秋の政治決戦
- 2024年10月1日
地下鉄へ向かう道端でキバナコスモスが揺れている。木の葉が舞い散る音を添わせながら吹く秋の風を「秋声(しゅうせい)」と呼ぶそうだ。そんな風が札幌のビル街にも吹き始めた初秋。急転直下15日公示、27日投開票が内定した衆院選の前哨戦の取材に連日、追われている。 大通公園で行われた立憲民主党代表選
地下鉄へ向かう道端でキバナコスモスが揺れている。木の葉が舞い散る音を添わせながら吹く秋の風を「秋声(しゅうせい)」と呼ぶそうだ。そんな風が札幌のビル街にも吹き始めた初秋。急転直下15日公示、27日投開票が内定した衆院選の前哨戦の取材に連日、追われている。 大通公園で行われた立憲民主党代表選
新しい自民党の総裁が誕生した。あす、臨時国会が召集され、首班指名を受けて内閣総理大臣に就く予定だ。9人も乱立した総裁選で、国民生活に関わる課題をはじめ、外交、防衛、経済など議論は尽くしたのか。そう思う人は少ないだろう。 まして、裏金問題の政治とカネに関する議論はあいまいなままだ。世論調査を
きのうの新聞各紙の「袴田さん再審無罪」の記事を、繰り返し読んだ。1966年の静岡県・一家4人殺害事件。死刑が確定した袴田巌さん(88)に、26日午後、静岡地裁で無罪が言い渡された。 テレビニュースには3歳年上の姉、ひで子さんの「裁判は終わったわよ。あなたが勝ったのよ」という自宅でのやりとり
日本を取り巻く安全保障環境が気になる。懸念する事態が相次いで起こった。 一つ目は、中国が25日に大陸間弾道ミサイルの発射実験を行った(防衛省発表)ことだ。選挙による米国や日本の政治的な空白を意図したものか。中国の核戦力増強につながることを警戒する。 二つ目は、海上自衛隊の護衛艦「さ
物価高が続き、今年は祭りや催事で販売される飲食物の多くが値上がりした。高いと売れにくくなるので、苫小牧市内の祭りでは、販売するお好み焼きを3種類から1種類に絞ってコストを削減し、値段を据え置いた店もあったよう。 商品の種類を減らす取り組みは、食品や日用品のメーカーでも進めている。○○風味、
何という実りの秋だろう。黄金色に輝いた水田がコメの国・日本の秋を盛り上げている季節のはずなのに今年は昨年とは違う不安が各地にただよっている。 能登半島一帯が大地震に襲われたのは今年の元日。家族の楽しい夕食の頃合いだった。その「まさか」の地震から9カ月半後の秋に、今度は大雨の襲来。ようやく落
苫小牧地区の社会人サッカーチーム、ASC北海道が道リーグ残留を決めた。昨年、下部の道南ブロックリーグと道内4ブロック決勝大会を制し、2年ぶり2度目の道内アマチュアトップ8一角として今季を戦った。22日に浜厚真野原公園で行われた第13節では旭蹴会(旭川地区)に2―0で勝ち、最終節を待たずに6位以上を
政権交代の記憶は、人によって濃淡さまざまだろう。第45回衆院選投開票日の2009年8月30日、民主党の候補者名が並ぶボードに、次々とバラの花を付ける鳩山由紀夫代表の満面の笑みを思い出す。獲得したのは308議席。鳩山代表は翌月、新首相に指名された。しかし、その後の失速は政権交代への懐疑の念を有権者に
活字や写真を「本」という形にまとめた文化や知恵の移動の形態は、どこまで変わって行くのだろう。数日前の新聞に2023年度に文化庁が行った「国語に関する世論調査」の結果が報道されていた。1カ月間に本を「1冊も読まない」人が、前回18年度の調査に比べて大幅に増え08年度にこの調査を始めて以来初めて62%
