希望
- 2021年8月4日
「メガネおばあちゃんへ」。首都圏に住む孫から、そんな書き出しのはがきが届いた。そういう呼び方をしていたのかと大笑いをした。 今春、小学校に入学して初めての夏休み。文字の大きさにばらつきはあるが平仮名、片仮名と漢字を混ぜ合わせて書き上げた暑中見舞いだ。「なつ休みプールきょうしつにいきました。
「メガネおばあちゃんへ」。首都圏に住む孫から、そんな書き出しのはがきが届いた。そういう呼び方をしていたのかと大笑いをした。 今春、小学校に入学して初めての夏休み。文字の大きさにばらつきはあるが平仮名、片仮名と漢字を混ぜ合わせて書き上げた暑中見舞いだ。「なつ休みプールきょうしつにいきました。
髪を結い上げ、耳飾りを付けた高さ15センチの小さな人形(ひとがた)土偶に縄文人は何を祈ったのだろう。細かな装飾の浅鉢形土器にごちそうを盛り付け、竪穴式住居に住む家族が寄り添って食事を共にしたのだろうか―。土中から掘り出された大昔の遺物から、当時の人々の様子を想像したり、謎に首をひねったりするのは実
千歳市のキウス周堤墓群をはじめ17遺跡で構成される「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録が正式に決まった。国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦が、何度も見送りになった不遇の時期もあっただけに、関係者の喜びもひとしおだろう。長年にわたり遺跡などを良好な状態に保ち、機運の醸成に努めてきた
「国民と政治の間で危機感が共有されていない。強く分かりやすいメッセージを」。28日の衆院内閣委での尾身茂政府新型コロナ分科会会長の発言に考えさせられた。 昨年1月、国内で初めて感染者が確認されて始まった日本の新型コロナウイルス禍。約1年半が過ぎた29日に、全国の1日当たりの新規感染者数が1
日本の選手の奮闘に活力をもらっている。取材力を競い合って報道各社が選手の声やこの舞台に至るまでの辛苦のエピソードを伝えてくれるから、何度も目頭を熱くする。涙腺は緩みっ放しだ。 とりわけ柔道男子73キロ級で、リオ五輪に続き連覇を果たした大野将平選手の言葉に心は揺さぶられた。「厳しい戦いが続い
勇気や力はそう簡単に与えたり、受け取ったりできるものではない。作家にしてミュージシャンの町田康さんは、優れた芸術にもそれは「できないと思う」と語る。与えようと企図した段階で、その「代替品」に成り下がるからだという。その上で「そうした簡単な言葉で表し難いものを確かに受け取りそれが自分の中に間違いなく
オリンピックといえば1964年の東京五輪を真っ先に思い出す世代。菅首相と同年代なのだからしようがない。テレビや銀幕のアベベ、東洋の魔女を応援していた。 競技への関心も事前学習もまったくない山あいの中学生が、三波春男さんの美声と小節を耳にたこができるほど聞かされただけで五輪騒乱の渦中に投げ込
真夏の空で白い雲が、威張ったように肩をせり出している。札幌は今月中旬から、気温30度超えの真夏日が続く。先日は今世紀に入り初めて、21年ぶりという35度の猛暑日になった。昼夜を問わず、扇風機がフル回転している。 夏空の下、大通公園には東京五輪の巨大なモニュメントも登場した。愛犬を連れて散歩
やっぱり、日本の選手が活躍すると心を揺さぶられる。下手をすると涙腺まで崩壊してしまう。東京五輪は始まったばかりだというのに、日本のメダルラッシュに熱くなる。「復興」や「おもてなし」という招致段階での理念や目的は大きく変わっても、スポーツの力は健在だ。 シナリオがないから、アスリートは集中し
子どもの頃、いじめを受けた経験のある知人がいる。つらさを思い出すから、内容は誰にも話したことがない。数十年を経た今も「加害者を絶対に許さない」と怒る。 いじめとは―。苦悩する父母や教師の声と言葉、自分の非力を思い出した。東京五輪開幕直前の騒動で記憶の時計が引き戻された。開会式の作曲担当者と
東京五輪は今夜、国立競技場で開会式を迎える。これに先立ち21、22両日にソフトボールや男女のサッカー競技の予選が催され、今朝からボートやアーチェリーの予選も始まった。女子サッカーの日本の初戦は全国で3300万人以上がテレビ観戦したとされ、五輪の関心の高さをうかがわせる。大舞台で躍動する選手の姿を見
世界中が新型コロナウイルスという共通の感染症と闘っているさなか、東京五輪の競技が始まり、あすはいよいよ開会式が行われる。 国内では、選手団の移動で感染の要因とされる人流が生まれている。一方、2回目のワクチン接種を終えた国民は、まだ23・8%(21日現在)。感染者や亡くなった人の数は今も毎日
東京五輪のサッカーなど一部競技がきょう、開幕した。コロナ禍と、それによる開催延期など、この間の出来事の記憶が頭を駆け巡る。 新型コロナウイルスの検査と行動管理徹底で外部と遮断したはずの選手村では、さっそく選手らの陽性確認が連日のように発表されている。大会組織委の幹部は「(事態を)コントロー
米「アポロ11号」搭乗の宇宙飛行士が初めて月面に降り立った1969年7月20日からきょうで52年。「一人の人間にとって小さな一歩だが、人類には偉大な飛躍」―。 アームストロング船長の至言が発せられた日のテレビ中継映像に子供の小職も驚きを覚えて以来、宇宙探査に興味を抱き続けた。80年代には今
安心で住みやすいまちづくりを検討する会に参加している。苫小牧港開発が呼び掛け、不動産会社や金融機関、商工会議所、市もメンバーに名を連ねている。 まちづくりの重点を明確に「子育て」と「介護」に絞り、検討を重ねる。先日は学研ホールディングス常務取締役の小早川仁さんを招いた。学研といえば「科学」
