• 渡り鳥でにぎわう 秋のウトナイ湖
    渡り鳥でにぎわう 秋のウトナイ湖

       蒸し暑かった夏が過ぎて、爽やかな風が吹く秋がやってきました。自然観察路ではチョウセンゴミシの実や、ツタの葉が赤く色づき、鮮やかです。さて、10月は、夏の間ロシアなどの繁殖地にいた多くの水鳥が、越冬地である本州に渡る途中にウトナイ湖に飛来します。すでに、ガン類やカモ類などが確認されており、ハクチョウ

    • 2020年10月2日
  • 鵡川汐見の先史文化 謎の鵡川盛土墳墓群を考察
    鵡川汐見の先史文化 謎の鵡川盛土墳墓群を考察

       鵡川の鉄橋の近くに、鵡川盛土(もりつち)墳墓群(ふんぼぐん)という北海道の指定文化財があります。現地は看板が立っているだけで町民でも知っている方は少ないと思います。この遺跡は昔、汐見遺跡と呼ばれていました。  1963年4月、北海道大学医学部解剖学教室の大場利夫教授が中心となって3日間の発掘

    • 2020年10月1日
  • (16) 市民文化祭 行事の縮小、中止相次ぐ 独自の発表会開く団体も
    (16) 市民文化祭 行事の縮小、中止相次ぐ 独自の発表会開く団体も

       苫小牧市民が文化活動の成果を発表する一大文化イベント、市民文化祭も新型コロナウイルスの影響を受けている。作品展示やステージ発表など多彩な行事を毎年、秋から冬にかけて市内各所で展開しているが、今年は規模縮小や中止を余儀なくされた行事も多い。関係団体の中には独自に発表や交流の機会を設ける動きもあるなど

    • 2020年9月28日
  • ▶10「トイタ」 アイヌ民族の農耕とは
    ▶10「トイタ」 アイヌ民族の農耕とは

       イランカラプテ(こんにちは)。季節は実りの秋、食欲の秋を迎えました。アイヌ民族はかつて、さまざまな秋の恵みをカムイに感謝しながら、狩猟や漁労、採集で得ていたと想像する方も多いことでしょう。確かにそうではあるのですが、アイヌ民族の暮らしで忘れてはならないのが農耕「トイタ」です。トイはアイヌ語で「土」

    • 2020年9月28日
  • 《12》 医療法人社団PDS アップル小児矯正歯科 珍しい「小児」と「矯正」の専門医 チーム診療の信頼厚く
    《12》 医療法人社団PDS アップル小児矯正歯科 珍しい「小児」と「矯正」の専門医 チーム診療の信頼厚く

       小児歯科と矯正歯科の専門医として27年のキャリアを持つ千枝一実院長(61)。妻の喜恵副院長(58)と共に自院の特徴を「今のスタッフがいるからできるんです」と口をそろえる。歯科医師は非常勤の2人を含めて4人。さらに歯科衛生士8人、歯科技工士1人のほか、コンシェルジュのような役割を持つ「クリニカルコー

    • 2020年9月28日
  • 北海道エアポート社長 蒲生(がもう) 猛(たけし)さん(64) 7空港を線で結ぶ リモートワークのモデル地域に
    北海道エアポート社長 蒲生(がもう) 猛(たけし)さん(64) 7空港を線で結ぶ リモートワークのモデル地域に

       道内7空港(新千歳、稚内、函館、釧路、女満別、旭川、帯広)の一括民間委託に伴い、千歳市の北海道エアポート(HAP)は1月に7空港ビルの運営権を取得、6月から新千歳空港の運営事業を開始した。蒲生猛社長は「7空港の一体運営は他では(例が)ない。空港利用者は道内航空旅客の98%を占め、社会的意味がある」

    • 2020年9月26日
  • ▶6「ルルコシンプ」
    ▶6「ルルコシンプ」

       アイヌ民族の物語には、さまざまな妖怪が登場する。アザラシなど海の動物霊ルルコシンプもその一つ。絶世の美女に姿を変え、人間に取りついては命を奪う。妖艶な歌声で男たちを海へと誘い込むこともある。そんな恐ろしい魔物も、好きになった男には…。「それで、どうなったの」。アイヌの娘は胸をときめか

    • 2020年9月26日
  • 下 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)布川信環境部主任研究員
CCUS実行日本唯一の場所 地域連携が重要に
    下 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)布川信環境部主任研究員 CCUS実行日本唯一の場所 地域連携が重要に

       2019年6月に経済産業省がカーボンリサイクル技術ロードマップ(行程表)を出した。二酸化炭素(CO2)はこれまで使い切った要らないものだったが、カーボンリサイクルは発想を転換して資源と考える。CO2の炭素を化学品や燃料、鉱物と使えるものに戻し、CO2の排出削減につなげる。  カーボンリサイク

