• 信頼
    信頼

       やっぱり補塡(ほてん)していた、と思った人は多いだろう。東京地検特捜部が安倍晋三前首相の公設第1秘書らを任意で事情聴取している。首相在任中、安倍さんの後援会は政府主催の「桜を見る会」の前夜、東京の高級ホテルで山口県の支援者らの夕食会を開いていた。会費が不自然に格安で、安倍さん側が費用を補塡していれ

    • 2020年11月26日
  • 出口
    出口

       先日、NHK総合テレビでドラマ「こもりびと」を見た。高齢化、長期化が問題になっているひきこもりの重い現実を考えさせられた。  内閣府が2018年末に実施した調査の結果を改めて確かめた。ひきこもりの定義は「自宅や自室をほとんど出ない状態。趣味の用事や近所のコンビニ以外外出しない状態が6カ月以上

    • 2020年11月25日
  • 盛り上げる
    盛り上げる

       中央競馬の秋の天皇賞で連覇を果たし、芝のG1レース歴代単独最多の8勝目を挙げたアーモンドアイ(牝5歳)が、29日に東京競馬場で開催されるジャパンカップを最後に引退することになった。  引退試合の舞台となる「東京芝2400メートル」は2年前、世界レコードを更新して勝った得意のコースだがこのレー

    • 2020年11月24日
  • ハンマー&ダンス
    ハンマー&ダンス

       日本を代表するロックバンドの一つ、ミスター・チルドレンの初期の作品に「シーソーゲーム」がある。こんな詞だ。「愛想なしの君が笑った そんな単純な事で 遂に肝心な物が何かって気付く」。桜井和寿さんが書いた佳曲だ。  この曲を思い浮かべたのは、先日、学者の一人が新型コロナウイルスの感染対策と感染拡

    • 2020年11月23日
  • 鈍感
    鈍感

       親しみを込め、時にからかって使う本名とは別の呼び名があだ名。「校則であだ名を禁止することに賛成」という人が18・5%いるという記事が先日の新聞にあった。  中学校の頃まで「あんぱん」と呼ばれた。まだアンパンマンのいない時代だから、正義の味方ではない。成長して顔が長くなると誰も言わなくなった。

    • 2020年11月21日
  • 未来を変える
    未来を変える

       新型コロナウイルスで気になるニュースが入ってきた。17日に米国のIT企業グーグルが発表した日本版の感染予測データだ。人工知能(AI)を使い、独自に向こう4週間までの陽性者数や死亡者数を都道府県別で予測。17日時点では、12月12日までの死亡者は512人、陽性者は5万3321人としている。このうち北

    • 2020年11月20日
  • コロナ封じ
    コロナ封じ

       新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。18日の国内の感染者は2201人となり、日別で初めて2000人を超えた。東京都が過去最多の493人、大阪府が273人、本道はそれに続いて3番目に多い233人に上った。全国で14人が亡くなっている。  以前から冬季の感染拡大は予想されていた。空気が乾燥

    • 2020年11月19日
  • 札幌
    札幌

       札幌。北海道の政治や経済、文化の中心地。テレビの天気予報の背景画面で大通り公園の晴雨を確かめて、多くの道民の一日が始まる。  時計台、雪と冬季五輪、アカシアの花を歌詞に散りばめた幾つかの歌が思い浮かぶ、美しい街。その札幌は、11月から日本の新型コロナウイルス感染拡大の中心地になった。感染の波

    • 2020年11月18日
  • 来日
    来日

       来日中の国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は16日、来年夏に延期された東京五輪・パラリンピックについて、開催の決意を改めて表明した。  IOC本部のある欧州は新型コロナウイルスの第2波を迎え、感染拡大が止まらない。一方、日本の感染状況も北海道を見れば分かるように深刻だ。移動リスクが

    • 2020年11月17日
  • 歴史は続く
    歴史は続く

       名だたるアイスホッケー選手を輩出してきたこの地で取材しながら考えることがある。母なる氷都、苫小牧―。樽前山はうっすら雪化粧し、冬の気配が色濃くなった。  今月1日まで、王子イーグルスはホームの苫小牧で栃木日光アイスバックスと2戦して2回とも5―2の勝利を収めた。  1回戦後、追い上げ及

