お盆に思う 山田(やまだ) 麻以(まい)
- 2024年8月15日
お盆のたびに思い出すことがあります。母が最後に作った「精霊馬」のことです。精霊馬を飾るかどうかは宗派によりますが、ご先祖さまが浄土と現世を行き来するために乗る馬と牛に見立てて用意するものです。 母が2011年に若年性認知症と診断されてから、13年たちます。最後に精霊馬を作ったのは14年。こ
お盆のたびに思い出すことがあります。母が最後に作った「精霊馬」のことです。精霊馬を飾るかどうかは宗派によりますが、ご先祖さまが浄土と現世を行き来するために乗る馬と牛に見立てて用意するものです。 母が2011年に若年性認知症と診断されてから、13年たちます。最後に精霊馬を作ったのは14年。こ
山々に抱かれた四国の奥深く、水面すれすれに横たわる不思議な橋があります。欄干がなく、増水すれば水没する運命を持つ橋、それが沈下橋です。高知県を中心として西日本に点在する独特の構造物は通路以上の存在で、ある意味、四国の魂を映す鏡であり、この地に生きる人々のたくましさと知恵の結晶なのかもしれません。
前回はおいしいものについてお話しました。現在北海道ではこれがたくさんある季節なので、今回もおいしいものについてお話していきます。 皆さんはクリームスイカの「金色羅皇(こんじきらおう)」という品種をご存じでしょうか。このスイカは常時糖度が15度以上あります。2021年に奈良県の種苗メーカーで
いよいよパリ五輪が開幕しました。日本で期待の選手は多いですが、中でも女子やり投げの北口榛花選手に注目しています。というのも私は高校生の時、陸上部でやり投げをやっていたからです。経験者が少ない競技かと思いますので、少しだけやり投げのことを書かせていただきます。 やりの重さは男子が800グラム
近年旅人の嗜好(しこう)が変化をしています。世界的な傾向でもありますが、これまでは物質的価値を求め、より良い商品をたくさんお手頃価格で購入できることが望まれました。かつ、飲食はおなかを十分に満たせるものが好まれました。 白老町の虎杖浜、竹浦両地域には、観光客の大きな収容施設があるわけではな
「えー! 北海道から自転車で来たの?!」と言われたいという不純な動機で始めた自転車旅行は、苫小牧市から室蘭市、そして海を渡って青森県へ向かうところからスタートした。計画当初は、東京の友人宅に向かう予定だったが、大型トラックが自分の脇すれすれを走るような道路状況で、これでは気がめいってしまうと思い、
私の本業は着物の着付け師である。苫小牧市民斎場で約30年、喪服の専属着付け師として仕事をさせてもらっている。近年はお通夜でも着物を着る人が少なくなった。私は、「着物は日本の民族衣装ですから、1人でも着物の方がいらっしゃると葬儀会場が引き締まり、全体の雰囲気が心のこもった式になるような気がします」と
前回は、コミュニティースペース「ENTRANCE(エントランス)」が持つ三つの役割をお伝えしました。今回は、そのうちの一つ「まちとつながる場」について、具体的なイベントを取り上げて紹介したいと思います。 定期的に開いているものに「ママNight」というお母さん向けのイベントがあります。これ
今回も苫小牧商工会議所の職員について紹介したいと思います。よどんだ空気を一変させる能力を持つ20代後半の女性です。 司会進行をすると華があり、とても明るい人です。みんなの士気を高めることができるので生産性が上がり、成果を出す方向へリードする力もあり、全員を前向きな気持ちにしてくれます。会員
私は「デスカフェ正光寺」「認知症カフェ」を定期開催し、他にはジャガ芋料理を振る舞う中で地域につながりを創出する「フリーじゃがいも」やボランティア活動などを通じ、さまざまな方と対話をしています。 デスカフェ正光寺は、死をタブー視することなく、語り合う場です。コンセプトは「死を考えることは、生
四国の瀬戸内地方に住んでみて、驚いたことが幾つかあります。まず、瀬戸内海は非常に穏やかで、台風がめったに来ません。夏季はなぎが多く、白身魚が豊富です。タイやハマチ、オコゼなどは、その肉質が軟らかくおいしいです。 これに対して、高知県の方はまったく違います。読者の皆さまもご存じのように、高知
前回は市場の「まだ知られていない商品」についてお話をしました。今回は時期でもありますので、うまいものについて、もう少しお話しします。 6月1日から「積丹沖のウニ漁」が解禁になっています。お盆頃までしか漁が続かない貴重なものですが、なぜ夏の積丹のウニがおいしいのかご存じですか。私が長年調べて
最近「年々暑くなっている」という話をよく聞きます。「最高気温は極端に上昇していないが、真夏日の日数は増えている」というデータがあるらしく、体感的に暑さを感じる日が増えているのは間違いないようです。 さて、前回「当庫から内定をもらえてうれしかった」と書かせていただきました。入庫して間もなく「
白老町は大きく分けて2カ所の観光拠点を有します。一つは中心部の大町、民族共生象徴空間(ウポポイ)を中心とした白老地区。そしてもう一つが西部の観光拠点である虎杖浜温泉地区を中心とした虎杖浜・竹浦地区であり、それらの観光推進をけん引するのが虎杖浜竹浦観光連合会であります。 かつては眠らないまち
