選良
- 2021年6月30日
泥棒を捕らえてみれば―。政治家や官僚の行いに落胆させられることが多い。最近では買収で有罪判決を受けた元法務大臣や公的資金詐欺で逮捕されたキャリア官僚。 政治家は、特に高まいな志を持たない、私利私欲と階層上昇欲だけで生きているような人でも、経歴や地縁血縁を選挙の勝利に結び付ける知恵と演技力が
泥棒を捕らえてみれば―。政治家や官僚の行いに落胆させられることが多い。最近では買収で有罪判決を受けた元法務大臣や公的資金詐欺で逮捕されたキャリア官僚。 政治家は、特に高まいな志を持たない、私利私欲と階層上昇欲だけで生きているような人でも、経歴や地縁血縁を選挙の勝利に結び付ける知恵と演技力が
文化芸術を観光のまちづくりに生かす。そうした試みが白老町で今夏から動きだす。文化庁の「日本博」事業の予算を活用し、地元の実行委員会が町内で文化芸術プロジェクトを展開するという。 「日本博」は日本の美や文化を世界にアピールし、コロナ後の訪日旅行需要の回復につなげる国の戦略的事業でもある。予算
新型コロナウイルス感染症対応の緊急事態宣言が解除されて初の週末。夏の到来を感じさせる好天に恵まれ、久々の外出を楽しんだ読者も多かったと推測する。 当方も宣言解除後のまちの雰囲気を肌で感じようと、不要不急の用事を兼ねて市内を回ってみた。 宣言中は臨時休館していた市美術博物館は、企画展
自分たちが社会的事象のど真ん中に存在していたことを1990年の芦原すなおさんの小説「青春デンデケデケデケ」に、教えられた。 小説は、四国・観音寺市を舞台に4人の男子高校生が進学や就職で別れ別れになるまでの数年間、エレキギターを中心に繰り広げる物語。ラジオから流れたベンチャーズの「パイプライ
先日、読者から見慣れないカレイを釣った、との連絡を頂いた。見ると尾や背、尻の各ひれに条紋がなく、有眼側のうろこはざらざらと粗い。頭は小さく、無眼側は白一色。大きさは30センチ弱だった。北海道の魚類図鑑を広げてみたが、素人には分からなかった。 道立の研究機関に相談すると、非公式ながら「マコガ
東京五輪開幕まで、1カ月を切った。新型コロナウイルスの収束が見通せない中、感染対策に当たる専門家有志は「無観客が望ましい」と提言したが、大会組織委員会などは会場の収容定員50%以内、1万人を上限とすることを原則に観客を入れる方針を決めた。開催自体に反対する世論にも「あり得ない」と言わんばかりにアク
紙巻きたばこから加熱式たばこに替えて3年になる。充電の手間にも慣れた。悪い習慣を続けるためなら、工夫する根気はあるようだ。 何度か禁煙に挑み、数年間成功したこともある。しかし、復煙はまったく簡単で、自分の意志の弱さにあきれた。いつまでも室内に残る煙や臭い、周囲の健康被害への批判の高まりが悩
遠い昔。東京の明治大学商学部の入試会場。国語の問題であの詩が登場して驚いた。〈長い長い坂を登って うしろを見てごらん 誰もいないだろう 長い長い坂をおりて うしろを見てごらん 皆が上で 手を振るさ〉。日本のシンガー・ソングライターの草分け的存在、吉田拓郎さんの代表曲「イメージの詩(うた)」。197
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う北海道への緊急事態宣言が解除された。解除されても、新規の感染者は連日出ているし、死者も発表されている。決して手放しで喜べる状況ではない。家族や自身の感染予防へ、対策の緩みだけは禁物だ。 ちょうど1カ月後には東京五輪の競技がスタートしている。開会式は7月23
きのうの未明、山道でヒグマに遭った夢を見た。巨大な黒い塊がゆっくりと動き出した。自分の大声が家中に響きわたって目が覚めた。 単なる偶然なのだが、起床すると道都・札幌市のヒグマ騒動のテレビやラジオの報道が始まっていた。ごみ出しの高齢者らが襲われ、けが人がだんだん増えていく。結局、ヒグマ1頭が
時々お世話になる医師から「なかなか寝付けない時は無理に寝ようとしない方がいいよ」という助言を頂いた。今、それを実践し床で横になりながら本を読むのだが、目はさえるばかり。睡眠時間が1日2~4時間という日もある。 理想の睡眠時間は7時間だが、その合間にもたびたび目を覚まし、少し本を読んでまた眠
感染症予防で常にマスクをするようになって、じきに2回目の夏を迎える。暑い季節、少しでも心地よく着用できるよう、メーカーでは多様な商品を開発している。 例えば、マスクの脇に引っ掛けて使う充電式の軽量小型ファン。スイッチを入れるとマスクの中に微風が流れ、涼を感じられる。マスクには、ストローを使
日本では「家族以外の親しい友人がいない」という60歳以上の人の割合が31・3%に上った。政府が先の閣議で決定した2021年版高齢社会白書の結果。15年の調査に比べて5・4ポイント多いという。 国際比較のためアメリカなど3カ国でも調査したところ「いない」と答えたのはアメリカで14・2%、ドイ
曇天の夕刻、中国国際航空のジャンボ機が新千歳空港に飛来した。機は降下し、主翼下の対の車輪が接地したものの、機首下の前輪が長く接地しないままの体勢を続けた。 千歳に勤務していた2018年5月、中国の李克強首相が本道訪問時に乗ったチャーター機を滑走路近傍で写真撮影した際の光景。日頃見る旅客機で
「国民の命と安全を守るのが私の責務だ。守れなくなったらやらない」と菅義偉首相は東京五輪・パラリンピック開催について述べた。 9日の国会の党首討論で、開催を契機に国内で感染が広がり、それが国民の命と健康を脅かす事態を招くということがないか、と問われ「57年前の東京五輪、高校生でした。いまだに鮮
