苫小牧市中学生主張発表大会(8) 努力賞 「さらなる成長をめざして」 ウトナイ中学校2年 橋爪 逢花さん

苫小牧市中学生主張発表大会(8) 努力賞 「さらなる成長をめざして」 ウトナイ中学校2年 橋爪 逢花さん

 突然ですが、皆さんは「あなたの性格について教えてください」と聞かれたら、どんなふうに答えるでしょうか。明るくて積極的、物静かだけど芯が強い、社交的で誰とでも仲良くなれる…。今このステージで皆さんに向かって話している私は、少し前まで自分の意見をあまり言えない、引っ込み思案な性格でした。気軽に話せるのは家族と先生と仲の良い友達だけで、それ以外の人と話すときは、「逆に何か言われたらどうしよう」と考えてしまいがちでした。そんな私が変わるきっかけをくれたのが、美術部での経験でした。

   絵を描いたり、絵の具を使ったりするのが好きだった私は、入学してすぐに美術部への入部を決めました。同じ学年はもちろん、優しい先輩方と過ごす時間が幸せで、たくさん刺激を受けました。そんな充実した日々の中、あっという間に2年生になって半年が経ち、そして今まで部活動を引っ張ってくれた3年生が引退する時期となりました。引退が迫った頃、3年生の部長の言葉に驚きました。それは「逢花、部長やってみない?」という、予想もしない言葉でした。最初は「部長なんて無理…」と思ったものの、「でも、この機会に自分を変えられるかもしれない」と考えたのです。そして私は、部長を引き受けました。

   いざ部長になってみると、部長になった緊張感も、仕事の忙しさに紛れていきました。美術部の活動は大変なことの連続で、部員にうまく指示が出せなかったり、良いアイデアが浮かばずに悩んだりすることがほとんどでした。そんな中、私は「一人で悩むなら、みんなで考えてみよう」と、心に決めました。また「せっかくなら、みんなでやろう」と顧問の先生にも背中を後押しされました。

   今、ウトナイ中学校の玄関ホールには、季節に合わせた様々な装飾がされています。これらのアイデアも、一人では思いつかなくても、みんなで話し合って協力して作製し、飾り付けは美術部員全員で行います。全ての作業が終わった後の充実感と感動、そして達成感は言葉では言い表せないほどです。これまでの私なら、「部長なんだから、一人で全部やらなくちゃ」とすべてを自分で抱えて、一人で苦しみ悩んでいたのが、今では「せっかくの機会だし、みんなでやってみよう」という考えに変わっていきました。初めはうまく指示が出せなかった私も、今は自信をもって「私は部長をやっています」と言えるようになりました。

   部長になったことで、私にはもう一つの発見がありました。何か新しいチャレンジをする時は、大抵誰かとぶつかります。つまり、意見を交流する場面が増えるのです。人とぶつかることを極端に避けてきた私にとって、ぶつかることで、新たな視点から物事を見ることができるようになったのは、大きな発見であり、大きな成長でもありました。

   今ステージで話している私は、美術部での経験がきっかけで変わることができました。そんな私が皆さんに一番に言いたいことは、「自分を変えるきっかけは、必ずどこかにある」ということです。それが、いつ、どこでなのかは誰にも分かりません。ですが、そのチャンスに気づける限り、自分を変えることは可能だと言えるでしょう。部長になったとはいえ、私もまだまだ成長途中にあります。これからも悩んだり迷ったりすることでしょう。でも挑戦することを忘れず、一歩ずつでいいからさらなる成長をめざしていきたいと思います。

こんな記事も読まれています