• 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画
    佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画

       第七章 変遷・大坂の陣「お侍方。今、笑ったよな。じゃあ、教えてくれよ。何だって、刀身は反り返っているんだ」 農兵ごときが突っかかってくるとは思わなかったのだろう。陣羽織姿の二人組の片方の男が瞬時、むっとした表情を見せた。「おまえは誰だ」 相手にする価値もない。その侍が、相手の名を尋ねたの

    • 2025年3月17日
  • 足立洋子のいち押しクッキング
    足立洋子のいち押しクッキング

       作り方①豆腐は水切りをして大きめに切ってかたくり粉をまぶしておく。②豚ばら肉、ニラは長さ4㌢に切る。卵は溶きほぐす。調味料は混ぜ合わせておく。③フライパンにごま油を入れて強火で熱し、熱くなったところに卵を入れて、ざっとかき回して半熟で取り出す。④そのフライパンに豚肉を入れて炒め、色が変わった

    • 2025年3月17日
  • 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画/《244》
    佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画/《244》

       第七章 変遷・大坂の陣 豊臣は手も足も出ないまま完敗するのではないか。心配する宗是に、了佐が青白い顔を向けた。「牢人たちの士気は意外に高い、と見えました。秀頼様が気前よく銀を与えておりますでな」 豊臣方は、かつて秀吉が蓄えた金・銀をなまこ形の丁銀に加工して、身分に応じて与えていた。困窮する

    • 2025年3月15日
  • 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画/《243》
    佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画/《243》

       第七章 変遷・大坂の陣 大坂城にこもる大半は牢人である。 素性のわからない者たちが城内を埋め尽くすのを見ながら、宗是はいら立っていた。 隣に座す安威了佐に向かって、周囲に聞こえぬように小声で話しかける。「これで勝負になるのか。相手は名だたる大名家ばかりだぞ」 徳川方の大名家では軍制も整

    • 2025年3月14日
  • ぐるーり/世界の旅/国内編/東京・あきる野市/心安らぐ  ひととき/都会の喧噪を離れて~古刹や温泉巡り
    ぐるーり/世界の旅/国内編/東京・あきる野市/心安らぐ  ひととき/都会の喧噪を離れて~古刹や温泉巡り

       カヤ=広徳寺「都内最大」というタラヨウ=広徳寺「秋川渓谷 瀬音の湯」秋川渓谷 東京都西部にある、あきる野市。穏やかな丘陵部と奥多摩の山々に囲まれた緑豊かな地域で、古刹(こさつ)や温泉にも恵まれる。手作りの軽食やスイーツを味わえるカフェも多く、都会の喧噪(けんそう)を離れ、心安らぐひとときを過ごした。

    • 2025年3月14日
  • 映画「悪い夏」
    映画「悪い夏」

       「悪い夏」は、染井為人の第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作を、城定秀夫監督が北村匠海主演で映画化したサスペンス・エンターテインメントである。◇ ◇ ◇ 市役所の生活福祉課でケースワーカーとして働く佐々木(北村)は同僚の宮田(伊藤万理華)から、先輩の高野(毎熊克哉)が生活保護受給者のシング

    • 2025年3月13日
  • 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画
    佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画

       第七章 変遷・大坂の陣 真田信繁は自信ありげであった。徳川方はおそらく二十万の兵力でやってくるというのに、動じる様子がない。その態度が、宗是の興味を惹いた。「出丸……。何か策がおありか」「武田の軍法を守るだけでござる。されど、豊臣恩顧の将たちが攻めてきても、負けるとは思いませぬ」「ほう、

    • 2025年3月13日
  • 聖なるイチジクの種苫小牧シネマトーラス/国から支給された護身用の/銃が家から消えて…/少年と犬ディノスシネマズ苫小牧/馳星周の直木賞受賞作/青年と犬・多聞の出会
    聖なるイチジクの種苫小牧シネマトーラス/国から支給された護身用の/銃が家から消えて…/少年と犬ディノスシネマズ苫小牧/馳星周の直木賞受賞作/青年と犬・多聞の出会

       家の中で消えた銃を巡って家庭内に疑心暗鬼が広がっていく様子を描いた。 テヘランで妻や2人の娘と暮らすイマンは20年にわたる勤勉さと愛国心を評価され、念願だった予備判事に昇進する。しかし、仕事の内容は、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を下すための国家の下働きだった。報復の危険があるため家族を守る護身用

    • 2025年3月13日
  • みんぽうインフォメーション

       【千歳市】 ★サケのふるさと千歳水族館▽コイの餌やり体験(①午前10時②午後1時)定員は各回10人。参加費200円。同施設内で受け付け▽カモン・サーモン・ごはんだモン(毎日午後3時)餌やり。水槽や魚類の解説あり。見学無料▽サケ稚魚放流体験(20日~5月11日①午前11時②午後2時)サケの旅の

    • 2025年3月12日
  • みんぽうインフォメーション 12日以降

       【苫小牧市】 ★河田健Special Jazz Live(14日午後7時、Jazz Spot13)前売り券3000円(当日券3500円)、1ドリンク付き。詳細090(8907)0223(磯部)。 ★Tri,buddies~苫小牧市ゆかりの音楽家による吹奏楽演奏会~(15日午後2時、市

