• ソウルフード
    ソウルフード

       自然豊かな北海道は山海の幸の宝庫。サケ・カニ料理、ジンギスカン、ザンギ、スープカレー、ラーメンなど、ソウルフード(郷土食)は多数あり、今月15日には「北海道のソウルフードを食べる日」が一般社団法人日本記念日協会によって認定登録された。  その日は3月1日。あさって初めて迎える。今後、認知度が

    • 2023年2月27日
  • 祖国
    祖国

       「祖国」という言葉が、ウクライナのゼレンスキー大統領の演説の中で使われる。辞書を見れば「先祖代々住み続け、自分もそこで生まれた国」。難しい言葉ではないが、日常的に使われないのは、熱く重い意味の込められる言葉だからなのか。大統領は国民にロシアへの徹底抗戦を呼び掛けて、この言葉を使った。  何歳

    • 2023年2月25日
  • 暮らしの中で
    暮らしの中で

       高過ぎる電気料金の請求書を見ながらおばあちゃんが「目玉がとび出すわよ」と嘆いた。傍らで驚いたおじいちゃんがせき込んだ途端に口からぽとっと何かを落とした。「入れ歯がとび出した!」と慌てた娘と孫の姉弟―。本紙21日掲載の4こま漫画「あんずちゃん」を読み、思わず笑った。どこかに暮らす家族の日々を温かなユ

    • 2023年2月24日
  • きょうが最後
    きょうが最後

       ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始して24日で1年。「毎日、きょうが人生の最後の日だと覚悟して前線に向かっている」。ある新聞に載っていたウクライナ兵士の言葉に胸が締め付けられる。  ウクライナ軍の死者数はこれまでに1万~1万3000人と同国政府は推定し、ロシア軍の死者数は不明だが、イギリス国

    • 2023年2月23日
  • もしも
    もしも

       20日朝、朝食を取っているとテレビから臨時ニュースの告知音。北朝鮮が弾道ミサイルを発射したらしい。間もなく2度目の告知音、そして3度目―。ミサイル発射は2回、他に大型放射砲2発を発射―と落ち着くまで数時間。「もしも、これが本当の戦争の始まりだったら」と空想しながら不快な時間を過ごした。  速

    • 2023年2月22日
  • 冬の停電
    冬の停電

       この冬、ストーブを買った。コンセントからの電気を必要としない、電池で着火するポータブルのものだ。保管用の灯油も買った。もし停電になり、居間の石油ストーブが使えなくなっても、しばらくは暖を取ることができるだろう。備えを先延ばしにしてきたが、ようやく腰を上げたのは、10年前に西胆振で起きた大規模停電を

    • 2023年2月21日
  • 名馬、逝く
    名馬、逝く

       1993年の日本ダービーを制したウイニングチケットが18日、33歳で死んだ。人間で言えばおよそ100歳の大往生。生存していた中央競馬のG1馬で最年長だった。最近はゲーム「ウマ娘」のキャラクターにもなっており、多くの競馬ファンに愛された1頭だった。  93年の牡馬クラシック戦線で、ビワハヤヒデ

    • 2023年2月20日
  • お追従
    お追従

       自宅の居間にパンダの縫いぐるみが一つ、ある。シャンシャンが上野動物園で生まれた2017年に苫小牧市内のおもちゃ屋さんで買った。座高40センチほどのパンダが居間の中央に座って、あのたれ目で来客や家族を見守ってくれている。  よろける、転ぶ、落ちる、そしてぶつかる。柔軟なのに不器用な身のこなしが

    • 2023年2月18日
  • 少子化
    少子化

       1、2月は人口関連の記事が増える。12月末の節目で集計するためだ。本紙も1月24日付で「苫小牧市の2022年末人口、16万8299人」「9年連続減」と報じた。減り幅は1年で1229人。記録の残る1953年以降で最大という。うち出生、死亡の差の自然減が1192人。少子高齢化の社会だから亡くなる人は多

    • 2023年2月17日
  • 7回制
    7回制

       30年ほど前の社会人野球。まだ金属バットを使っていた時代で、試合時間が3時間を超える乱打戦が多かった。都市対抗野球道予選では、序盤の8点差が七回には逆転していたこともある。まさに勝負は「げたを履くまで分からない」スリルがあった。  日本野球連盟は今季、社会人野球の7回制を試験導入するという。

