自然の猛威
- 2024年8月27日
今朝は激しく屋根をたたく雨音で目を覚ました。本道上空に停滞する前線が道内各地に大雨をもたらしている。気がかりなのは、九州の南から進む強い台風10号。発達しながら移動し、27日中には「非常に強い」勢力となって西日本に最接近、上陸する可能性があるという。 気象庁によると、最大瞬間風速は60メー
今朝は激しく屋根をたたく雨音で目を覚ました。本道上空に停滞する前線が道内各地に大雨をもたらしている。気がかりなのは、九州の南から進む強い台風10号。発達しながら移動し、27日中には「非常に強い」勢力となって西日本に最接近、上陸する可能性があるという。 気象庁によると、最大瞬間風速は60メー
食品店のコメ売り場に行くと、商品棚に品物がなく「本日完売」と掲示されていた。特売日でも見たことのない景色に、2年前に高病原性鳥インフルエンザの発生で品薄になり「1人1パックまで」と制限された卵売り場を思い出した。 品薄の理由は、物価高の中、パンや麺より値上がりが緩いので需要が伸びた、訪日客
苫小牧市内に住むA子さんは、若い頃から海外に興味があった。結婚や子育てで出発の機会を逃し続け、間もなく後期高齢者に仲間入りする年齢だが、今でも頑張っている留学生や旅行者を見ると、力になれることはないか―と考える。 先週末、スーパーへ買い物に出掛けた時、口座の点検をするため金融機関のコーナー
夜半に静岡県にいる人たちと電話取材でやりとりした。21年前の2003年に国民体育大会秋季大会軟式野球成年の部に出場中の壮年チーム、苫小牧市役所クラブが栄冠達成した決勝の前夜、記事にするため監督・選手らに動向を尋ねた。小職の名を呼び、「あしたの朝5時に球場で待っているから。来てくれ」。周りの人たちが
「ドリームチーム」の言葉が引っ掛かっている。9月27日投開票が決まった自民党総裁選。岸田文雄首相は不出馬会見で「主流派も反主流派もなく新総裁の下で一致団結、真のドリームチームをつくってもらい、何よりも大切なことは国民の共感を得られる政治を実現すること」と述べた。派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事
17日付本紙最終面、天気欄の「概況」に苫小牧市で53年前の1971年8月18日に記録された8月の最低気温、9・2度が紹介されていた。苫小牧で8月に1桁の最低気温を観測したのは過去3回だけといわれ79年8月25日の9・8度以降には、1回も観測されていないそうだ。観測の数値は、いずれも、苫小牧測候所が
新紙幣の発行から1カ月半余りが過ぎた。20年ぶりにデザインを一新し、偽造対策の強化とユニバーサルデザインへの対応を目的に、さまざまな趣向を凝らした新札。ATMやレジで手に入る機会が増えたようで、周りから「きれい」「おもちゃみたい」と幅広い反応を聞く。 そんな会話をいまだ傍観して聞いている。
日常を支える存在や楽しみ事を失って喪失感を抱えることを「○○ロス」と言うが、パリ五輪閉会後、数日の間そのロスを感じた。代表選手の話題で連日、元気をもらうのが当たり前だった。ただ一方で審判の判定やSNSでの誹謗・中傷など、すっきりとしない問題や課題も幾つか気になった。2年後の冬季五輪に向けて何らかの
「北海道弁がなくなる?」。先月末に発表された総務省の人口統計の報道を見て、ふとそんなことを考えた。北海道に住む日本人は今年1月1日現在で昨年より5万人以上減り、503万9100人になったそうだ。減少は26年連続。減少数は12年連続で全国最多だった。「500万道民」の時代は間もなく終わる。