    • 2025年3月12日
  • 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画
    佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画

       第七章 変遷・大坂の陣「真田信繁(のぶしげ)殿か……」 宗是は声をかけてきた男をまじまじと見つめた。二十年近くが過ぎ去り、昔の面影はない。 信繁の父・真田昌幸は武田家の足軽大将だったが、武田滅亡後、信長に恭順して上野(こうずけ)と信濃の境目に所領を認められた。秀吉の時代になって独立の大名と

    • 2025年3月12日
  • 仏教理解と修行の発露/三井記念美術館「魂を込めた円空仏」
    仏教理解と修行の発露/三井記念美術館「魂を込めた円空仏」

       江戸初期の臨済宗の僧、円空(1632~95年)が残した仏像が鑑賞できる特別展「魂を込めた 円空仏―飛驒・千光寺を中心にして―」が、東京都中央区の三井記念美術館で開かれている。30日まで。 円空は愛知や岐阜を中心に、関東や北陸、さらには北海道まで山林修行で巡り、各地に「円空仏」と呼ばれる木彫りの仏

    • 2025年3月11日
  • 日本酒やジンの  「クラフト」人気/果物、ハーブで香り付け
    日本酒やジンの  「クラフト」人気/果物、ハーブで香り付け

       エシカル・スピリッツの小野力CEO=東京都台東区木花之醸造所の「ハナグモリ」(左)と大吟醸の造りをベースにした「Daiginjo Method」エシカル・スピリッツの「LAST」(中央)などのジン=東京都台東区ALL WRIGHTの細井洋佑代表(左)と木花之醸造所の3代目、木村柚月醸造長=東京都台東

    • 2025年3月11日
  • 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画/《240》
    佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画/《240》

       第七章 変遷・大坂の陣 大坂城に牢人が続々と集まるのを知ると、徳川方はこれを警戒し、大坂城に向かう牢人を取り締まり始めた。主な街道に関所を設けて通行人を取り調べた。宗友はそこで捕まったという。 宗友は牢人扱いされたのだろうか。とっさにそう考えた宗是に、千姫が教えてくれた。「宗友殿は大坂方へ

    • 2025年3月11日
  • きょうの献立 青のりレンコンマヨ炒め/ユズみそだれのもやし肉巻き
    きょうの献立 青のりレンコンマヨ炒め/ユズみそだれのもやし肉巻き

       主な材料(2人分)豚バラ肉6枚モヤシ½袋ユズ果汁作り方①レンコンは乱切りにして水にさらし、水気を切る②フライパンにマヨネーズ大さじ1を熱し、レンコンを加え炒める。レンコンが透き通ったら、めんつゆ大さじ1を加え、水気を飛ばしながら炒める③火を止め、青のり大さじ1を加えてさっと混ぜ合わせ

    • 2025年3月10日
  • 《239》 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画
    《239》 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画

       第七章 変遷・大坂の陣 了佐は、宗是が宗友の父親だと名乗れば、千姫に会えると言う。 宗是は、息子の人間関係に詳しくない。息子の宗友は、千姫と顔なじみだというのだろうか。「宗是殿。宗友が婚約したのはご存じでしょうな」「陸奧国に書状が届いた。相手は巨陀(こた)姫というのであろう」 了佐がう

    • 2025年3月10日
  • 苫小牧 オリーブコーヒー 焼きナポリタン 味とボリュームに大人気
    苫小牧 オリーブコーヒー 焼きナポリタン 味とボリュームに大人気

       商業施設の出店が相次ぐJR沼ノ端駅北口にある喫茶店。開店は2019年6月。店主の鈴木智洋さん(68)は愛知県豊田市出身。26年前に仕事の関係で苫小牧へ。豊田で喫茶店を営んだ経験があり、「引退後は、愛知の喫茶文化を苫小牧に広めたい」との思いもあり開業した。メニューは50種類と豊富。お薦めはこの春、

    • 2025年3月10日
  • 来週の運勢 3月9~15日
    来週の運勢 3月9~15日

       献身や努力を続けて。すぐに成果を期待せず長期で取り組むことが肝心です。周囲のネガティブな言葉は聞き流して問題ありません。投資関連で良い方法が見つかるでしょう。幸運数は5と36 疲れを感じても無理をしがち。頑張ろうとする意識は大切ですが少し力を抜きましょう。過度な運動が体を壊す要因になります。異

    • 2025年3月8日
  • 《238》佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画/
    《238》佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画/

       第七章 変遷・大坂の陣         五 久し振りに見る大坂城――。 本丸にそびえる五重の天守。最上層で外から取り囲む回廊。そのすぐ下で威風を示す入母屋(いりもや)屋根。その破風(はふ)の下の壁には黒漆が塗られ、菊と桐の金箔の紋が輝いている。改めて見上げると、比類なき豪華絢爛(けんらん)

