年末の大掃除をしていた時のこと、引き出しの奥から、いつのものとも分からないおみくじが出てきた。初詣に行き、おみくじ結び所にくくり付けてくるのを忘れて持ち帰ったのだろう。
初詣に行く行かないにかかわらず、年が明けると毎年「今年はこんな年にしよう」「今年こそはこれをやってみよう」と今年の抱負を考える。そんなことを考えている時は、気持ちが前向きになり、頑張れそうな気になる。
しかし、正月休みが明けた途端、日々の仕事に忙殺され、予想外の出来事に振り回され、そうこうしているうちに時が過ぎる。一年が終わる頃には、年始めに考えていた抱負が何だったのか、きれいさっぱり忘れてしまう。全く学習力がない。
そこで、今年はこの負のループから抜け出すべく、今年の抱負を手帳に記すことにした。そうすれば、きっと年末には1年を振り返り、次のステップに行けるはずである。
そう考えた矢先、おみくじを持ち帰っていたことを思い出した。神様からのありがたいご意見をすっかり忘れ、引き出しの奥底に入れてしまうような罰当たりな私である。手帳に書いたことすら忘れ、2025年を終えてしまう可能性が高い。新年早々見える未来がこれでは先が思いやられる。
私にとっての新年の抱負や目標は、達成するためのものではなく、「今年も1年前向きに頑張ろう」という気持ちにするためのものなのかもしれない。皆さんにとっての「今年の抱負」にはどんな意味があるのだろうか。ぜひ伺ってみたい。
(HISAE日本語学校校長・苫小牧)