冬の歩き方

冬の歩き方

 今冬、積雪した駐車場を急いで駆け足している若い後輩に「危ないよ」と忠告した。九州から昨年ここへ来て「粉雪を初めて見ました」と感心して報告してきた人だが、降雪と合間の降雨や暖気が影響する加減で凍った地面がこの上なく滑り、危険性が高くなる近頃。過去、重傷はなかったにせよ数々転倒した当方の助言を聞いてもらえればとの思いだった。

   以前に取材した「雪道転倒予防講習」が身に染みた。凍結路での転倒事故の対策を研究している北海道開発技術情報センター研究者が、負傷部位別統計を例に出しつつ外出時は体を保護するために毛糸などの厚手の帽子、手袋着用と両手が使えるようにすることを勧めた。凍った道は靴裏全体で踏みしめて、そろそろと歩を進めて、膝を曲げ気味にする歩行の有効性を示していた。一昨日午後には雨が降り、「大寒」のきのう最高気温は平年より5・8度高い6度に達した苫小牧だが、朝方、でこぼこの「凍結路面」の歩みに難儀を感じた人は多かったはず。

   行動する際は「時間に余裕」が何よりだ。当時の講習結言は「滑りは恵み」となったのに納得した。雪氷に苦労する半面でスキー、スケートや美しい風景など本道にもたらされる冬の趣は極めて多い。季節柄の安全確保をお勧めしたい。(谷)