苫小牧市内のスーパー店頭に新米が並ぶようになった。各地のいろんなブランド米が山積みされているが、記者のお目当ては地元産の「ななつぼし」。適度な粘りと甘さが好みで、手頃な価格も魅力的。普段から購入している。
今年の出来を期待しつつ、「新米」の赤いシールが貼られた5キロ袋に手を伸ばし、値札を見て思わず動きが止まった。「3650円」。10キロ袋と間違ったのかと思い、二度見し、全銘柄を確認した。いずれの米もしっかりと値上がりしていた。買わないという選択肢はなく、5キロ袋がいつも以上に重たく感じた。
今夏は全国的に米が品薄となり、市内でも1カ月近く米不足だった。商品棚から米袋は姿を消し、パックご飯が代わりに置かれる日々。定期的に入荷している店では、「1家族2袋まで」などの張り紙が当たり前。不足への不安感からか、買いだめする動きもあったのだろう。
令和の米騒動。米不足の理由は、昨年の夏の猛暑による不作や訪日客の増加による需要拡大などが挙げられるが、そもそも国内では米の消費量が減り続け、政府が生産調整を進めてきた歴史がある。主食の米を守り、米騒動を再び招かないためにも、普段の食生活から見詰め直すことも、必要なのかもしれない。(金)