先達に倣う
- 2025年1月17日
交礼会、新年会などの会合が地方でも中央でも盛んに開かれている。来賓は政治家が多くなり、それが首相となれば主賓。あいさつの話題探しは大変だろうが、通常国会が近いだけに注目する。 時事通信社主催の互礼会で石破茂首相がスピーチした。本紙8日付5面に掲載したが、石破首相はそこで戦前から戦後に活躍し
交礼会、新年会などの会合が地方でも中央でも盛んに開かれている。来賓は政治家が多くなり、それが首相となれば主賓。あいさつの話題探しは大変だろうが、通常国会が近いだけに注目する。 時事通信社主催の互礼会で石破茂首相がスピーチした。本紙8日付5面に掲載したが、石破首相はそこで戦前から戦後に活躍し
「1990年代に倒産したはずのブルーハウスの雑貨店が2000年代に入ってもこの辺で営業していたな」「あそこにハリウッド風の映画看板みたいのが立っていたっけ」。マイカー通勤中、車窓から苫小牧市西部の国道沿いに目をやるとふとそんなことを思い出すことがある。 この20年余りでまちの風景は随分変わ
日本に生息する野生のクマは、青森以南にすむツキノワグマと北海道にすむヒグマの2種類。ツキノワグマはやや小型だが凶暴性ではヒグマに劣らず、東北各地では毎年、大小の人身事故がある。 秋田市では昨年11月、ツキノワグマがスーパーマーケットに侵入し職員を襲って店内に潜伏。商品を食べるなどして過ごし
2017年にオスロでコンサートが開かれた。「ICANのノーベル平和賞コンサート」。そこでの演奏で、そのピアノの存在が世界的に知られることになった。1945年8月、原爆投下により被爆したピアノだ。「爆風により傷だらけとなったピアノ」として現存している。広島に9台、長崎に1台、仙台に1台の計11台があ
お正月気分はすっかり抜けて、いつもの日常が戻ってきただろうか。それでも、各団体やグループの新年会はしばらく続きそうで、新年の抱負が語られている。 そんな会合で付きものが「宴会料理」だ。さまざまな団体に所属しているために、こうした宴会を掛け持ちで回らなければならない人もいる。以前、参加者から
浦河町出身の作家、馳星周さんが「少年と犬」で2020年上期の直木賞を受賞した時、記者会見で「犬に限らず小説の中に動物を出すのはずるいですよね」と謙遜気味に語っていたのを思い出す。馳さんは小説を書き始める前から大の愛犬家。飼い始めて30年ほどになり、夏の間、暑さから犬の負担を軽減するため、軽井沢に移
家屋の倒壊などで6400人以上(関連死含む)の命が奪われた阪神淡路大震災の発生から、17日で30年になる。 被災地に大学が集中していたことで、亡くなった人には比較的20~24歳が多かった。生き延びることはできても、被災によるさまざまな事情で希望の進路を断たれ、涙を流した若者たちがいる。同級
昨年11月下旬、日曜の取材合間の昼下がりに苫小牧市表町の店舗駐車場から見て斜め上空を大きな鳥一羽が一方向へ羽ばたいているのが分かった。焦点距離300ミリの望遠レンズを付けたカメラをバッグから取り出して、とっさに連写してみた。羽の前縁は白く、太いくちばしは真っ黄色。北方から越冬しに来るオオワシだった
「母さん、少し小さくなった?」そう思ったら、気にしてほしいことがあります―。昨年暮れの全国紙の、ある乳業会社の広告。髪の白くなった母が台所で洗いものをする後ろ姿の大きな写真に、ついいろいろなことを考えさせられた。 さだまさしさんは「無縁坂」で、手をつないで坂道を歩いた母のことを「白い手はい
生活は何も変えず、戸籍上でのみ離婚届を出す「ペーパー離婚」の言葉を初めて聞いたのは、記者3年目で夫婦別姓を考える集会を取材した時。自分の姓を変えたくない―と参加者の女性は語った。約40年も前の話だ。法務省の法制審議会が選択的夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案の要綱を答申してからも、約30年がたつ。国連
きょうから仕事始めという人は多い。「奇跡の9連休」とも称された年末年始。新千歳空港で帰省やUターンのラッシュを取材したが、大型連休を生かして旅路に就く人の何と多いこと。ふるさとに帰ったり、観光地に出掛けたりと、思い思いにリフレッシュされたと思う。 新型コロナウイルス禍を経たこともあるが、仕
日胆管内は割と穏やかな三が日だった。Uターンの混雑が始まっている。いつもの年初の光景に安堵(あんど)する。 干支(えと)は十二支で表すが、もともとは十干と十二支を組み合わせた60通りの年号を表すという。これに照らせば今年は乙巳(きのとみ)。ある企業のサイトで「乙はいまだ発展途上の状態、巳は
映画好きの知人が「泣けて笑える」と絶賛していたので、夫婦で見に行った。全国の劇場で好評上映中の自主制作映画「侍タイムスリッパー」。幕末の侍が落雷を受けて現代の撮影所にタイムスリップし環境の変化に戸惑いながら、時代劇の斬られ役を生業に選ぶ。粗筋に若干抵抗感を覚えたが、鑑賞後は作品全体から漂う映画愛に
少年時代。苫小牧市の王子製紙の社宅で家族と暮らしていた。遊びの場は近くの大きな公園だった。今のように学習塾などへ通う子は少なく、学校が終わると、そこで仲間たちと野球ばかりしていた。一日は、あっという間に過ぎた。時間が過ぎていくのが速いという大人は多いが、振り返ると、子供も一緒のような気がする。また
