「あなたの個性は何ですか?」と聞かれた時、皆さんはすぐに自分の個性を伝えることができますか? 多くの人は「自分の個性って何だろう?」と考えてしまうと思います。
個性とは生まれた時からもっているその人特有の性質や性格。他の人とは違うこと、それが個性です。同じ人間は地球上にはいないので、同じ個性をもつ人間は存在しないということになります。他の人とは違う。同じ人間はいない。それならわかりやすいので、すぐに言えそうなものです。それなのに、なぜ多くの人は自分の個性をすぐに伝えることができないのでしょうか。
私が考えた理由としては、自分自身に興味がないから…そんな簡単な理由ではありません。現代社会において、一人一人の個性が潰されてしまっていることが原因ではないかと思います。なぜこのように考えたのかというと、私の周りにも個性を潰されてしまった人たちが多く、私も小学校の時にそのような経験をしたことがあるからです。
個性が潰されてしまう理由は様々ですが、その人を否定するような悪口や陰口によって自信がなくなり、結果的に個性が出せなくなっている人が多いと思います。私も陰口が原因で、自信をなくしてしまった経験があります。陰口が続くと、これ以上自分が嫌われたくないという思いから、自分の個性を隠すようになり、結果的に個性が潰されてしまうのです。個性を潰されるということは、自分を否定されることと同じなので、これほど苦しいことはありません。
しかし、私は中学校入学という大きな環境の変化をきっかけに、自分らしさを取り戻すことができました。誰かに認めてもらうためにはどうすれば良いかを考えていく中で、まず自分自身を認めることが大切だということに気づいたのです。自分を認めてあげることで、少しだけ自信がもてるようになり、相手のことも認めようとする気持ちが芽生えてきました。そして、新しい人間関係を築いていく中で、人の温かさや優しさに触れ、お互いを認め合うことの大切さを知ることができるようになりました。そのおかげで、今はとても充実した学校生活を送ることができています。そして、2年生になってからは、前期は学年協議会の委員長を務め、後期は生徒会執行部の常任委員長に任命されるなど、自分自身が必要とされていることを実感できるようになりました。
私のように、環境の変化によって、自分自身を見つめ直すきっかけができ、前向きに物事を捉えるようになれた人はほんの一部かもしれません。では、悪口や陰口によって自分の個性を潰されてしまった多くの人たちはどうすれば良いのでしょうか。
皆さんは、自己肯定感とう言葉を知っていますか。言葉の通り「ありのままの自分を肯定する感覚」のことです。他と比較することなく、自分自身が「今の自分」を認め尊重することで生まれる感覚で、物事を前に進めるための原動力になります。私がそうであったように、自己肯定感をもつことでほんの少しだけ前に進むことができると思います。まず自分を認めてあげてください。自分のことがわかれば、相手のこともわかるようになり、互いを認めようとすることができるのだと思います。
個性は一人一人特有の性質や性格。その人にしか存在しない唯一無二のもの。そんな十人十色の個性が輝く世界になるために、互いを認め合えるように、一人一人が努力していきませんか。