第3部 4 創成期知る仲間集結 「1期生」思い強く 12年に開かれた「北(製)創成期を語る集い」 仕掛け人の渡辺徹さん、実行委の大塚敏子さん
- 2023年10月24日
2012年8月、北海道製油所の操業開始を知るOB、OGによる「北(製)創成期を語る集い」が苫小牧市内のホテルで開かれた。道内外から総勢169人が参加し、出光創業者の出光佐三氏が「(出光商会)店内における総ての事柄は親であり子であり、兄であり弟である」などと唱えた「大家族主義」を象徴する一大イベント
2012年8月、北海道製油所の操業開始を知るOB、OGによる「北(製)創成期を語る集い」が苫小牧市内のホテルで開かれた。道内外から総勢169人が参加し、出光創業者の出光佐三氏が「(出光商会)店内における総ての事柄は親であり子であり、兄であり弟である」などと唱えた「大家族主義」を象徴する一大イベント
「他なら絶対に不可能なこと。苫小牧市民の皆さんは本当に恵まれている」―。苫小牧市美術博物館の元学芸員、三村伸さん(69)は強調する。出光興産北海道製油所の地域貢献で、出光美術館(東京)収蔵の美術品を、同製油所や市の節目に合わせて展示してきた。市民に公開して喜ばれ、両館でも交流を深めてきた。
2003年9月の十勝沖地震に起因する2度のタンク火災は、苫小牧市消防本部の消防長を務めた細川延昌さん(77)にとっても、長い消防士人生で忘れられない出来事となった。 同26日早朝の原油タンク火災は、隊員たちの奮闘のかいあって、7時間ほどで何とか収めることができたが、強い違和感を覚えたという
2003年9月26日の早朝に発生した十勝沖地震。苫小牧市消防署沼ノ端出張所に勤務していた吉田直志さん(68)は非番だったが、市内で震度5弱の大きな揺れを記録したことを受け、災害対応のため出張所に急行した。 車庫を見ると、石油コンビナートなどの大規模危険物災害に対応する大型化学消防車、大型高
主に重油の硫黄分を取り除く重油直接脱硫装置、低硫黄化した重油をガソリンや軽油などに分解する重油流動接触分解装置を運用する製油二課。苫小牧出身の中村峰文さん(46)は、一課と同様に1直約10人からなる4直2交代制の当直部署で、現場の司令塔となる直長を務める。 直長は所長不在の宿直時、製油所構
「小さいときから身近な存在」―。製油一課の小野寺亮太さん(31)は苫小牧出身。北海道製油所は言うまでもなく、まちの至る所に設置されたガソリンスタンドを通じて出光に親しみを感じてきた。石油製品は寒さの厳しい北海道では欠かすことのできない重要なエネルギー。「それを生まれ育った苫小牧で造っていることに、
「人のためになる物づくりがしたい」―。製油二課で重油直接脱硫装置など担当設備の健全性を維持する、設備担当グループのリーダー菊地峻輔さん(38)の原点だ。苫小牧市出身、苫小牧工業高等専門学校卒。2006年に入社し、直員や設備担当を歴任するなど、構内装置と向き合ってきた。操業50周年の節目を迎える中、
苫小牧地域をはじめ北海道、東北、北陸の人々の暮らしを支えるエネルギー拠点の出光興産北海道製油所。現在231人の所員が在籍し、安全、安心を第一に石油製品製造と向き合う。そんな現場で働く所員らの素顔を紹介する。 1日2万3850キロリットルの精製能力を誇る原油の常圧蒸留装置や、精製過程で必要な
北日本の石油エネルギー製造、供給を担い続けてきた北海道製油所。国が掲げる2050年のカーボンニュートラル(CN、温室効果ガスの排出ゼロ)達成に向け、新たな挑戦が求めらている。石油をはじめとする化石燃料は、CN実現の目の敵にされる二酸化炭素(CO2)の排出源だからだ。近年の脱炭素化に向けた急速な動き
北海道製油所には石油製品の安全・安定供給と共に重要なミッションがある。自然との融和。創業者出光佐三が目指した工場緑化の思いを託され、建設当初から「北の大地の公園工場」化を進めたが、潮風など悪条件との戦いは難航を極めた。初代所長・森久氏は、出光初の製油所である徳山製油所(山口県)の緑化にも携わったが
出光興産北海道製油所では操業開始から50周年の節目を機に、日本初という最新鋭の消火車両を導入した。毎分1万5000リットルの放水が可能で、石油コンビナートなど大規模危険物災害に備える。大型化学消防車、大型高所放水車、泡原液搬送車の通称「3点セット」などの充実を図る中、自治体や近隣事業所も体制の強化
石油製品の安全、安定供給を最重要課題とする北海道製油所だが、大惨事となりかねない火災事故を繰り返した。2000年2月に重油直接脱硫装置から出火し、危険物を取り扱う施設が集積する苫小牧港・西港臨海部の石油コンビナートでは初の大規模火災に発展。パイプ内面の腐食が原因で、部品の取り替えなど再発防止を施し
エネルギーの安全・安定操業を通して、北海道の経済や産業の発展に貢献してきた北海道製油所。その象徴的な取り組みとなっているのが、4年に1度の大規模保全工事。高圧ガス保安法、石油コンビナート等災害防止法など各法に基づいた定期補修工事、シャットダウンメンテナンス(SDM)だ。石油精製の全装置を停止し、隅
苫小牧市真砂町のエネルギー業、出光興産北海道製油所は24日、操業開始から50周年の節目を迎えた。1973年から北海道や東北に石油製品を供給する一大拠点として事業を展開。同社創業者の出光佐三氏が第一義に掲げた「人間尊重」精神の下、地域と共に栄える理想を追求してきた。半世紀に及ぶ歩みに迫る。