第2部 下 限られた財源でどう救うか 感染症対策を最優先
- 2021年3月4日
「すべて税金なので、一定の条件を付けてやるのが賢明」―。開会中の苫小牧市議会定例会で、新型コロナウイルスに伴う市の対策をめぐり、岩倉博文市長がそんな風に答弁する一幕があった。市議が現状の課題を挙げ、追加の支援を迫る。市は限られた財源の下、立案した施策の意義を説く。それぞれ正当性を主張し合う展開。助
「すべて税金なので、一定の条件を付けてやるのが賢明」―。開会中の苫小牧市議会定例会で、新型コロナウイルスに伴う市の対策をめぐり、岩倉博文市長がそんな風に答弁する一幕があった。市議が現状の課題を挙げ、追加の支援を迫る。市は限られた財源の下、立案した施策の意義を説く。それぞれ正当性を主張し合う展開。助
苫小牧市が新型コロナウイルス感染症対策の支援策を考える上で、根拠の一つにしたのが影響調査の結果だった。昨年9月1日を基準日とし、市内の全7323事業者を対象にアンケートを実施。約25%の1824事業者から回答を得て、コロナ下の経営状況、必要とする支援策、働き方などの実態を把握した。市担当者は「回答
新型コロナウイルス感染の「第1波」が道内に到来した昨年3月上旬、苫小牧市は影響の実態把握を本格化させた。コロナ禍で止まりかねない経済に危機感を強め、岩倉博文市長や2人の副市長、担当職員は公式行事などの相次ぐ中止で空いた時間を生かし、業界団体などからの聞き取りに走った。「まだ影響はないという業界もあ
苫小牧市内の居酒屋やバーなどで20年以上働き、今は錦町で「Bar Genie(バー ジーニー)」を営む板東悟さん(44)。長年かけて培った人脈は広く深く、常連客が集ってきた。新型コロナウイルス感染拡大により昨年、売り上げはほぼ半減したが「『大変だろうけど頑張って』と声を掛けてくれたり、少人数で来店
「こんなときにお店をやるなんて」―。新型コロナウイルスの緊急事態宣言下の昨年4~5月。店に届いた手紙を目にしたとき、「覚悟はしていたけど『ぐさっ』ときた」。苫小牧市錦町で居酒屋「港町トマコマイ飲食街ゴーゴー食堂」を経営する鈴木正人さん(48)は話す。午後7時以降、酒類の提供を自粛すると道が10万円
胆振管内で新型コロナウイルス感染拡大が続く中、不安を抱えながら年を越した苫小牧市大町の居酒屋「izakaya草―sou―」店主の佐藤伸也さん(36)。書き入れ時の年末年始、売り上げが前年の1割程度まで激減した。「感染が広がり始めた頃は、ここまで長引くとは思わなかった」。何とか乗り切った1年を振り返
「自分で何か動きだすことが大事だと思う」―。スープカレー店「94Store」を昨年9月4日、苫小牧市糸井で開業した小谷毅さん(34)はしみじみと話した。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、同6月に錦町のバー「ZIGZAG」を閉店。「夜の街」を取り巻く厳しい環境に打ちのめされたが、心機一転の挑戦