• ▶11「イタオマチプ」  アイヌの先人たち 遠くは大陸へ航海
    ▶11「イタオマチプ」  アイヌの先人たち 遠くは大陸へ航海

       イランカラプテ(こんにちは)。ふと、目の前にぼう漠と広がる海を眺めていると、海の向こうにいったいどのような世界が広がっているのか?。渡り鳥の季節になると必ず渡って来るのを見て、きっと海の向こうに自分の知らない世界があるに違いない。だから海を渡り、それを見てやろう!。そうして太古の昔から人類は英知を

    • 2020年10月12日
  • ▶10「トイタ」 アイヌ民族の農耕とは
    ▶10「トイタ」 アイヌ民族の農耕とは

       イランカラプテ(こんにちは)。季節は実りの秋、食欲の秋を迎えました。アイヌ民族はかつて、さまざまな秋の恵みをカムイに感謝しながら、狩猟や漁労、採集で得ていたと想像する方も多いことでしょう。確かにそうではあるのですが、アイヌ民族の暮らしで忘れてはならないのが農耕「トイタ」です。トイはアイヌ語で「土」

    • 2020年9月28日
  • ▶9 「ウトカンベツ」   白老アイヌ 日高地方から移住?
    ▶9 「ウトカンベツ」   白老アイヌ 日高地方から移住?

       イランカラプテ(こんちには)。白老町の仙台藩白老元陣屋資料館の横を流れるウトカンベツ川。アイヌ民族に伝わる物語によれば、その昔、この川を挟んで両岸から矢を撃ち合う戦いがあったので、ウ(互いに)・トゥカン(矢を射る)・ペッ(川)という地名になったといいます。その戦いの背景には、村同士の闘争があったと

    • 2020年9月14日
  • ▶8「シキナ」 水辺に自生 ござ編みに使用
    ▶8「シキナ」 水辺に自生 ござ編みに使用

       イランカラプテ(こんにちは)。白老町末広のしらおいイオル事務所チキサニでは、毎年8月下旬、町内のフシコベツ川とポロト地区で栽培したガマとフトイの採取を行っています。アイヌ語でガマはシキナ、フトイはカトゥンキと呼ばれます。共に、アイヌ民族の伝統的なござ編みの材料として無くてはならない植物です。

    • 2020年8月24日
  • ▶7「クチャ」  自然を利用した仮小屋
    ▶7「クチャ」  自然を利用した仮小屋

       イランカラプテ(こんにちは)。季節は本格的な夏を迎え、新型コロナウイルスへの配慮が引き続き必要とされる中、癒やしや非日常を求めて自然の中でゆったりとアウトドアライフ、特にキャンプへ出掛ける方もいらっしゃることでしょう。キャンプ道具として、まず思い浮かべるものにテントがあります。現代では素材や形状、

    • 2020年8月10日
  • ▶6「ジングリ」 「遊び」理解の入り口に
    ▶6「ジングリ」 「遊び」理解の入り口に

       イランカラプテ(こんにちは)。これからの社会を担う子どもたちにアイヌ文化を知ってほしい。そのためにまず、アイヌ文化を学ぶ入り口として、かつてアイヌ民族の子どもたちが楽しんだ遊びを、現代の子どもたちにも体験してほしいと思うのです。  例えば、ヤマブドウのツルを使い、アイヌ語でカリプと呼ばれる「

    • 2020年7月27日
  • ▶5 「トゥレプ」  食を支えるオオウバユリ
    ▶5 「トゥレプ」 食を支えるオオウバユリ

       イランカラプテ(こんにちは)。新型コロナウイルスが私たちの社会に大きな影響を与えている中、季節は何事もなかったかのように夏へと移り変わりました。ふと、山や野原に目をやると、高く伸びた茎に幾つもの緑がかった白色のユリの花が咲いているのを目にすることがあります。それは、アイヌ文化の中でもギョウジャニン

    • 2020年7月13日
  • 言葉と知恵で議論  「チャランケ」▶4
    言葉と知恵で議論  「チャランケ」▶4

       イランカラプテ(こんにちは)。前回のチキサニ通信でご紹介した物語『臼の婆さん』の最も重要なテーマは、人間が作った道具であってもカムイ(神)として尊ぶということです。しかしながら、主人公の一家が夜襲に遭うという物騒な出来事や、それに対する復讐など、内容がショッキングで、記憶に残りやすい物語であると思

    • 2020年6月22日
  • 「臼の婆さん」▶3 アイヌ民族に伝わる物語
    「臼の婆さん」▶3 アイヌ民族に伝わる物語

       イランカラプテ(こんにちは)。今回はアイヌ民族の物語を紹介します。  ある心根の良い村長の一家が夜襲に遭い、村長の生まれたばかりの息子である主人公を守ろうと、母親はとっさに庭に伏せてある臼の中に主人公を隠し、臼に息子だけは助けてくださいと懇願。両親は夜襲を掛けた者に殺害されてしまい、臼がお婆

    • 2020年6月8日
  • 「シウキナ」▶2   食べる前に「フッサ!」
    「シウキナ」▶2 食べる前に「フッサ!」

       イランカラプテ(こんにちは)。先日、とある白老アイヌのエカシ(長老)と植物について話す機会がありました。エカシは「よく親父がシウキナを採ってきて、皮をむいて生で食べたもんだ。皮をむく時は、根元の切り口に小刀でこうやって十文字に切れ目を入れてから、自分の口の近くへ持っていって『フッサ!』と言ってから

    • 2020年5月25日
  • アイヌ民族の大切な木  「チキサニ」  ▶1
    アイヌ民族の大切な木 「チキサニ」 ▶1

       イランカラプテ(こんにちは)。白老町には「チキサニ」と呼ばれ、親しまれている「しらおいイオル事務所チキサニ」という施設があります。4年前、学芸員として着任して以降、多くの方から「チキサニって何の意味なの?」と尋ねられました。私は「チキサニはアイヌ語でハルニレの意味です」と答えますが、それは答えのよ

    • 2020年5月11日