対話、してみませんか? 山田(やまだ) 麻以(まい)

対話、してみませんか? 山田(やまだ) 麻以(まい)

 私は「デスカフェ正光寺」「認知症カフェ」を定期開催し、他にはジャガ芋料理を振る舞う中で地域につながりを創出する「フリーじゃがいも」やボランティア活動などを通じ、さまざまな方と対話をしています。

   デスカフェ正光寺は、死をタブー視することなく、語り合う場です。コンセプトは「死を考えることは、生きることを考えること」。涙も笑いもある中で、自分の考えや体験を他の参加者と共有し、他者の考えを尊重し、自己対話を深めていきます。苫小牧市高砂町の正光寺を会場にしています。

   認知症カフェは、市内11カ所で開催されている中の一つです。認知症と診断された当事者の方、その家族、地域の方やサポーターが集い、ほっと安心できる空間です。市内の看護師、川田幸香さんと共に、認知症を中心としたボランティア団体「ココロズ」として行っています。ココロズは、認知症を知ってもらうきっかけになれたらという思いを込め、認知症への理解、啓発に力を入れています。私は、若年認知症と診断された母と向き合う家族、川田さんは認知症ケア専門士。家族の感情と専門知識、両方を大切にしながら活動しています。

   中でも、父の死をきっかけに始めたデスカフェ正光寺、母の介護をきっかけに始めた認知症カフェ、この二つは私の軸となる活動です。

   他者や自分の心との対話は勇気が必要な場合もありますが、対話を重ねると、みんな違って当たり前、ということを再認識できます。それにより、どう生きるかが明確になります。自己成長、相手への優しさ、自分の癒やしにもつながると感じているので、ぜひ多くの人に対話をしていただきたいです。(納棺師・苫小牧)