教育移住

教育移住

 人口減少対策として、多様な地方への移住が推進されている。一つが教育に独自色を出して移住を促す教育移住だ。

   厚真町は、苫小牧市に近い上厚真地区などに子育て世代の移住者向け住宅を35棟用意し、子どもの数に応じて家賃割引をしている。町内2カ所のこども園も整備。子育てインフラを充実して移住を促し、若い世代に人気を集めている。

   むかわ町では2021~24年度、内閣府主催の留学制度によって都市部の高校2年生計6人が鵡川高校に単年留学している。親元を離れ、地方で住民と触れ合いながら学ぶ移住で、留学後は都市に戻るが、多感な成長期を過ごした地が「第二のふるさと」になり、再移住する可能性を秘めている。むかわで特別な青春時代を過ごした生徒たちが、都市に戻ってから同町とどう関わっていくのか、今後も都市部からの生徒の留学は続くのか、などが注目される。

   新型コロナ禍を機にリモートワークなどが広がり、職場から離れた場所で働き、暮らす人が増えている。若い世代にとって、移住がそれほど大ごとでないとすれば、都市部の子育て世代や子どもたちを北海道の雄大な自然と魅力ある教育・子育て政策で引き付け、地方の人口を増やすことは夢ではないのかも。(林)