冷凍食品

冷凍食品

 コロナ禍による外出自粛や物価上昇による節約志向の高まりで自宅での食事が増え、家庭用冷凍食品の国内生産数量や出荷額は2020年から毎年、コロナ禍前の19年を上回っている。

   利用が多いのは、唐揚げ、コロッケといった総菜やピザ、うどんなどの主食。どれも揚げるか電子レンジで温めれば、すぐに食べられる。冷凍庫に入れておけば、調理する時間がない日も調理する気になれない日もしのげるので、使うのが次第に習慣化し、行動制限が解除された後も活用されているよう。

   そんな消費者動向や、弁当、総菜など調理済みの物を買って食べる中食(なかしょく)の増加で、自慢料理を冷凍食品にして販売する飲食店が増えている。吉野屋ホールディングスは22年に特定保健用食品の牛丼の具、モスフードサービスは8月にモスライスバーガーなどを発売。苫小牧市では味の大王(植苗)が人気のカレーラーメンやギョーザを自宅でも味わえるよう、冷凍商品にして自動販売機で提供している。

   多様な形で充実する冷凍食品。欲を言えば、自然解凍でもおいしく食べられる品が増えることを望む。地球環境のためにエネルギーを節約でき、防災食にもできるからだが、ぜいたくだろうか。(林)