皆さんは、日頃から親に感謝をしていますか? 今、中学校に通えているのも、親がいてこそのことなのです。友達とスマホでつながってアイドルの話をして盛り上がっているのも親のおかげなのです。親は感謝の対象です。しかし、子どもの可能性を疑ったり、可能性を奪ったりするのも親だったりします。子どもは親を選べません。だからこそ、親は子どもの成長にとって、切り離せないものなのです。そんな親と子の関係について話したいと思います。
まず、親子関係は「人間関係を築く基盤」だということです。人間関係は、親と子から始まります。「パパだよ」「ママだよ」という声から人間関係が始まります。そして、親の愛情を受け、「子どもは、この人は信頼していいんだ」「周りの人は、信頼にたる存在なのだ」と気が付くのです。つまり、親子の関係の中で、人間関係の基盤である「信頼する心」を身に付けていくのです。
次に、親子関係は「人間性を育む」ということです。忙しくても、愛情たっぷりに育てられた子どもは、ポジティブだったり、友達や家族を大切にできたり、自己肯定感が強かったりします。つまり、豊かに、そして、柔軟に生きていく人間性を身に付けることができるのです。わたしも小さいころから、親の愛情を受け、じっくり自分で考える時間をとってもらえたり、自分で決める機会を与えてもらったりしてきました。そのおかげで、みんなに対して自分を主張できるようになりました。反対に、親の愛情が不足している場合、他人との信頼関係を築くことが難しく、他人や自分を認め、肯定する力が弱くなる傾向があると聞いたことがあります。一番はじめに出会い、一番長く接する親子の関係の中で、親の影響を受けて、わたしたちは自分という「人間」を完成させていくのだと思います。
愛情不足で育った子どもは、自己肯定感が低く、気力が低下しやすいといわれています。すぐに「どうせ、わたしなんて…」とか「どうせ親にだめといわれるから…」という言葉を口にしてしまうそうです。そんな状態ですから、将来に希望がもてず、人生に対して投げやりになってしまいます。でも、よく考えてみてください。「どうせわたしなんて…」と思ったことはありませんか? 「どうせ親にだめと言われるから…」と言ったことがありませんか? わたしはたくさんあります。否定されることを恐れて話してしまい、親の顔をうかがいながら話す癖がついてしまいました。習い事の大会の費用の相談をするのですら、言い出せず、ためらってしまうことが何度もありました。どちらも、どこかの極端な家で起こることではなく、どの家でも普通に起きることなのではないでしょうか? 親になるための学校があるわけでもなく、何年もかけてじっくり親になっていくわけでもないのですから、完璧な親なんてありえないのではないでしょうか? 親もいろいろな悩みにぶつかりながら、新しいやり方を試しながら、わたしたちに接しているのではないでしょうか?
わたしは親子の関係の中で最も大切なのは日頃からしっかりとコミュニケーションをとり、親子でそれぞれの思いを共有することだと思います。親子といえども言葉で伝えなければわかりません。伝え合う中で理解し合えるのだと思います。家に帰ったら、子どもは、今日起きた楽しかったことやうれしかったことを話してほしい。親は、忙しくてもスマホを見る前に子どもの話を、目を見て、聞いてあげてほしい。親が、子どもの可能性を決めつけて気力を奪ったり、前を向いて生きていけなくしたりしないよう、親と子の関係を深めていけたらいいとわたしは思います。