◇6 第1部「バブルと崩壊の中で」(6) 平成2(1990)年 宅地首都圏セールス 住宅、マンション建設ラッシュ「夢の実現を苫小牧で」
- 2025年1月31日
平成2年、バブル景気はなお続いている。首都圏の土地高騰は天井知らずで、マイホームなどは夢。そこに宅地販売セールスをかけたのが苫小牧市で、これが飛ぶように売れた。 ■マイホームの夢 前年の12月29日、日経平均株価が3万8957円の史上最高値を記録した。土地もどんどん値上がり、東京・山
平成2年、バブル景気はなお続いている。首都圏の土地高騰は天井知らずで、マイホームなどは夢。そこに宅地販売セールスをかけたのが苫小牧市で、これが飛ぶように売れた。 ■マイホームの夢 前年の12月29日、日経平均株価が3万8957円の史上最高値を記録した。土地もどんどん値上がり、東京・山
平成元年はレジャーが隆盛した。郊外では「アルテン」、市街地ではファンタジードームが着工し、「巨大迷路」が人気。パチンコ店の進出で苫小牧はパチンコ銀座と呼ばれた。 ■パチンコ銀座 この年夏までに新規開店、着工したパチンコ店は3店。業者は市内1(2号店)、千歳1、室蘭1。1年間に3店増と
平成元年、苫小牧市議会は、錦町再開発商業ビル「トピア」で明け「トピア」で暮れた。優良な市有林とトピアをセットで本州大手に売り渡すという苦肉の策は、この時代の写し絵ともいえた。 ■市有林売却を条件に 元号が改まって間もない2月18日、苫小牧市議会は第11回臨時会を開き、植苗の市有林を西
先端技術産業を中核とした産・学・住一体の街づくりというテクノポリス構想を通産省(現経産省)が打ち上げたのは昭和58年。重厚長大からの方向転換を迫られていた苫東を抱える苫小牧には垂涎(すいぜん)ものだった。運動の結果、26枠最後の圏域として指定されたのが平成元年だった。 ■最終26番目の指定
平成元年の社会は、消費税導入とリクルート事件で揺れた。この出来事は庶民と政財界の「カネ」に対する感覚がいかにかけ離れているかを知らしめるとともに、国民の政治不信を根深いものにした。 ■消費税導入 人々は4月1日から消費材やサービスに3%の消費税がかかるというので、豆腐や納豆、50円、
昭和は「激動の時代」と形容される。ならば平成は「変容の時代」か。昭和が培ってきた政治、経済、社会、生活が大きく変わり、グローバル化、ネット社会、少子高齢化という新たな情勢の中で、地方は街づくりに苦悩した。わが郷土はその時代をどう生き抜いてきたのか。創刊75周年を迎えた苫民紙面を中心に平成の30年間