    • 2025年3月8日
  • 応募しませんか
    応募しませんか

       ★豆乳 日本豆乳協会は、2024年の豆乳生産量41万㌔㍑の達成を記念し、「加盟企業各社の豆乳セット」(200㍉㍑入り、40本)と同協会の推奨料理を紹介した「豆乳レシピ集」「ニュースレター」をセットにして41人にプレゼントする(写真はイメージ)。 豆乳愛飲者は毎年増えており、生活の中で不可欠な飲

    • 2025年3月8日
  • ぐるーり/世界の旅/海外編/オーストリア/ウィーン/芸術に彩られた冬の古都/週末は音楽鑑賞
    ぐるーり/世界の旅/海外編/オーストリア/ウィーン/芸術に彩られた冬の古都/週末は音楽鑑賞

       ウィーン楽友協会の外観 オーストリアの首都ウィーン。中世以降、数世紀にわたり絶大な力を誇ったハプスブルク家の栄華を残し、モーツァルトやベートーベンが活躍した「音楽の都」として知られる。寒空の下、芸術あふれるこの街で週末を過ごした。 まず宿泊先に荷物を預けて昼食へ。地元出身の友人から薦められたレスト

    • 2025年3月7日
  • 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画
    佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画

       第七章 変遷・大坂の陣 孝蔵主の説明により、宗是も理解した。 大坂城にこもる豊臣方と徳川軍は戦になるだろう。大御所家康がすでに京に向かったのは、これを機に決着をつけるつもりに相違あるまい。江戸の秀忠率いる大軍の到着を待って、総攻撃が始まるのは、目に見えている。 宗是の胸の内を見透かすように

    • 2025年3月7日
  • 映画情報
    映画情報

       マレーシアの首都クアラルンプールを舞台に、最下層の街で支え合って生きてきた兄弟の過酷な運命を描いたマレーシア・台湾合作映画。 クアラルンプールのプドゥ地区。不法滞在者2世などさまざまな国籍や背景を持つ貧困層の人々が暮らすこの地域で、身分証明書を持たないアバンとアディは兄弟として育った。 ろう者

    • 2025年3月6日
  • 独裁体制下の苦悩と戦い
    独裁体制下の苦悩と戦い

       演出中のガイ・ナッティヴ監督(右から2人目)とザーラ・アミール監督(同3人目) 映画「TATAMI」=順次公開中=はイランとイスラエルの政治的対立を背景に、為政者の思惑に振り回される柔道の女性選手の苦悩を描く。監督はイスラエル出身のガイ・ナッティヴと、イラン出身で俳優でもあるザーラ・アミール。「独裁

    • 2025年3月6日
  • 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画
    佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画

       第七章 変遷・大坂の陣 孝蔵主は、片桐且元が譲歩案を大坂城に持ち帰った経緯を話してくれた。「この時、片桐殿とは別に、大蔵卿局=大野治長の母=も、淀殿から使者として派遣されました」 大坂から二組の使者が派遣された話は、了佐が教えてくれた通りだった。「大御所様は、大蔵卿局に対しては会見に及び

    • 2025年3月6日
  • 佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画
    佐藤 巌太郎 作/江戸川 南斎 画

       第七章 変遷・大坂の陣 宗是は清見寺の門を叩いた。 伊達家家臣・和久宗是。名乗りはそれだけでよかった。寺の僧侶がすぐに孝蔵主の居室へと案内してくれた。 宗是が部屋に座すと、やつれた顔の孝蔵主が部屋に入ってきた。黒の法衣に身を包み、胸の辺りには方形の紫袈裟(げさ)、頭には白の頭巾。「宗是殿

    • 2025年3月5日
  • みんぽうインフォメーション

       【千歳市】 ★サケのふるさと千歳水族館▽コイの餌やり体験(①午前10時②午後1時)定員は各回10人。参加費200円。同施設内で受け付け▽カモン・サーモン・ごはんだモン(毎日午後3時)餌やり。水槽や魚類の解説あり。見学無料▽飼育係ちょこっと体験(9日①午後1時30分)水族館飼育スタッフの普段の

    • 2025年3月5日
  • みんぽうインフォメーション 5日以降

       【苫小牧市】 ★ハンドメードイベントからふる(6日午前10時30分、7日午前10時、市民活動センター)入園入学グッズや布小物、あみぐるみ、アクセサリーなどの手作り品を販売。詳細090(6691)1031(川越)。 ★はんどめいどminiフラワー(7~9日午前10時~午後4時、三星三条

    • 2025年3月5日
  • 「陰謀脳 私たちが真実から目をそむける理由」/ユッカ・ハッキネン 著 河合隆史 訳
    「陰謀脳 私たちが真実から目をそむける理由」/ユッカ・ハッキネン 著 河合隆史 訳

       フィンランドの心理学者ユッカ・ハッキネンの「陰謀脳 私たちが真実から目をそむける理由」(河合隆史訳、早稲田大学出版部、1980円)は、陰謀論はなぜ生じ、なぜ人々は信じてしまうのかを丁寧に解き明かす。私たちがいかに陰謀論に影響されやすいか、ということを多様な事例を介して教えてくれる。 「英秘密情報

    • 2025年3月4日