    • 2020年9月25日
  • 中 日本CCS調査 中島俊朗社長 カーボンリサイクルの実証拠点へ CCSの装置活用
    中 日本CCS調査 中島俊朗社長 カーボンリサイクルの実証拠点へ CCSの装置活用

       苫小牧のCCS実証試験の目的は、二酸化炭素(CO2)の分離回収から貯留まで、一貫したシステムとして実証し、情報を広く公表してCCSへの理解を深めていくこと。設備の建設や操業を無事故無災害で達成し、安全かつ安心できるシステムであることを確認した。  特筆すべきは地震に関連する不安を、収集したデ

    • 2020年9月24日
  • 上 経済産業省 川口征洋地球環境対策室長 CO2を資源として生かす 苫小牧の活動拠点 脱炭素化への試金石
    上 経済産業省 川口征洋地球環境対策室長 CO2を資源として生かす 苫小牧の活動拠点 脱炭素化への試金石

       苫小牧CCS促進協議会(会長・岩倉博文市長)は16日、苫小牧CCUS・カーボンリサイクル促進協議会に改組した。二酸化炭素(CO2)を回収、貯留するCCS実証試験の成果を受け、CCSに有効利用(Utilization)の「U」を加えたCCUS、カーボンリサイクルの実証という国の新たな取り組みに地域一

    • 2020年9月23日
  • 衝突事故のセンダイムシクイ保護 秋は野鳥の傷病増加
    衝突事故のセンダイムシクイ保護 秋は野鳥の傷病増加

       秋の渡りの季節がやってきました。この時季、多くの野鳥たちが冬越しのため、北から南へと移動します。ウトナイ湖にもつい先日、ロシアの大地で夏を過ごしていたマガンやヒシクイが姿を見せました。越冬地である本州を目指す旅の途中、湖で羽を休めているところでした。  このように、自然界に生きる鳥たちの多く

    • 2020年9月23日
  • (15)ウトナイ湖野生鳥獣保護センター SNSに活路 動画で解説も
    (15)ウトナイ湖野生鳥獣保護センター SNSに活路 動画で解説も

       豊かな自然に囲まれた苫小牧市のウトナイ湖野生鳥獣保護センターも、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている。救護セミナーや自然観察会などの行事はすべて中止となり、関係者は「来場者との距離ができた」と肩を落とす。一方で市民とのつながりを保とうと、インターネット交流サイト(SNS)を活用するなど、新

    • 2020年9月21日
  • コール・ヴォイジャーズ指揮者 越田 和弘さん(82) 合唱と共に歩む人生 ”心の調和”大切に 歌の楽しさのとりこ
    コール・ヴォイジャーズ指揮者 越田 和弘さん(82) 合唱と共に歩む人生 ”心の調和”大切に 歌の楽しさのとりこ

       合唱との出合いは、18歳の時。北海道大学に入学して間もなく、友人に誘われるままグリークラブ(男声合唱団)の部室を訪れた際、室生犀星作詞の「ふるさと」が廊下まで聞こえてきた。温かなハーモニーに一瞬で心奪われ、合唱と共に歩む人生をスタートさせた。   小学校中学年の時、音楽の授業で教員に歌詞の読

    • 2020年9月19日
  • 開拓使三角測量鵡川基点を求めて 近代北海道地図の原点
    開拓使三角測量鵡川基点を求めて 近代北海道地図の原点

       先日、鵡川の河口に行きました。砂丘にはテンキグサという、麦をたくましくしたような外見のイネ科の植物が繁茂していました。テンキグサのわらを干したものは、テンキというアイヌ民族の伝統的な籠やコダシなどの容器を作る材料になります。この海岸線のどこかに埋もれているものが今回の話の主役です。明治時代に開拓使

    • 2020年9月17日
  • 太平洋フェリー北海道支店長・面田広之(おもだひろゆき)さん(54)
    太平洋フェリー北海道支店長・面田広之(おもだひろゆき)さん(54)

       新型コロナウイルスの感染拡大によりフェリー業界で旅客や貨物の取り扱いが前年に比べ減少する中、6月中旬に着任した。苫小牧での勤務は初めてで「会社にとって重要な地域。自然も多く、これからさまざまな場所を訪れたい」と印象を述べる。  今年は、毎年書き入れ時となるゴールデンウイーク(GW)の乗船者数