この時期になると、自転車に大量の荷物を積んで走る人を見る機会が増える。そのたびに思い出すことがある。 社会人から大学生になった私にとって、夏休みはぜいたく極まりない長期の休みだった。この休みを利用しない理由はないと思い、自転車旅行をすることにした。 もともと片道10キロ近い通勤路を
みらいづくりハマ遊の友が苫小牧市住吉町で運営しているコミュニティーサロン「ハマ遊の友」には、70代、80代の元気なお年寄りが数人遊びに来ている。 皆さん、とてもすてきな人生を過ごしてきた方々ばかりだ。上品な奥さま風の独身女性、一見若く見える知的な男性、小説を書くご婦人、真面目なおひげの紳士
こんにちは。今回は、コミュニティースペース「ENTRANCE(エントランス)」について、オープンしてから4年半の活動を経て見えてきた「場としての機能と姿」を知っていただければと思います。 果たしている役割は大きく三つあり、「学びの場」「まちとつながる場」「町民の挑戦の場」です。 ま
今回は、苫小牧商工会議所の職員について紹介したいと思います。 苫小牧市内の劇団に所属する33歳の彼は、商工会議所の中で一番の元気印。そしてムードメーカーであり、昨年度は10社の創業を実現させて「創業の鬼」と異名を取ったほどの男です。 現在の彼の仕事は創業支援だけでなく、経営相談、融
本州での梅雨入り宣言からしばらくたち、台風シーズンの時期が近づいてきましたね。苫小牧市に戻ってきてから、毎年6月には「そういえば5月の終わりからちょっと寒くなって雨が降るんだっけな」と思い出していました。学生時代、学校へ通うまでの道のりが霧に覆われていたり、いつやむか分からない雨がしとしと降ってい
前回は市場全体の長所と短所に気付いたことをお伝えしました。今回は、長所を「まだ知られていない商品がある」としたことについて少しお知らせします。 私はいわゆる「食道楽者」で、生まれはオホーツク海に面した紋別市、初めての勤務先は日本海に面した小樽市だったので、「海のもの」に相当ぜいたくをしてま
前回のテーマは”早期化する就活”でしたが、一方で長期化している一面もあります。 最近は多くの企業がインターンシップを実施していますが、2025年3月卒の学生が3学年次の23年度に参加するものから4タイプに分類されました。5日間以上など一定期間の就業体験を伴うか否かで
「虎杖浜たらこ」は、10月から2月中旬の漁期の中でも、完熟期を迎える12月中のわずか2週間の間に取れる完熟卵を使用して、塩、水、技術、全てを磨き上げ、最高品質に加工しています。 しかし、販売当初から有名だったわけではなく、むしろ他地域で加工されたたらこと比較し、2級、3級品の評価をされてい
「先生、『ちなみに』とは何ですか」 私が中国で日本語教師をしていた時に、学生からこんな質問を受けたことがある。「ちなみに」は、前述した内容に何か別の情報を補足するときに使う接続詞である。おせっかいな私は、日本への留学経験がない学生たちに、「ちなみに、ちなみに」と言って、授業とは関係の無い日
春の青い空の下、真っ赤な鳥居をくぐった瞬間、携帯電話が鳴った。 2024(令和6)年5月1日、水曜日、午前9時58分。樽前神社境内でのこと。苫小牧民報社からの連絡であった。要件はコラム「ゆのみ」コーナーの執筆依頼だった。 すぐに良い返事をすることができず、「考えさせてもらいます」と
初めまして。安平町で町おこし活動をしている東條広大です。私は、現在、活動の一環で運営サポートをしているコミュニティースペース「ENTRANCE(エントランス)」についてお伝えしていこうと思います。 1回目の今回は、エントランス設立までについてです。5年前の北海道胆振東部地震で、安平町は大き
◇マガモの親子 10日の午後2時過ぎ、小泉の沢川と北洋銀行糸井支店第2駐車場との間の道路をマガモの親子が歩いていました。小さなひなにとっては、中央分離帯や歩道の縁石を乗り越えるのも一苦労。近くには子育て中のカラスもいて、母ガモはカラスを追い払いながら移動を続けていました。一時は警察も駆け付
2023年11月より苫小牧商工会議所へお世話になり、半年以上たちました。今回、コラム「ゆのみ」の執筆依頼があり、せっかくの機会なので会議所の使命や力を入れている業務内容、働いている所員の横顔などを紹介できればと引き受けることにしました。 苫小牧商工会議所の概要ですが、会員数2100、全道4
納棺師という職種をご存じですか? 自宅や斎場に伺い、亡くなった方の体を拭き清め、着付けや化粧をする「湯灌」と、ひつぎに納める「納棺」を行うのが仕事です。湯灌では専用の浴槽を持ち込み、入浴させる業者もいます。 私は、2012年に湯灌専門会社へ入社し、9年間勤めて退社し、フリー納棺師となりまし
初めまして。苫小牧工業高等専門学校の杉本大志です。これから1年間、「ゆのみ」の執筆を担当いたしますので、どうぞよろしくお願いします。 僕は生まれも育ちも苫小牧市の35歳で、2016年から6年間は香川、愛媛県で研究者として活動した後、22年に母校である苫小牧高専へ戻って参りました。暇を見つけ
ご縁があり、2020年に苫小牧市港町の海の駅ぷらっとみなと市場事務局長を命じられ、現在に至ります。当時はコロナ禍の真っ最中で、来客は連日わずかばかり。冗談抜きで、市場内にてボウリングができるような状況でした。 私は小樽市に長く住んでおり、「三角市場」のにぎわいをよく知っているので、当時は「