デジタル社会

デジタル社会

 オマチドウサマデス―。ファミリーレストランで、料理を運んできたのはロボットだった。未来の光景を見ている感じがして面白い。飲食業界の人手不足を解決する手段として、苫小牧市内でも導入する店が出始めた。

   AI(人工知能)やICT(情報通信技術)、ロボットなど先端テクノロジーをまちづくりに取り入れ、市民生活や企業活動の質の向上を図るスマートシティーが自治体から注目を集める。携帯電話から発信される位置情報や買い物履歴、まちに張り巡らせたセンサーなどで収集した膨大なデータを商業や観光、防犯防災に生かす動きは既に広がる。オンライン化は新型コロナなど感染症対策としても便利であろう。医療機関が連携し、診断や処置のデータを共有すれば、病気の予防や治療に役立つはず。苫小牧市もスマートシティーの形成を目指している。

   デジタル化の進展は結構なことだが、データとして集めた個人情報が守られるのか気になる。企業が保管する個人情報がサイバー攻撃などで流出する事態が相次ぐ。つい先日、生命保険会社から届いた手紙に「お客さまの個人情報が不正アクセスで流出してしまいました」とあった。おいおい、冗談じゃない。デジタル社会はまだまだ未熟のようだ。(下)