道内外の釣りファンが目の色を変えて挑むサケ。今季前半、胆振太平洋エリアはかつてなく釣果情報が乏しかったが、10月に入って悪いなりに釣果が出始めた。浮きルアーで連敗中の釣り倶楽部担当も中旬、満を持して投げ釣りのぶっ込みでトライ。結果を出してリポートを果たした。
入釣したのは苫小牧市錦岡の海岸。仕事が休みの平日で、朝まずめは河口規制のない市内の川の付近で浮きルアー釣りをし、釣れなければ錦岡か白老の海岸で今季初のぶっ込み釣りをしようと計画した。
しかし洋上の遠い低気圧の影響で、浮きルアーのポイントは波が高く、3、4枚のうねりがある。浮きルアーは難しいと早々に判断し、ぶっ込みの人気ポイント、錦多峰川の左岸に向かった。ここは沖に離岸堤があり、海が多少荒れ気味でも釣りは可能だ。
当然、現地は既にさおの放列。ところが錦多峰川と小糸魚川の中間付近に一組分の空間があるのを見つけた。「釣れないから朝まずめでも空いているのか」と疑心を抱きながらも両隣の釣り人にあいさつし、おじゃまさせていただいた。
釣り座に仕立てたのは4・5メートルの投げざお4本。リールはPE3号を巻き、力糸にフロロカーボン8号をつないでいる。これに自作の胴突き仕掛けをセット。うねりと高めの波で仕掛けが暴れないよう、40号の重りを付けて50~60メートル先に投げ込んだ。
釣り始めは午前7時。反応のない時間が続き、周囲が撤収しだした午前10時、カツオの餌を付けた銀色フロート仕掛けのさおが大きく揺れた。隣の釣り人に促されて少し離れた所から慌てて戻り、ふけたラインを巻き取って合わせると手に重量感。しっかりさおを曲げながらも強引にならない程度にテンションを維持してゆっくり寄せ、波打ち際で少々もたついたものの最後は波に乗せて浜にずり上げた。見れば体長70センチのピカピカのサケ。興奮は簡単に冷めず、周囲の釣り人からの祝福もあって口元が締まることはなかった。
この日は、隣とさらにその隣の釣り人が午前中に複数匹のサケをそれぞれ釣り上げた。どれも銀ピカでサイズもまずまずだ。ただ見渡せる範囲では、一帯で他に数匹にとどまった。
辛抱強く続けたところで何とか結果を出せた今季のサケ釣り。後半にかけて来遊数の回復を期待したい。