郷土の自然誌◇8 支笏湖(下) 支笏湖ブルーとヒメマス 低温と貧栄養で透明度20㍍超 自然を守る湖畔の人々の生活
- 2025年4月28日
支笏湖は湖水の透明度が高いことで有名だ。青々とした色は「支笏湖ブルー」といわれる。透明で青く見える湖をこの目で見たい、そして湖の中を泳ぐヒメマスを見たい。そんな期待を胸に、水中を観察できる遊覧船に乗った。■遊覧船から水中を眺める50人乗りの遊覧船「サファイア」が、桟橋に着いている。遊覧時間は約3
支笏湖は湖水の透明度が高いことで有名だ。青々とした色は「支笏湖ブルー」といわれる。透明で青く見える湖をこの目で見たい、そして湖の中を泳ぐヒメマスを見たい。そんな期待を胸に、水中を観察できる遊覧船に乗った。■遊覧船から水中を眺める50人乗りの遊覧船「サファイア」が、桟橋に着いている。遊覧時間は約3
明治から大正時代の北海道の様子を記した公報誌「殖民公報」に、阿寒湖のヒメマスについて次のような記録がある。「釧路國阿寒湖に特産の鮭・鱒族の一種あり、カバチェッポ(アイヌ名)と稱す…」。以下、現代用語で概要。「大きさは8、9寸(約24~27㌢)背は深緑色、腹部は銀白色、肉色は紅色ですこぶる脂肪に富み
石切り場跡を公園にした「石山緑地」 私たちが住む大地をつくった出来事の一つに、支笏火山の噴火があるということは、このシリーズで何度か触れている。その噴火の形跡が、柱状節理や札幌軟石という岩の形で残っているという。それを見ようと支笏湖と「石山緑地」を訪ねた。 ■遊覧船からの眺め 柱状節理は、支笏
苫小牧市内に残っている軟石づくりの建物は数少ない。錦町・すずらん通りの元中島呉服店石蔵と竹本呉服店石蔵、それに大町・新川通の旧小野質店石蔵がそれで、札幌軟石、あるいは登別軟石を使っていると考えられている。札幌軟石は支笏火山(支笏湖)、登別軟石は倶多楽火山(倶多楽湖)の噴火による凝結溶灰岩。倶多楽火
支笏湖温泉街の北に紋別岳(865・6㍍)がある。支笏カルデラの外輪山の一つである。その北側には湖岸からやや離れてイチャンコッペ山(828・7㍍)があり、夏なら初心者でもひと汗かけば登ることができる。山頂からは支笏湖周辺ばかりでなく札幌方面の山々も眺められ、支笏カルデラ形成以前の風景まで想像ができる。
火山は多くの恵みを人々に与える。温泉、そして硫黄。 恵庭岳の場合、温泉は丸駒温泉が有名で、大正4年の創業。創始者の佐々木初太郎氏はもともと王子製紙千歳川水力発電所の建設に携わっていた。昭和40年代まで道がなく、湖畔(支笏湖温泉)との間を船で行き来した。 硫黄に関しては、ポロピナイの湖岸に「
弧を描く支笏カルデラ。(写真上部左から)イチャンコッペ山、紋別岳、キムンモラップ、モラップの山々が連なる「第一見晴らし」から山頂の岩塔と火口を眺める■巨大な岩の塊恵庭岳の登山口は、ポロピナイの札幌側にある。山体は切り立った三角すいで、その東側に上部を吹き飛ばしたような爆裂火口と、その下に続く深い沢が