「TKB48」という言葉を聞いたことがあるだろうか。人気女性アイドルグループの名前ではない。防災面で注目されている言葉だ。「T」はトイレ、「K」はキッチン=食事、そして「B」はベッドのアルファベットの頭文字をつなげたもので、48は48時間を表している。 万一災害が発生した場合に、避難所に「
民間の信用調査機関の調べでは、道内企業のほぼ6割が忘年会・新年会を実施するそうだ。コロナ禍前の調査では、実施企業が7割台後半だったことを考えると、宴会需要はまだ完全回復するまでには至っていないことになる。ただ、実施しない企業は「需要が高くない」「参加に抵抗感を持つ人もいる」との理由を挙げ、以前とは
人はよく見る景色やよく行く場所に特別感を持ちにくく、「あなたのまちの魅力は」と聞かれたら、有名な観光地や観光施設を頭に思い浮かべやすい。 ところが近年、何気ないものを生かしてまちの魅力をつくろうという動きがみられる。例えば国土交通省の「かわまちづくり支援制度」は、まちを流れる河川をまちづく
日高山脈の最高峰・幌尻岳(2053メートル)への登山道は、平取町内で沙流川から分岐した額平川を遡行するコースと、もう一本、新冠町の市街地から新冠川沿いの道を、幾つかのダムや発電所を巡って登山口に至るコースがあった。市街地から3時間ほど。登山口の近くには営林署の無人の小さな収穫小屋もあった。
クリックしつつ閲覧していくと、河渕務さんの写真があった。2004年、日本人2人目の国際アイスホッケー連盟殿堂入りを果たした苫小牧の人。元岩倉組選手―指導者で14年に逝去した。日本における「女子競技分野の父」、河渕さんらしい朗らかな笑みに再会できた。日本アイスホッケー連盟(日ア連)が公式ホームページ
昭和の高度成長期、女性はクリスマスケーキに例えられ、25歳を過ぎたら「売れ残り」と言われた。結婚を機に仕事を辞め「寿退社」と祝われた。 専業主婦を念頭に、保険料を払わなくても老後に基礎年金を受け取れる「第3号被保険者」の制度がつくられたのは、専業主婦世帯が共働き世帯よりはるかに多かった19
きょうは二十四節気の冬至。昼が最も短く、夜が最も長い。今年は選挙続きで季節も感じづらかったが、今週は一気に冷え込みが進み、いや応なしに冬の到来を実感する。苫小牧の冬はこれからが本番だが、日が少しずつ長くなると思えば、厳しい寒さも乗り越えられそうだ。 ただ、今冬は雪が少ない苫小牧のありがたさ
苫小牧工業高等専門学校が今年、開校60年の節目を刻んだ。記念の事業が過日行われた。工業高専は、国の高度成長と国土開発を支えるための技術者を短期に育成するとの国策的役割を担って1960年代に設けられた。専門とこれに必須の科目を絞って5年で社会に輩出する。教育体制は産業構造や社会の変化に応じて学科など
「お変わりありませんか」 先日、マイカーの車検で訪れた自動車ディーラー。こちらは相変わらずだが、担当の男性にはどことなく元気がなかった。店の雰囲気も何だか暗く、スタッフが皆、疲れているように見えた。 どうしたのか尋ねると人手不足が深刻化する中、整備工場の人員が半分に減り大変なのだと
北海道の上空に強い寒波が入り16日から各地で厳しい冷え込みが続いている。むかわ町穂別では、16日に道内最低の氷点下20・5度、17日も同20・7度を観測したとか。道内174観測地点の最低という。子どもの頃なら1枚ガラスの窓の内側にできた氷模様を楽しめたが、今は気象情報に驚き布団に潜り込むだけ。
遠い昔。駆け出し記者時代。恵庭市の漁川のほとりに、記念碑が建立されることになった。当時千歳勤務で管轄外だったが、恵庭支局長の配慮で取材させてもらうことになった。多分、そのアーテイストをこよなく愛していることを、支局長が知っていたからかもしれない。 世界的なロックバンド、ビートルズの一人。ジ
人口減少への対策は、地方のまちにとって最大の課題と言っていいだろう。本道では190万人都市の札幌さえ、減少に転じ始めた。苫小牧も、ここ1、2年は千数百人が減少している。少子高齢化が大きな要因で、現状で歯止めを掛ける処方箋はなかなか見つからない。 岡山県に5400人余りの人口の町がある。この
「政治には金がかかる」という政治家の意見をのみ込んで、企業献金の禁止を前提に、国民1人につき「コーヒー1杯分(250円)」の政党交付金が決まった。これに伴って企業献金は廃止(禁止)され、金権まみれの政治と「おさらば」できると思っていた。1980年代後半のリクルート事件をはじめとした政官癒着による汚
新型コロナウイルスが流行して以来、出会いや交流の機会が減り、若い人たちが交際して結婚し、家庭を持つイメージが描きにくくなっている気がする。 結婚は、少し前までするのが当然で、女性はしないと体に不具合があるとみなされた。さらに25歳までに結婚しなければ、クリスマスケーキに例えて「売れ残り」と
〈野球選手とは、ちょうど詩人や画家や歌手のようなものだ。彼らは作られるものではなく誕生するものなのだ〉。1920年代にヤンキースのミラー・ハギンス監督が述べたそうだ。大リーグ史を扱った名著「野球は言葉のスポーツ」(伊藤一雄、馬立勝著、中公新書)にある。 半世紀ほど前、故郷に「打撃の神様」が
白内障の手術を受けた家人が目撃して来た苫小牧市内の眼科の待合室の光景。スマートフォン(スマホ)やパソコンの長時間使用による視力低下に注意を呼び掛けるポスター近くの椅子に、母親に引率された小中学生や高校生が座っているそうだ。スマホ画面に熱中しながら。 スマホが発売されて間もなく話題になったの