他界した身内や友人の声や話し方、笑顔などはかなり長い間記憶に残り、数年どころか数十年の時間を越えて突然、夢に現れたりする。 先日、家人がスマートフォンで孫と遊んでいると脇から息子の声が聞こえた。「そうだ。じいちゃんの夢、見たよ」。「元気だった?」と家人。「ああ。元気だった」。母と子の、不思
あきれて物が言えない。白老牛の生産者は皆そう思ったのではないか。許せない、そんな声も上がる。中国の行政機関が、自国企業から出された白老牛の名称入りマークの商標申請を認めたからだ。 本物の商標マークと酷似したものを中国で勝手に登録するのは、町として黙っていられない―。白老町は昨年2月、特許権
自動車の運転をしていると自らの衰えを自覚させられる。視力が落ちた。聴力も怪しい。筋力低下が進み、ハンドルが重くなっていく。 暴走や逆走など高齢運転者の事故のニュースの報道に震え上がる。数年前まで、未明に自宅を出発して往復500キロ以上を走って山歩きをしていたのに―と、往時を懐かしむ心のあり
国民の命がないがしろにされている気がして仕方がない。医療が逼迫(ひっぱく)し、必要な治療を受けられないまま亡くなる人を含め、全国で日々何十人もの命が新型コロナウイルスで奪われている。その中でただただ東京五輪開催に突き進む政府の姿勢を疑う。 先週、政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾見茂会長
五輪開幕まで50日を切る中、国内では中止や再延期を求める声が日増しに強まっているように感じる。数年前に国際オリンピック委員会(IOC)委員の投票で夏季五輪の開催地に東京が選ばれたとき、こんな状況は予想だにしなかった。1964年以来、2回目の開催はアジア初。大会運営能力の高さなどが高く評価された結果
樽前山(1041メートル)が23年ぶりに小噴火したのは1978年。火口原で最初の降灰が確認されてからしばらく、苫小牧民報社は記者を毎日2人、7合目に派遣した。 活火山・樽前の最新の動静や火山学者たちの活動を読者にいち早く伝えるためだ。ヘルメットを用意して朝から夕方までヒュッテ付近に待機し、
学生時代から敬愛する作家やジャーナリストが、何人かいる。沢木耕太郎さんも、その一人。バックパッカーのバイブルのような「深夜特急」に魅せられて、プロボクサーのカシアス内藤さんの復活と挫折を描いた「一瞬の夏」に引き込まれた。特に「敗れざる者たち」を読んで、物書きの端くれになれないだろうかと考えた。
新型コロナウイルスと向き合ってから1年半になる。日本語としては違和感のある「自粛の要請」もすっかり定着。緊急事態宣言の延長で、さらに我慢の日々が続く。 コロナ禍で生活のリズムが大きく変わった人も多いと思うが、ビジネスの世界でも劇的に変わったのが会議の在り方だ。社内も「密」を避けることは優先
小中学校のデジタル教科書導入が2024年度にも始まるという。文科省の有識者会議が紙の教科書との併用を強調する報告書をまとめ、移行には曲折もありそうだ。 いろいろな教科の教科書をタブレット端末(薄型パソコン)などに記憶させ、呼び出して学ぶのがデジタル教科書。文字を拡大できたり音声が出たり動画
日中の最高気温が20度を超える日も増え、休日に焼き肉パーティーを楽しむ家族だんらんの姿が目に付く。新型コロナウイルスで自粛や行動変容を求められ、窮屈な生活から逃れたいとの思いから焼き肉パーティーに限らず、キャンプや軽登山、サイクリング、釣りなどアウトドアが昨年以上に盛り上がることが予想される。
きょうは、国が9都道府県に発令した緊急事態宣言の最終日になるはずだった。だが、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、期限は6月20日まで延びた。 東京五輪の開会式までは、あと53日。このコロナ下でも開催されれば、選手たちは夢を実現でき、宿泊、航空、飲食店業界などは経済効果を得て息を吹き返
千歳市中央地区のキウス周堤墓群を含む北海道・北東北の縄文遺跡群が7月にも、ユネスコ(国連教育科学文化機関)から世界文化遺産に登録される見通しとなった。 登録されるのは周堤墓群と伊達市の北黄金貝塚など道央道南の6遺跡、三内丸山遺跡など青森、秋田、岩手3県の11遺跡、計17の遺跡群。縄文時代に
コロナ禍の下でも観賞機会が訪れた「天体ショー」にしばらく見とれた。おととい26日午後8時すぎ、居住地上空には薄い雲が懸かったが、月が「赤銅色」に染まった。 満月が地球の影に入って暗くなる「皆既月食」。日本では2018年の7月28日以来、約3年ぶりに見られた。街灯が照らす歩道に立ち止まり、並
新聞の各面の構成内容を話し合う会議を毎日、編集局とは別の階にあるホールで開いている。新型コロナウイルスが出現する前は局内の隅の机に集まっていた。ホールまで行き、間隔を空けて座る形式はもう1年以上続いている。そのホールにあるホワイトボードに、かわいらしい落書きを見つけた。まあるいペンギンのイラストに
うさぎ跳びや膝を伸ばしての腹筋運動は膝や腰を傷める原因と昔、話題になった。野球の投手の投げ過ぎが選手寿命を縮めるのも今は常識。高校野球で対策が広がる。 子どもの一人が小学校から高校までサッカー部に所属した。昔は球技といえば軟式野球かソフトボール。子どもの人工皮革のボールに触って、その硬さと