    • 2023年2月16日
  • あきれ
    あきれ

       孫の成長が速い。幼稚園で初めて見た節分の鬼の面をひたすら怖がり、帰宅後も見るたび、おばあちゃんの手を握って「一緒に!」と泣き叫んでいた臆病者の孫に、はや受験の季節がやって来た。  最年長の孫は3月に東京の小学校を卒業する。北海道ならごく一部にしかない中学受験が、彼の地にはごく一般的なものとし

    • 2023年2月15日
  • ウナギの寝床
    ウナギの寝床

       昔はよく使ったが、最近あまり耳にしなくなった言葉の一つに「ウナギの寝床」がある。体形に合う細長い空間を好み寝床とするその生態に由来した表現で間口は狭いが、奥行きはある建物の例えに用いられる。胴体の長いわが家の飼い犬がソファで横になる主人の股の間に収まり気持ち良さそうに眠る姿を見て、ふとその言葉と共

    • 2023年2月14日
  • 4人の友情
    4人の友情

       ビートルズ少年だった。リアルタイムで聴いた最後の世代だと思う。遠い昔。まだ中学時代の春。あの映画が苫小牧でなかなか上映されず、室蘭の映画館まで見に行った。20世紀を代表するロックバンドの解散直前のセッションを追った「レット・イット・ビー」。あの4人がもう一緒にやることはないんだなと思うと、ひどく悲

    • 2023年2月13日
  • 747
    747

       ボーイング747型機の生産が終了した―という記事が先月末の全国紙にあった。500以上の座席数があり、航空機による移動の大衆化を実現させたのが747=ジャンボ機だった。国内ではすでに見られなくなっていたが、まだ製造が続いていたとは。大きさや、あの「個性的な顔つき」を懐かしく思い出した。  飛行

    • 2023年2月11日
  • 港の歴史
    港の歴史

       苫小牧市を「港まち」と答える市民がどれぐらいいるのだろう。NHKのテレビ番組「ブラタモリ」で港の成り立ちが紹介され、少しは全国区になったのだろうか。残念なのは全国有数の港なのに市民との距離はやや遠い。歴史をたどるとその距離が縮まるのかもしれない。  そんな苫小牧港の東港に新たな岸壁が造られる

    • 2023年2月10日
  • ミラーイメージング
    ミラーイメージング

       ミラーイメージングという言葉がある。ミラーは「鏡」。イメージンングは「試料の情報を基にさまざまな方法で画像化、視覚化すること」なのだが、二つの単語を合わせてより平たく言うと、鏡のように自分を相手に投影し、自分と同じように相手は考えていると思ってしまう錯誤(誤り)をいう。  自分は彼女をこんな

    • 2023年2月9日
  • 読みは
    読みは

       読みにくい名前の子どもが目立ち始めたのはもう半世紀ほど前のこと。小学校の先生が出欠簿に読み仮名を書いている―そんな記事が新聞に載っていたのを思い出す。いわゆるキラキラネームはその後も増え続け、今はテレビ画面の歌手や運動選手の名前を「何と読む?」と確かめ合うのが高齢夫婦の主要な会話だ。  法務

    • 2023年2月8日
  • 海の幸
    海の幸

       誰にでも好物があり、道民には「北の海の魚介は身が引き締まっておいしいから」と海産物を好む人が多いかも。  しかし、海の幸の安定供給には心配事がある。カナダの大学の研究チームがまとめた分析によると、地球温暖化で今後も水温上昇が進めば、海の生態系が変化して生物多様性が喪失するという。姿を消して味

    • 2023年2月7日
  • 冬の創造力
    冬の創造力

       〈氷の祭典、苫小牧スケートまつりは三、四、五の三日間はなやかなプログラムをくりひろげた〉―。今から56年前の「第1回スケートまつり」閉幕翌日の1967年2月6日付本紙に記事が載っている。当時の冬は、第1回アイスホッケー日本リーグ創設のシーズンと重なる。  66年11月の開幕で実業団5チームが

    • 2023年2月6日
  • 鬼は内
    鬼は内

       自分の価値観や行動を判断する時の基準は、家族や友人など極めて狭い人間関係の中で形づくられている気がする。  この数日、報道に考えさせられ落ち着かない。関東や中国地方で広域的な強盗事件を起こしたグループの主犯格4人のうち3人が北海道出身者だと報道されている。収容中のフィリピンの入管施設から日本