    • 2020年9月16日
  • (14) ホテルバイキング 復活か代替策か 揺れる対応
    (14) ホテルバイキング 復活か代替策か 揺れる対応

       新型コロナウイルスの流行で、苫小牧市内のホテルはバイキング形式の食事提供に頭を悩ませている。感染者数が拡大した当初は感染リスクの高さが指摘され、一斉休止を余儀なくされた食事スタイル。最近は利用者の要望を踏まえて再開に踏み切る施設と、代替策を継続する所とに対応が分かれている。いずれの施設も感染対策を

    • 2020年9月14日
  • ⑫戻りつつある元の生活、順調な通園「楽しい」 コロナ収束後は旅行に
    ⑫戻りつつある元の生活、順調な通園「楽しい」 コロナ収束後は旅行に

       「きょうは楽しかった?」「うん!」―。苫小牧市緑町の主婦、森友香さん(36)は日課のように、自宅前で認定こども園のバスを出迎える。バスが到着し、ドアが開くと、長女の柚月(ゆずき)ちゃん(3)が笑顔で駆け下りる。友香さんに抱き付き、園の様子などを生き生きと報告。約2カ月遅れで始まった通園は順調で、友

    • 2020年9月14日
  • ▶9 「ウトカンベツ」   白老アイヌ 日高地方から移住?
    ▶9 「ウトカンベツ」   白老アイヌ 日高地方から移住?

       イランカラプテ(こんちには)。白老町の仙台藩白老元陣屋資料館の横を流れるウトカンベツ川。アイヌ民族に伝わる物語によれば、その昔、この川を挟んで両岸から矢を撃ち合う戦いがあったので、ウ(互いに)・トゥカン(矢を射る)・ペッ(川)という地名になったといいます。その戦いの背景には、村同士の闘争があったと

    • 2020年9月14日
  • 《11》 オイワケデンタルクリニック 高齢者宅を訪問診療 日々患者に寄り添う
    《11》 オイワケデンタルクリニック 高齢者宅を訪問診療 日々患者に寄り添う

       旧上川管内風連町(現名寄市)出身の池田大輔院長(65)は東北歯科大学(現奥羽大学)を卒業後、東京都内で3年、札幌市内で約1年、それぞれ歯科医院で経験を積み、1985年に現在地で開業した。  治療や歯科検診で虫歯のある人が少なくなったことに触れ、「近年は口腔(こうくう)衛生意識が向上している」

    • 2020年9月14日
  • 苫小牧市文化交流センター館長、長生大学学長 三塚 弘さん (63)  「よく遊び、よく学べ」  絶やさぬ教育への探究心
 知る喜びが次の興味関心に
    苫小牧市文化交流センター館長、長生大学学長 三塚 弘さん (63) 「よく遊び、よく学べ」  絶やさぬ教育への探究心 知る喜びが次の興味関心に

       道内の高校で約37年間、国語教師や教頭を務め、現在も苫小牧市文化交流センターで行う「とまこまい市民カレッジ」の講師として教壇に立ち、古文や漢文、近代文学を教える。「人生、死ぬまで学生」の理念を胸に、教育と真摯(しんし)に向き合う探究心は絶やさない。  幼少の頃から、絵本を暗唱できるまで読み込

    • 2020年9月12日
  • 山頂に沈む太陽 22日は秋分の日
    山頂に沈む太陽 22日は秋分の日

       季節の移ろいは早いものです。北海道の短い夏が過ぎ、支笏湖畔の木々も少しずつ色づき始めています。夕暮れもずいぶんと早くなり、秋の始まりを実感するようになりました。  それもそのはず、今月の22日は秋分の日です。秋分の日は春分の日とともに「昼と夜の長さがほぼ等しい」とされています。でも実は昼の時

    • 2020年9月11日
  • (下)
 「故郷での受賞うれしい」 好きなもの一つで人生豊かに
    (下) 「故郷での受賞うれしい」 好きなもの一つで人生豊かに

       3年ほど前、妻が突然競馬に興味を持ち始めました。先に言ったように、僕は馬のいないところに住みたいと思っていたくらいなので、最初は競馬には興味はありませんでした。しかし、妻と競馬中継を見ているうち、馬券を買わなければ損じゃないかと思い、馬券を買うように。中継も真剣に見るようになり、馬のいないところに

    • 2020年9月9日
  • 〈下〉 むかわ町 竹中喜之町長 復興への過程を発信 まちなか再生 幅広い視点で
    〈下〉 むかわ町 竹中喜之町長 復興への過程を発信 まちなか再生 幅広い視点で

       ―胆振東部地震発生から2年を迎えた今の復旧状況の受け止めは。  「住まいの再建、工事等を含め徐々にだが、復興に向けた姿が見え始めている。震災を受けた町ということを忘れられないよう、支援を頂いた皆さんへの感謝と合わせてその過程、取り組みも大切に発信していきたい。昨年7月に町の復興計画を策定し、