    • 2020年11月16日
  • もしも
    もしも

       「もし自分が、人口の減っていく小さな自治体の住民だったら」。夏頃から、そんな仮定であれこれ考えた人が多かったかもしれない。  後志管内寿都町と神恵内村が高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分地選定第1段階の文献調査に名乗りを上げたのは夏。人口も税収も減り続ける自治体にとって、2年間の調査を

    • 2020年11月14日
  • 赤と青
    赤と青

       米大統領選の開票速報のグラフが「速報」どころか10日たっても確定しない。NHKによると、13日朝の時点でトランプ大統領の得票を示す赤が217、バイデン氏の青が279、残り42。  トランプ大統領は「各地で不正が起きている」と主張し、法廷闘争を続ける構えだが、トランプ政権寄りとされるFOXニュ

    • 2020年11月13日
  • 移住促進
    移住促進

       移住政策で成果を挙げる自治体の事例をテレビで見た。長野県中部の富士見町。農業が主産業の1万4000人余りの小さな町だが、少しでも人口を増やそうとする役場職員の動きと施策がすごい。  町のことなら隅から隅まで知るベテラン職員の専門チームを庁内に設置。空き家の情報を常に仕入れて、移住相談に来た人

    • 2020年11月12日
  • 滑舌
    滑舌

       氷点下の冷え込みの朝。青空しか見えないのにチラチラと小粒の雪が流れてきた。屋根がうっすらと白くなり、間違いなく冬の到来だ。  モゴモゴと話し、滑舌が良くない。よく聞き直されて反省するのだが癖は直らない。「口を閉じ気味に、速く短く話すのは口を大きく開けると口の中に雪が積もるから」。東北人の話し

    • 2020年11月11日
  • ブーム
    ブーム

       漫画「鬼滅の刃」の人気がとどまるところを知らない。  映画は新型コロナウイルス禍にあっても大ヒット。世相を反映した言葉を選ぶ今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補にも当然のように入った。当方は最近まで作品の内容を知らなかったが、過日テレビアニメを遅ればせながら見た。  休日の夜にほ

    • 2020年11月10日
  • 次のステージに
    次のステージに

       未熟さを痛感することがよくある。吉野弘の詩「生命は」をこの30年で2度は読んでいるのに、まるで初めて読んだかのように感動した。受け止められるようになるのに、それなりの人生経験が必要だったのか。長く心が「ぱさぱさに乾いて」いたかもしれない。  生命は/自分自身だけでは完結できないように/つくら

    • 2020年11月9日
  • 再点検
    再点検

       「北海道、大変そうだね」。新型コロナウイルスの感染拡大を心配して東京の家族から電話があった。おとといときのう、道内の新規感染者は2日続けて3桁だった。  数字の大きさに驚く。きのうの本紙1面のグラフを見ると道が独自の緊急事態宣言をした2~3月の感染者数は最も多い日で15人。この数でも47都道

    • 2020年11月7日
  • おごらない
    おごらない

       接戦が続く米大統領選は泥仕合の様相を呈し、最終的な開票結果判明までにはなお時間を要する見通しだ。見るに堪えない混乱ぶりで早期決着を望む。  一方、世界ボクシング協会(WBA)と国際ボクシング連盟(IBF)の統一チャンピオン井上尚弥選手は、ラスベガスで行われた防衛戦で豪州の挑戦者に7回KO勝ち

    • 2020年11月6日
  • 終わりなき旅
    終わりなき旅

       札幌市中心部のイチョウ並木で、黄金色の葉が風に舞って次々に落ちてくる。駅前通地下歩行空間(チカホ)では、コロナ禍に負けずに伝統の「菊まつり」を開催中。晩秋が終わろうとしている。  そんな季節。大道芸人のギリヤーク尼ヶ崎さんが、横浜で90歳の記念公演を行ったというニュースを見た。今年は新型コロ

    • 2020年11月5日
  • 霜月
    霜月

       大阪都構想をめぐる住民投票の開票報道を見て寝不足になった。次はアメリカ大統領選挙。今夜は海の向こうの開票報道で夜更かしか。  アメリカを自由と民主主義の代表のように見る癖があり、マスコミの選挙報道の多さにあきれながらも候補のテレビ討論を見てしまった。世界の和平と軍備、貿易や環境対策の中心を自

