。幼い頃母を亡くし、父に疎まれ村から逃げ出す。 たどり着いた村で出会った巫女(みこ)の家族に救われたアテルイは、10歳になる頃には弓の名手となっていた。ある日、狩りでキジをしとめた際に都の子ども
友達とけんかをして謝りたい時、虫歯が痛くて歯医者さんに行かなければならない時、習い事の進級試験の時…1人で頑張らなければならない時に、「誰かがそばについていてくれたらなぁ」と思った経験はありませんか? 妖怪が大好きな関くんは、大きな手術を控えたクラスメートを励ますために〈ごい
表紙になっている犬の、心の叫びが聞こえますか? この本は、犬の命を守り続ける金本聡子さんの活動をまとめたノンフィクションです。 世の中には、一部の身勝手な人間により、捨てられたり傷つけられたりする犬が、たくさんいます。金本さんは、そんな犬たちを保護し、心や体を癒やした後、心ある飼い
毎日マスクをして過ごすことが当たり前になり、しっかりとした手洗いが大人から子どもにまで常識となりましたね。 私たちには、体の外から防ぐ・守るほかに、もともと素晴らしい機能が備わっているということを知っていますか? それを分かりやすく教えてくれるのが「きみのげんきをマモルンジャー!」という絵
「わたしがさく日は わたしがきめる」 寒い寒い、北海道の厳しい冬を越えて、ゆっくりゆっくり春に向かって成長し、花を咲かせる準備をする桜。北海道の北部で咲く「千島桜」という桜の物語。 みんなが知っている桜とは違うかもしれないけれど、「これがわたし」という言葉に何だか心を打たれます。冬
図工の時間、りょうは友達の絵に絵の具を垂らしてしまった。わざとじゃないのに。謝ろうとするも、言葉が出てこず、先生にもとがめられる。りょうは校庭へ飛び出し、鉄棒にぶら下がっていた。そこへ、突然テナガザルが現れ、サルハシを貸してもらうことに。サルハシには不思議な力があって…。 こ
ふるさとと聞いて、皆さんが思い浮かべる場所はどこだろうか? イランで生まれたが6歳で「移民」となり、20年以上も日本に住んでいるナディにとって、そこに「なつかしさ」を感じることはできないと言う。一方で、幾つになっても日本人からは「外国人」扱いされる。彼女のふるさとは一体どこなのか&hell
誰にも等しく訪れる「十四歳」という1年間。この1年間に人々は、友情、恋、将来の夢、勉強などさまざまなことに悩んだ結果、何物にも代えがたい経験を手にします。悩んでいるのはあなただけではありません。30人の生徒がいれば30通りの悩みがあるのです。 この本に登場する4人の主人公たちも、友達と意見
【中学生向け】 「わたしが障害者じゃなくなる日~難病で動けなくてもふつうに生きられる世の中のつくりかた」 著 海老原宏美 この本の著者、海老原宏美さんは脊髄性筋萎縮症という病気で車いすが無いと生活できません。誰かの助けが無いと階段を上ることができず、重度障害者と呼ばれています。
【中学生向け】 「戦場の秘密図書館 ~シリアに残された希望~」 作 マイク・トムソン/編訳 小国綾子 シリアという国について私たちが知る機会は少ない。でもこの本で内戦のきっかけや情勢がよく分かる。ダマラは町を包囲され、医薬品や食料の供給さえされない。そんな状況下で若者たち
【小学校高学年向け】 「トクベツな日」 作 白矢三恵/絵 スカイエマ 皆さんは、何か悩み事がありますか。誰にも言えない悩み事を抱えて、「こんなに悩んでいるのは自分だけなのではないか」と苦しんでいる人もいるかもしれませんね。 この本の登場人物たちも、それぞれ誰にも言えない
【小学校高学年向け】 「プラスチック・プラネット 今、プラスチックが地球をおおっている」 著 ジョージア・アムソン/訳 大山泉 最近、お菓子の包装が紙パッケージになっているものがあるのを知っていますか? 今、プラスチックのごみが大きな問題になっています。 この本は
原作は、戦争時代の故・向田邦子さんが家族との思い出をつづったエッセー「眠る杯」。戦渦に巻き込まれ、多くの子どもたちが、学童疎開を強いられました。爆弾は飛んで来ないけれど、つらく、寂しい田舎での生活です。 向田さんの妹は、文字も書けないくらい幼かったのに、家族と離れ、遠い田舎へ行きました。自
「あ!私も、同じ」 新しい学校に行った時、知らない場所で待ち合わせをする時、初めて会う人と話す時、外国の方に声を掛けられた時、「ビクビク」は急に大きくなって、心を苦しくさせてきます。 この絵本を読むと、言葉も通じない外国に引っ越してきた女の子が、不安な気持ち「ビクビク」に押しつぶさ
子どもたちに読んでほしい本として、苫小牧市教育研究会学校図書館教育研究部会が選定した「2020年度苫小牧子どものための選定図書」。今年度新たに加わった20冊の中から18冊を同部の会員が紹介する。(毎週月、水曜日に掲載します) 【小学校低学年向け】 「まいごのしにがみ」 作 いとう