記者会見

記者会見

 元タレントの中居正広さんの女性トラブルを巡る問題で、フジテレビが行った27日の記者会見は異常に長時間となった。10時間以上も続けて新たに得られた情報や回答はどれほどあるだろう。

   芸能の話題に関心がなかったので昨年の週刊誌報道は読んでいない。けれど中居さんが引退をネット上で発表し、フジテレビ役員がメディアを制限して初めに会見した時から報道機関の在り方、人権意識が大きく問われ、気になっている。

   ただ会見の中継を見ている時、家人が「相手の言葉をさえぎって怒鳴ったり、同じ質問を延々繰り返したり、罵声ややじだらけの記者会見てどうなの?。不愉快」と記者を非難した。思わず「答えが質問の趣旨とかみ合わなかったり、逃げていると感じると追及口調になることもあるよね」と反応してしまったものの、言いながら無理があるとも自覚していた。

   かつて報道機関は「第4の権力」と例えられた。その新聞・テレビは今やオールドメディアと呼ばれ、読者や視聴者離れに直面している。近年の選挙を見れば影響力の低下傾向も如実だ。会見に限らず読者、視聴者に嫌悪感や不信感を抱かせるような言動は、記者の使命感や情熱の発露だとしても人々の理解は得られない。自戒を含め心したいと思う。(司)