本紙では毎年、8月15日の終戦記念日に向けて戦争の悲惨さや平和の尊さを見詰め直す連載企画を展開している。今年は苫小牧や近郊に住む80~90代の8人に戦時の記憶を呼び起こしてもらった。 戦時はまだ子どもで終戦を迎えた場所がばらばらでも、戦争体験を語り継がなければという思いは同じ。「逃げ惑うこ
その人は終戦の年、中学3年だった。神戸で空襲に遭った。神戸市立第一中学校に在学していた。6月5日に焼け出され、3日後に西宮市の遠縁の家に身を寄せた。大八車を借りて、焼け跡から庭に埋めた食料などを掘り起こし、川にたどり着いた時、既に日が暮れていた。その流れる小川のせせらぎと、おびただしいホタルの群れ
球技といえば小学校の高学年の頃、軟式野球の練習を数週間したことがあるだけ。村内の学校対抗の大会が開かれ、体の大きかった自分には1塁手が割り当てられた。ワンバウンドした送球が顔に当たるのが怖くて目を閉じ、監督の先生にボールをぶつけられた。初めての試合は負けだったと思う。翌年の記憶はないから大会もなか
久しぶりにお墓を訪れて、そこに眠る亡き人に声を掛ける。日ごろ手を合わせている仏壇の前とは違う雰囲気がある。この数カ月を振り返り、少し愚痴を交えながら日常と元気を報告する。 一緒に生活をし、人生を共に歩んできた人。落ち込んだときに励ましてくれたことが心に残っている友人。親戚、知人、恩師などそ
長崎市で9日行われた原爆の日平和祈念式典にイスラエルの駐日大使が招待されず、先進7カ国(G7)のうち日本を除く6カ国と欧州連合(EU)の駐日大使らが欠席したことが報じられた。 イスラエルを招かないのは、戦争を続ける「ロシアやベラルーシと同列に扱う政治的な判断」と各国が反発したためだ。長崎市
更科源蔵著「アイヌ伝説集」(みやま書房出版)を書棚で見つけ、ゆっくり読み返した。更科氏が全道各地の故老から聞き取ったり、出版物から採集したもので長短約400点の言い伝えや物語が収録されている。温かく時に厳しく、先住民の残したたくさんの物語は、往時の北海道のありようを学び、これからの北海道を考える貴
人口減少対策として、多様な地方への移住が推進されている。一つが教育に独自色を出して移住を促す教育移住だ。 厚真町は、苫小牧市に近い上厚真地区などに子育て世代の移住者向け住宅を35棟用意し、子どもの数に応じて家賃割引をしている。町内2カ所のこども園も整備。子育てインフラを充実して移住を促し、
アイスホッケー男子日本代表のジャロッド・スカルディー監督(53)はかつての王子製紙選手だ。18年前の2006年8月中旬の暑い日に苫小牧で入団会見が開かれ、担当として取材した。カナダ人の北米プロリーグ(NHL)元センターフォワード(CF)で「ホッケーは世界共通。どこでやるのも同じ」と語った。
今年の日本の最高気温は7月29日に栃木県佐野市で観測された40度。先日、自宅の風呂に入り目の前の湯温計の数値を見て、ふと考えた。数字は「40」。その温度の液体に体表をつけているのと、その温度の空気の中で過ごすのでは、感じ方が違うだろう。腕を湯船から出し入れし、その熱さ、暑さの差に驚いた。「亜熱帯の
日曜日の正午少し前、JR苫小牧駅南口のバス停で、2人連れの観光客に「このバス、出光カルチャーパークに止まりますか?」と聞かれた。「はい、止まりますよ」とにこやかに答えたまではよかったが、その後の話を聞いて驚いた。海の駅ぷらっとみなと市場に行きたいという2人は、停留所に来る前に案内所で尋ねてきたのか
物流の現場は24時間体制で動いている。荷物をより早く届けるため、仕分けや運搬などに昼夜追われ、業務によってはむしろ夜間の方が仕事量も増える。先だって夜間から未明にかけて、新千歳空港の貨物エリアを訪れた。寝ぼけ眼の記者を尻目に、明々と照らされた倉庫内で業務に黙々と汗を流す作業員の姿に、物流の最前線を
