言葉の力

言葉の力

 「時計の針は戻らない」。そう思っていたので、米国大統領選は副大統領のカマラ・ハリス氏(民主党)が小差ながらも元大統領ドナルド・トランプ氏(共和党)を破ると思っていた。テレビや新聞情報を通しての勝手な思い込みなのだが、最終盤になって「ほぼトラ」かもしれないに傾き、結局、それが現実になった。

   「ほぼトラ」と思ったのは、ハリス氏へのインタビューの様子をテレビで見た時である。司会者が「バイデン大統領からあなたに代わってどう変わるのか」と尋ねた時の答え。ハリス氏は「ノン」と一言。バイデン氏の政策と「何も変わらない」と言ったのだ。よく捉えれば、バイデン氏の政策に全幅の信頼を寄せているとなるのだが、それが新鮮味もなく物価高に苦しむ国民にとっては何の期待も膨らまらない。失望に等しい。

   半面、トランプ氏は簡潔に国民に訴えた。集会で「最初に質問する。4年前に比べて生活がどう変わったか」と。物価高に苦しむ国民の心情を見事に捉えた。

   言葉の力の大きさを思い知る。苫小牧市長選は12月1日告示される。これまで1人が出馬表明したが、公約を見る限り美辞麗句が並び、総花的と感じた。何にどう取り組むか、具体的な「自分の色」をまだ感じ取ることができない。(教)