道内でヒグマによる人身事故が相次いでいる。農漁村の過疎化に続いて、都市部も人口減少が話題になる時代。何の均衡が崩れたのか。 16日までの死傷者数は9人を数え、統計の残る1962年以降最多だという。死者は4月10日の釧路管内厚岸町の山菜取りの男性を皮切りに3人。渡島管内福島町で2日に発見され
約26万人が足を運んだという。白老町のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)が昨年7月12日に開業して以降、これまでの1年間に入場した人数だ。政府が目標に掲げた100万人をかなり下回ったけれど、状況はコロナ禍。運営者側は何も焦る必要はない。アイヌ文化の多様性を伝え、理解と関心を深めた人を
新千歳空港国際線ターミナルビルで千歳市が10日、新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場を期日限定で開設した。闊歩(かっぽ)していた訪日外国人旅行客らの姿が消えてから1年以上。接種券を手にした市民が距離を空けながら列をなした。「空のまち」千歳ならではの光景だった。 広く充実した施設が閑散
子どもの頃、おばさんやおばあさんの世代の使っていた言葉に「ほまち」がある。石垣福雄著「北海道方言辞典」によると内密の収入や蓄えのこと。つまりへそくり。 東北や栃木、長野の言葉らしい。辞典には北海道来住者の出身県別の表が紹介されている。1922(大正11)年までの移住者の数は青森県を筆頭に、
20年以上前に生産されたお気に入りの愛車を手放した。乗り続けるのに動力系のユニット交換が必要で、メーカーの品はとうに世にないため本州を含めてスクラップのリビルト品を探してもらったが、売価と輸送費を聞いて諦めた。 想定外で買うことになった車には隔世の感だ。安全や運転支援の機能が満載で、多くの
新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、最近、周囲と「1回目はいつ?」といったやりとりが増えている。苫小牧では12日にハスカッププラザがモデルナ製を使った中小企業向け職域接種をスタート。当面、職場で話題の中心となりそうだ。 さて、米製薬大手ファイザーがワクチンの3回目の接種について、規制
防災に問われるのは記憶力と想像力という。大雨が毎年、山を削り堤防を壊して流れる国。熱海の惨状を見ながら、私たちは何を記憶し想像して次の災害に備えるか。 仕事柄、地震でも台風でも被災の現場に近づくことが多い。自分の災害の記憶の基点は、1981(昭和56)年8月の「56水害」だと思っている。も
アジサイが咲いている。地下鉄駅へ向かう通勤途中、心を和ませてくれる。札幌の気温はもう真夏並みだが、雨が降りだすと冷たい風が吹く。本格的な夏到来を前に、マスクを2枚重ねた取材も続く。 そんな季節。ジャーナリストの立花隆さんの訃報が届いた。亡くなったのは4月30日で、2カ月近くたって公になった
聞かれた質問にはきちんと答える。家庭や学校で特別に教えられた記憶はないが、それが当たり前のことだと認識している。 でも、政治の世界はどうやら違うらしい。特に最近の宰相はそういう認識は持っていないようだ。 菅義偉首相に質問が飛ぶ。「五輪開催の意義は」。答えは「安全、安心の五輪を目指す
「北海道と北東北の縄文遺跡群」の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産への登録が今月末の世界遺産委員会で正式に決まる。 登録の対象となる函館市の大船遺跡、千歳市のキウス周堤墓群、青森市の三内丸山遺跡など17の遺跡が北海道新聞で紹介された。祭祀や住居、食など遺跡の概要を学ぶことができた。
休日の晴れた日は庭の雑草除去に精を出すことが多い。かつて草が伸び放題で「自然野草園」とやゆされた庭も少しずつ整い、最近はわずかな広さにミニトマトやレタスなどが栽培可能になった。植えたものが少しずつ成長していくさまを見るのは楽しい。花苗も日を追うごとに膨らみ始める。 そんな心にゆとりを持てる
感染症の拡大で、医療従事者が多忙を極めている。負担を減らすために私たちにできることは、感染予防や健康管理に努め、病院にかからないようにすること。 受診をする場合は、スマホなどのビデオ通話を使って「オンライン診療」にすると、感染リスクが減り、医療従事者はもちろん、自分自身のためにもなる。ただ
新型コロナウイルスワクチンの2度の接種を終えた。変異種の道内上陸、ワクチン不足など次の難題が表面化しているものの、わが家のウイルス対策は大きな区切り。 高齢者として優先接種の対象になった。当然、感染したくない。同時に家族や近所、友人や知人を、感染源にも被害者にもしたくない。重症化し、治療ベ
札幌アイスホッケー連盟が揺れた。2017年冬季アジア札幌大会の競技運営業務受託費残金約880万円を簿外口座で管理していたことが、このほど明らかになった。 同大会組織委員会からの受託で契約上返還義務はないものの、残金の処理をめぐって長期間放置する状態が続いていた。 一部の役員が札幌地
7月に入った。東京五輪の開会式に先立ち、21日には札幌ドームで女子サッカー競技が始まる。その札幌市は2日前、新型コロナウイルスのインド由来のデルタ株に感染した疑いのある陽性者が確認されたと発表した。京都大学の西浦博教授らの分析によると、デルタ株の感染力は従来のウイルスの1・95倍と推定され、五輪開