「暑いわ~」。転勤で引っ越しし、首都圏に住む身内から、疲れ切った口調の電話がかかって来る。しかし、回数は減り気味。日中は体温以上の危険な暑さが続いているという。「苫小牧も30度以上になったぞ」などととても言えない。 東北や北陸にもようやく梅雨開け。北陸は能登半島地震が発生から満7カ月が過ぎ
五輪の舞台に立つことはそれだけで偉業だ。だから競技者が地獄と表現する苦悩、苦闘を乗り越え、尽くした努力をたたえる。勝っても負けても涙をもらう。 氷都を標榜する苫小牧や胆振にはそんな五輪出場経験者が多くいる。スケート競技で多数のオリンピアンを輩出してきたから、市民の多くは親類や友人の友人、家
1980年代の映画館は2本立て上映が多かった。休憩時間を挟んで期待せずに見た「もう1本」の方にはまることがたまにあった。「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」とセットの「K―9~友情に輝く星」がそれ。一匹狼の刑事と一癖ある警察犬のコンビが麻薬事件を解決するコメディーで鑑賞後しばらく、劇中のシ
2023年の日本人の平均寿命が先日厚生労働省から発表された。男性81・09歳、女性87・14歳。新型コロナ禍の死亡率がやや減ったため3年ぶりに男性0・04歳、女性0・05歳の伸びとなった。 27日付本紙によると平均寿命は戦後間もない1947年に男性50・06歳、女性53・96歳と算出されて
まだ名もなく満足な夕食も取れなかった24歳の、新聞社の特派員を辞めたばかりのヘミングウェイは、パリの空の下で空腹を抱えながらリュクサンブール美術館をうろついていた。1924年のことだ。後にピューリッツア賞、ノーベル文学賞も受賞する米国の作家は晩年、こう記している。「私は空腹のとき、セザンヌをいっそ
やはり五輪は特別な感動がある。各競技の世界選手権、サッカーやラグビーのワールドカップ(W杯)も、その勝敗に一喜一憂してしまうが、それとは少し違う思いがこみ上げてくる。明確な理由は分からないが、観戦する方も特別な試合との感覚が染みついている。 開催に賛否が渦巻いた無観客の東京大会から3年もた
午前6時前に目覚めて、パリ五輪開会式の終盤を見た。現地は雨模様。雨がっぱ姿やビニール傘を持った観衆が歓声を上げていた。「初の屋外開会式」がどんなものかに関心が集まっていたようだが何のことはない、雨具があれば数十億円単位の節約は簡単にできたようだ。エッフェル塔も取って付けたような飾りはなく、照明だけ
スポーツと平和の祭典、パリ五輪は26日(現地時間)の開会式を前に、サッカーや7人制ラグビーなどの一部競技が始まった。パリでの五輪開催は100年ぶり。8月11日までの17日間、32競技・329種目で世界の精鋭約1万人が鍛え抜いた技を競う。日本からは、海外開催では最多の400人超が参加する。
食品に関する課題を最先端技術で解決しようとする「フードテック」企業が、面白い商品を世に出している。 長崎県平戸市のアイルは、規格外の野菜をのりのようにシート状にして乾燥させた「ベジート」を生んだ。緑色はホウレンソウ、だいだい色はニンジンから出来ており、賞味期限は2年以上。カラフルなのり巻き
駒大苫小牧高校が北海道勢として初めて夏の甲子園大会を制覇して、今年は20年の年に当たる。新聞やテレビにあの年の熱気の記憶を追う写真や記事が流れ、目を閉じて、懐かしさにとらわれる。 当時の担当は確か、記事や写真の紙面への割り付けをする「整理部」。大会の期間中は市内のスーパーなどの店頭に張り出