今年も航空自衛隊千歳基地で開かれた航空祭を訪れた。道内最大級の航空イベントで、ブルーインパルスがお目当て。曇天模様で曲技飛行は中止されたが、6機が美しい編隊を組み、スモークを出しながら頭上を飛び交う演技は圧巻。記者も夢中でカメラのシャッターを切った。 そのさなか演技が中断する一幕があった。
テレビドラマはあまり見ない。連続ものは苦手だ。なのでたまに見たいものがある時は、番組名で予約録画する。けれどやっぱり見ないので次第にたまる。いつか見るからとディスクに落とすが、結局見るのはまれ。われながらあきれる。 そんなコラム子が最近、視聴したのがNHKの「Shrink(シュリンク)―精
「良い町だったでしょう」。引っ越し荷物を積み、次の任地へ出発したトラックの運転手さんの言葉に驚いた記憶がある。「皆さん、おっしゃいますよ。この町には本当によくしてもらったって」。次の町はどんな町?。期待と不安に揺られた日々を思い出す。家族それぞれが時に涙もろくなるのは転勤族のさがか。 わが
石川県の漁師だった高祖父は春になると、帆掛け船で日本海を北上し小樽↓羽幌↓抜海(稚内)の順に道内沿岸を移動した。戦前の話だ。一家は戦後、稚内を拠点にホタテ漁を手掛けたが1948年の組合発足に伴う海区分割で好漁場・猿払で漁ができなくなると「コンブを中心にニシン、エビ、ツブ、ウニ、
吉田拓郎さんが当時リスペクトしていた南沙織さんのことを思い、書いた曲に「シンシア」がある。かまやつひろしさん(故人)と初めてデュエットして、1970年代にヒットした。こんな詞だ。〈なつかしい人や 町をたずねて 汽車を降りてみても 目に映るものは 時の流れだけ 心がくだけてゆく〉 先日、所用
立憲民主党の代表選(23日投開票)、自民党の総裁選(27日投開票)が告示された。アメリカの大統領選挙(11月5日投開票)のテレビ討論会なども加わり、日本の新聞やテレビは選挙一色。自民総裁が決まれば次は総選挙との見方が一般的。秋空が日一日と高さを増しても、暑苦しい政争はまだしばらく続きそう。
「大いに屈する人を恐れ、いかに剛にみゆるとも、言動に余裕と味のない人は大事をなすにたらぬ」 初代の内閣総理大臣で、その職に四度就いた伊藤博文の言葉だ。外見や一時的な言動に惑わされず、真に強い人とは状況に応じて柔軟に対応できることだという。さらに、リーダーとして成功するには、余裕を持ち、思慮
激しい揺れと津波で1万8000人を超える死者・行方不明者を出した2011年の東日本大震災。その惨状に日本全体が落ち込んでいた時、被災者らを元気づけたのはアーティストだった。音楽が被災者の心を癒やし励まし、勇気づけた。耳慣れた楽曲を聞き、共に口ずさみ、「前向きになれた」と語る人が多かった。
もう10年近く前のことになる。東京で高校の友人たちとの酒飲み会があり、その席で若々しく爽やかなKが披露したのは認知症の初期症状の体験談だった。自転車に乗って駅へ着いたものの「なぜここへ来たのか用件を思い出せなくなってさァ」。そんな話を明るく笑って披露し合い「まァお互いに気付けるべや」。 老
百貨店各社が早くも、新年に向けて取り扱うおせち料理を発表した。能登半島地震の被災地支援になるよう北陸の食材を使った「和風おせち」、若年層の関心を集めようとお重や風呂敷に昭和レトロ風のデザインを施した「レトロおせち」など、多様な商品を用意している。 近年はおせち料理の一部やお重入りを買う世帯
放置すれば草ぼうぼうの土地だが、人に世話され続ける特別な場所がある。名のある庭園はもちろんのこと、野球場もその一種と思う。1960年代から既にあった古い練習球場のフェンスに張り巡らされた板に今年、関係者が3カ月間ペンキを塗り続けて「その日」に備えた。 先月、白老町町制施行70周年・大昭和製