    • 2020年11月4日
  • 渡り鳥
    渡り鳥

       冷たい風が首筋を通り抜け、思わずコートの襟を立てた。仕事を終えた帰り道の住宅街。肩をすぼめて歩いていると、「クワー、クワー」と鳥の鳴き声。空を見上げ、目を凝らすと星空が広がる中でV字に飛行するマガンの群れが見えた。時折、先頭が入れ替わりながら南西方向へと飛んでいく。長い旅路となる鳥たちに小さな声で

    • 2020年11月3日
  • 米大統領選
    米大統領選

       世界が注目する米大統領選の投票が3日行われる。現職で共和党のトランプ氏(74)が再選を果たすのか、前副大統領で民主党のバイデン氏(77)が4年ぶりに政権を奪還するのか。現地メディアによる直前の世論調査では、バイデン氏の支持率が51・1%、トランプ氏が43・7%で、バイデン氏が7・4ポイント上回る。

    • 2020年11月2日
  • 記憶力
    記憶力

       もの忘れがいよいよ多くなってきた。書棚に同じ本が何冊かあることを以前にこの欄で白状したことがある。症状はさらに進んでいる。  執筆者名や書名を覚えておらず背表紙だけを見て、つい同じ本を買ってしまうのだが、以前なら読み始めて間もなく「この本は、読んだことがある」と気付き、笑って済ませていた。最

    • 2020年10月31日
  • 星屑の町
    星屑の町

       苫小牧市出身の脚本家、水谷龍二さん(68)が原作・脚本を手掛けた映画「星屑(くず)の町」を市内のシネマ・トーラスで見た。四半世紀にわたって演じられ、市内でも上演された舞台の映画版だ。  東北の田舎町を舞台に、歌手を夢見る地元の娘が、売れないコーラスグループに「私を入れて」と訴えて話は動きだす

    • 2020年10月30日
  • 己に勝ち続ける
    己に勝ち続ける

       社会人野球の取材渦中にいた1997年は忘れ難い一年。当時存在の王子製紙苫小牧が夏の都市対抗、秋の日本選手権各道予選を勝ち、本大会に相次いで進出した。  同チームは1回戦で強豪の日本生命(大阪)と2大会連続で対戦して連敗した。7月の東京と10月の大阪であった2戦で先発登板し、王子打線の前に立ち

    • 2020年10月29日
  • 障害物
    障害物

       逆上がり―。何歳ごろだったろう。別に課題という訳ではなかったが、何度挑戦しても足が前方に落ちるだけで体が回らずに苦労した。  小学校のグラウンド脇のさびた鉄棒で、練習をしていた。そして、ある日、できた。足を投げ出した後、ぐいっと鉄棒を引き寄せると、上半身が鉄棒の方に近付いて体が逆さまに立ち、

    • 2020年10月28日
  • マスク
    マスク

       新型コロナウイルスの道内の感染確認は24日に60人を数え過去最多となった。半年前のピーク時を上回る日が続き、道は警戒ステージの引き上げも検討するという。  マスクがどこにもなく、何度も洗って使ったこと、休日はただただ家でじっとしていたこと、通りを歩く人もなく、店にも誰もいなくなったまち―。あ

    • 2020年10月27日
  • 二つのルーツ
    二つのルーツ

       白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)でしばらくぶりに会った彼は生き生きと働いていた。旅行会社とタイアップしたガイド企業に就職し、ウポポイ見学のツアー客に施設や展示物を案内する活動を始めたという。彼の名は米沢諒さん(27)。白老で今年春までの3年間、公益財団法人の伝承者育成事業でアイヌ語や伝統技術を

    • 2020年10月26日
  • 終幕
    終幕

       JR日高線鵡川―様似間の来年4月1日廃止が確定した。日胆地区で鉄路が廃止されるのは戦後間もなくの王子製紙軽便鉄道(山線)や早来軌道など小規模なものを除けば1986年11月1日、旧国鉄時代の富内線以来のことだ。  本久公洋著「北海道の鉄道廃線跡」(北海道新聞社)に鉄路の記録と、今はもうない木造

    • 2020年10月24日
  • 史上初
    史上初

       中央競馬が「史上初」の話題で持ち切りだ。18日の秋華賞は日高出身のデアリングタクトが史上初めて無敗で牝馬G13冠を制した。25日の菊花賞は新冠出身のコントレイルが無敗で牡馬G13冠に臨む。無敗3冠になれば父ディープインパクト以来3頭目。父子の3冠馬は「前馬未踏」だ。  かつてこの快挙に王手を

    • 2020年10月23日