    • 2020年9月9日
  • 上 本好きな子ども時代、犬との出合いで生活に変化
    上 本好きな子ども時代、犬との出合いで生活に変化

       小説「少年と犬」で第163回直木賞を受賞した、作家の馳星周さん=浦河町出身、長野県軽井沢町在住=の講演会(苫小牧市文化団体協議会主催)が8月23日、苫小牧市民会館で開かれた。講演内容を2回に分けて紹介する。 ◇   ◇  苫小牧に来るのは本当に久しぶりです。先ほど控室に”ガ

    • 2020年9月8日
  • 〈中〉 安平町 及川秀一郎町長 災害に強いまちへ 仮設暮らし解消にめど
    〈中〉 安平町 及川秀一郎町長 災害に強いまちへ 仮設暮らし解消にめど

       ―胆振東部地震発生から2年を迎えた今の復旧状況をどう受け止めているか。  「仮設住宅は入居期限が10月末と11月末に分かれているが、町内3地区で建てている地域優良賃貸住宅3棟6戸が今月末に完成すれば仮設住宅暮らしはすべて解消される見通し。ペットと同居可能な住宅についても、町営住宅や道から無償

    • 2020年9月8日
  • 〈上〉 厚真町 宮坂尚市朗町長 コミュニティー再編へ協議 復旧工事順調に進む
    〈上〉 厚真町 宮坂尚市朗町長 コミュニティー再編へ協議 復旧工事順調に進む

       2018年9月に北海道全域を襲った胆振東部地震から6日で丸2年を迎えた。大きな被害を受けた厚真、安平、むかわの3町の町長に復旧工事の進捗(しんちょく)状況や見通しなどを聞いた。  ―復旧、復興状況をどう受け止めているか。  「国や道、町が発注した復旧工事は順調に進んでおり、町民からも評

    • 2020年9月7日
  • (5)転入者への期待 ボランティアから町職員へ 西尾さん「むかわを支えたい」 各町積極的に受け皿づくり
    (5)転入者への期待 ボランティアから町職員へ 西尾さん「むかわを支えたい」 各町積極的に受け皿づくり

       むかわ町の建設水道課技術グループに勤務する西尾礼央奈さん(24)=千葉県出身=は、胆振東部地震から約1カ月後、同町のボランティアに参加したことがきっかけで、今年の春、町職員になった。その根底にあるのは「力になりたい」という思い。「まだ駆け出しだが、専門的な知識を深めて住民の意見を大事にしながら日々

    • 2020年9月5日
  • 苫小牧スポーツ少年団野球専門部会事業部長 掛橋 仁一さん(73) 少年野球指導に熱 監督歴30年以上 強豪チームに育てる  「感謝の気持ち忘れず頑張って」
    苫小牧スポーツ少年団野球専門部会事業部長 掛橋 仁一さん(73) 少年野球指導に熱 監督歴30年以上 強豪チームに育てる  「感謝の気持ち忘れず頑張って」

       1979(昭和54)年夏、苫小牧市青葉町の自宅に届いた回覧板に少年野球チーム大成クラブの勧誘ビラが挟まっていた。小学2年生になった長男に野球をさせたいと考えていたころ。指導者募集の一文もあり、「お手伝いしてみるか」と掛橋仁一さん(73)は軽い気持ちでチームの会合に足を運んだ。その後間もなく、グラウ

    • 2020年9月5日
  • 問題はIT化の遅れ  北海道を未来社会の聖地に クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役 伊藤博之さん(55)
    問題はIT化の遅れ 北海道を未来社会の聖地に クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役 伊藤博之さん(55)

       「この2、3年に日本の未来が懸かっている」。新型コロナウイルスとの戦いについて「人類の歴史は感染症との戦い。時間はかかるかもしれないが、ワクチン開発やPCR検査を使った囲い込みで怖くなくなるだろう」と話す。一方で「問題は日本のIT(情報通信)化の遅れ」と警鐘を鳴らす。  これまで日本はIT分

    • 2020年9月5日
  • (4)安平早来中の部活動 練習場所確保に一苦労 学校のグラウンド使えず 移動も負担に
    (4)安平早来中の部活動 練習場所確保に一苦労 学校のグラウンド使えず 移動も負担に

       残暑が厳しい8月末の放課後。安平早来中学校ソフトテニス部の部員は、重い荷物を背負って町内大町の仮設校舎からの長い坂道を上っていた。目的地はときわ公園のテニスコート。15分ほど歩いて到着するとすぐに準備し、1時間20分足らずの決して十分とは言えない時間内で黙々とボールを打ち込む。帰りのスクールバスが

    • 2020年9月4日