    • 2023年2月4日
  • 恵方
    恵方

       2000年代に生まれた人たちは、節分といえば恵方巻き―なのだろうか。昭和世代にとっては、恵方巻きを食べる習慣がなかったのはもちろん、のり巻きと何が違うのか、よく分からなかった。かといって子どもの頃の豆まきも、鬼役がいなかったり、拾い残した落花生の殻を後で踏んで痛かったり、それほどうれしい行事ではな

    • 2023年2月3日
  • デジタル社会
    デジタル社会

       オマチドウサマデス―。ファミリーレストランで、料理を運んできたのはロボットだった。未来の光景を見ている感じがして面白い。飲食業界の人手不足を解決する手段として、苫小牧市内でも導入する店が出始めた。  AI(人工知能)やICT(情報通信技術)、ロボットなど先端テクノロジーをまちづくりに取り入れ

    • 2023年2月2日
  • 冷静に
    冷静に

       世論調査の集計結果にいろいろな思い込みや誤解が修正されることがある。  日本財団が昨年12月に行った「18歳意識調査」も興味深かった。回答した千人の若者の43・8%が「結婚したい」との願望を持っていた。しかし「必ず結婚する」と答えたのは16・5%だけだ。「多分」の34・5%を合わせても結婚す

    • 2023年2月1日
  • 着脱
    着脱

       朝焼けに包まれた苫小牧港に、幻想的なけあらしが立ち込めた。きのうの最低気温は氷点下17・2度。カメラを持つ手もかじかんだが、美しい光景に思わず見とれた。米艦船が9年ぶりに入港した。  記者は市民団体などの抗議活動を取材したが、マスクを着けるか、否かでちょっと迷った。極寒の屋外だったため、最初

    • 2023年1月31日
  • 予算委員会
    予算委員会

       通常国会は予算委員会が始まった。踏み込んだ質疑がある予算委の行方はいつも気になる。今回は特に注視したい。  岸田文雄首相は昨年12月以降、安全保障政策では反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有、エネルギー関係では原子力発電所の運転期間の延長と次世代革新炉の開発・建設による廃止原発の建て替え、そして

    • 2023年1月30日
  • 長い冬
    長い冬

       北海道が一番暖かい―。全国の冬の室内温度の比較では北海道が最も暖かいとテレビで紹介されていた。屋内に常設の大きな暖房器具を置く習慣のない、本州の中央から西側では外気温とあまり変わらない室内で、厚着をしてこたつに入り背中を丸めて春を待つという。この間の大寒波は、さぞつらいに違いない。寒がりの道産子に

    • 2023年1月28日
  • 見極める
    見極める

       カナダの田舎まちでフリーマーケットを見たことがある。規模は30区画ほどで、出ている品も古着や雑貨品が多く、日本と変わらない。  しばらく見ていると、売り場で熱心に交渉している客の姿が多いのが目につく。いかにも怪しげな古い電気スタンドやつぼ、雑貨などをめぐって、熱心に情報を聞いている。

    • 2023年1月27日
  • 書店
    書店

       第168回芥川賞・直木賞の受賞作が19日に発表されたが、周囲はあまり盛り上がっておらず拍子抜けしている。両賞ともダブル受賞でインパクトが弱まったか。賞への関心が下がったとは思わないが昔よりも話題にならなくなった。書き入れ時の書店が受賞作家の過去作品を集めたコーナーを設けるなど一生懸命でも本屋に足を

    • 2023年1月26日
  • 父ちゃん
    父ちゃん

       40年以上も前の一本の電話のやりとりを覚えている。ラジオで北炭夕張新鉱のガス突出事故を知り、勤めていると聞いたことのある知人の安否を確かめるために取りあえず道内紙の夕張支局に電話をした。「お気の毒です」。返事は簡潔だった。1981年10月中旬のことだ。  NHK総合テレビ「北海道道」の「父ち

    • 2023年1月25日
  • 歳月
    歳月

       大寒が過ぎて、札幌では道端の雪山が日増しに高くなっている。新型コロナウイルスの感染者が道内で初確認されたのは1月28日。中国・武漢市在住の40代女性だった。そして道民の初確認は2月14日。連日、深夜の記者会見が続き、道庁が大混乱したことを思い出す。あれから3年の歳月が流れようとしている。  

    • 2023年1月24日