3日、上川管内の層雲峡の大雪山国立公園の登山道の見回りをしていた巡視員がヒグマに約百メートルにわたって後をつけられた。幸いヒグマが茂みに入り、最悪の事故は避けられた。様子は4日夜と5日朝にNHKテレビで紹介され、緊迫の追跡劇に多くの人がくぎ付けになった。 ヒグマはまだ若く、小柄。巡視員を追
天災は忘れた頃にやってくる―。物理学者寺田寅彦の名言はもう通用しない。忘れる間もないほど頻繁に、地震は起きる。元日の能登半島地震は最大震度7を観測し、8月8日に宮崎県で発生した震度6弱の地震では初めて「巨大地震注意」とする南海トラフ地震臨時情報も発表された。4月17日には愛媛、高知両県でも震度6弱
暦の上では既に秋を迎えている。二十四節気では、8月に立秋、処暑を過ぎて、あさって7日には早くも朝の草花に露がつくようになるとされる白露。気付けば空気は爽やかで、朝晩の気温も徐々に下がっており、街角のナナカマドも実が赤く色づき始めた。 とはいえ気温の上ではまだまだ夏真っ盛り。夏が短いはずの苫
先月8日、初めて発表された南海トラフ地震の「臨時情報(巨大地震注意)」が8月15日、異常な大地震の観測などなく終了した。しかし、研究者らにとっては「何もなかったからよし」とはならないようだ。揺れの想定される地域を対象に行った調査では、巨大地震の可能性を認知した人が8割に上ったのに対して、2割の人は
道内ではこれまで苫小牧港だけだった「釣り文化振興モデル港」に室蘭港と桧山の江差港が新たに指定された。防波堤や堤防など、原則は立ち入りを規制している港の施設を釣り場として活用することに国土交通省がお墨付きを与えた。2港では、早ければ来年にも試行的な釣り行事やプレ開放などが行われ、再来年には本格開放と
小中学校の夏休みも終わり気付けば9月だがまだまだ暑く、湿度も高い。温暖化が進み、幼児まで熱中症という言葉を口にする昨今。団塊世代の両親(江別市)が昨夏のような猛暑でダウンしないか心配し7月、東京の妹と共同出資で実家にエアコンを取り付けたが節電を意識し過ぎるあまりかほとんど動かしていないことが判明し
胆振の東端の農業の町で生まれ、1954年9月末、青函連絡船洞爺丸をのみ込み、1300人以上の命を奪った「洞爺丸台風」を始めとする大小の台風や洪水を危険の判断の基準にして育った。 川は、水遊びをしている時の何倍、何十倍の幅や深さになった。濁流は上流の大木をのみ込み、根や葉を付けたまま流した。
自民党は過去に2度、下野している。リクルート事件や東京佐川急便事件で国民の政治不信が高まった1993年、非自民の細川連立政権が誕生した。そして政治とカネの問題が政界を揺るがした2009年、民主党へ政権交代した。 今年6月に札幌で開いた自民党道連定期大会の講演で、2度の「逆風選挙」を体験して
ローリングストック法という言葉を聞いたことがあるだろうか。カタカナ表記に少しの違和感はあるものの、災害時に備える比較的、簡単な備蓄法のことだという。防災面では常識的な言葉かもしれないが、少し勉強をしてみた。 災害への備えの重要性は改めて説明するまでもなく、災害のたびに話題に上がる。今年も元
「ものもらい」は、まぶたにできる小さなはれ物のこと。手元の辞書にはもう一つ「他人から食べ物などをもらって生活すること、また、その人。こじき」という語釈があった。「時には要求してでも物をもらい、自宅へ持ち帰る政治家や公務員」という解釈は見えなかった。 政治や政治家の本質を考えさせられる出来事