10月の末、テレビの定時ニュースなどの冒頭で厚い化粧の若い女性2人が手をひらひらさせて踊っていた。続いて、伝える記事の見出しが映り、2人が何者であるかが分かる。2人は千歳市在住の20歳の男子大学生を殺し、全裸にして江別市内の公園に放置した20歳の女子大学生とその友人だ。「まさか―」とは思いながらも見続けて、理解するしかない。
首都圏や札幌で8月から増え始めた連続強盗事件。指示役と「闇バイト」の関係を結んだ実行役が、高齢者や女性宅を深夜や未明に襲う事件は、11月になっても収まらず、すでに逮捕された容疑者は40人を超し、うち7割が20代と報道されている。容疑者の何人かは送検時の表情がテレビ画面で報道されている。ごく普通の青年のようにしか見えない。カメラや照明を嫌がる様子もなく、淡々とした者も。江別の事件では、暴行に加担しカード奪取に参加した、女子大生2人の知人という16~18歳の男子高校生やアルバイト4人も、身柄を拘束されている。
北海道は髪形や染髪、服装、食べ物などの新しい流行が取り入れられやすい土地柄―そんな評価を何かで聞いたことがある。若い道産子と、自分たちの間に出来上がっていた谷の深さと険しさに驚かされる。一体何が起きているのか。(水)