ビーズ
- 2021年10月14日
白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)・国立アイヌ民族博物館が開催中の「ビーズアイヌモシリから世界へ」は、実に面白い特別展だ。世界の諸民族が生み出したビーズは、これほど多様にあるのかと驚かされる。 ビーズは石や木の実、動物の骨などさまざまな素材に開けた穴にひもを通し、部材同士をつなげた装飾品
白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)・国立アイヌ民族博物館が開催中の「ビーズアイヌモシリから世界へ」は、実に面白い特別展だ。世界の諸民族が生み出したビーズは、これほど多様にあるのかと驚かされる。 ビーズは石や木の実、動物の骨などさまざまな素材に開けた穴にひもを通し、部材同士をつなげた装飾品
北海道苫小牧工業高校が2023年、創立100周年を迎える。1923(大正12)年の開校。記念事業協賛会が、このほど発足した。 苫工の木造校舎が現在の出光カルチャーパーク一帯にあったことを記憶しているのは何歳以上の人だろう。国道36号から学校へ入る付近は、現在の中央図書館駐車場への道路として
苫小牧沿岸のスケトウダラ刺し網漁の初水揚げを取材し、苫小牧港・西港漁港区に広がる光景に思わず戸惑った。前年この時期にほぼ姿のなかったイカ漁の外来船が大挙して入港。その数50隻ほど。船だまりをびっしりと埋め、まばゆい光を放つ船も多かった。おかげで帰港する漁船をつい見落とし、真夜中の岸壁沿いを全力で走
8日に岸田文雄新首相が所信を表明した。きょうから代表質問が交わされ、14日には衆院は解散。その5日後には総選挙が始まる。慌ただしく10月を駆け抜けて”政治決戦”が繰り広げられる。 「自民党は変わる」と言いながら、その覚悟が判然としないままに新内閣ができた。報道各社の
山歩きの楽しみの一つは、冬に向かう次の季節を人里よりも早く体験できること。道内では紅葉に続き、今週は初冠雪が話題になった。 「4日は夏日だったのに」とぐちを言っても、もう季節は戻ってこない。6日は道内最高峰の大雪山系旭岳(2291メートル)や黒岳、7日は利尻島の利尻山や十勝連峰も、白い雪を
ロシアが史上初めて、国際宇宙ステーション(ISS)での長期の映画撮影に臨んでいる。女性医師が意識を失った宇宙飛行士の救出に向かうストーリーで、題名は「挑戦」。30代の女優と監督を乗せた宇宙船が5日、カザフスタンの基地から現地に到着した。ISSでの映画撮影は米国のベテラン俳優トム・クルーズさんも計画
北海道大学のキャンパス内を歩くと、木々が色づき始めている。木の葉が舞い散る音を添わせながら吹く秋の風を、秋音(しゅうせい)と呼ぶのだそうだ。道都・札幌も間もなく紅葉が見頃を迎える。 そんな季節。岸田文雄・自民党総裁が4日、第100代首相に就任した。よもやの菅義偉前首相の自爆のような退陣表明
「似てるって言うと機嫌が悪くなるんだ」。往時の任地での知人の話。子どものSちゃんは当時の総理大臣に似ていると言われると上機嫌だったのに、すぐ変わった。 政治家、それも選挙区の違う国会議員の人柄や能力など、新聞やテレビを見ているだけで分かる訳がない。岸田文雄内閣が誕生、新聞の1面やテレビニュ
新しい首相が誕生した。前首相の突然の退陣表明から、ほぼ1カ月。幸いに新型コロナウイルスの感染者数が減少をたどり、国民のコロナへの関心が薄れたことも後押ししたのか、自民党は権力闘争に明け暮れ、したたかに政権基盤を固めた。 野党が強く求めていた国会がようやく召集され、岸田文雄新政権に対する論戦
道内で3日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者は9人で、ほぼ1年ぶりに1桁台となった。感染の「第5波」とされた今夏の最大ピーク時が595人を数えただけに、コロナ禍で長く鬱屈(うっくつ)していた気持ちも少しだけ晴れてきたように感じる。 新規感染者の減少は全国的な傾向で、政府が全国19都
岡林信康さんのレコード「わたしを断罪せよ」を探し「手紙」の詞を久々に読んだ。「部落差別を考えるきっかけに」と作られた曲だ。 部落差別は北海道では話題になることが多くない。20歳の頃に関西と中部出身の同年代の知人に意見を聞いてみた。同年代だからまさか―と思った自分の無知が恥ずかしかった。2人
飲食店の利用などを円滑にするので、所持したい人はきっと多い新型コロナウイルスのワクチン接種証明書。国は海外渡航者を対象に紙で交付しているが、年内には海外渡航者以外にもスマホで申請すると、スマホ画面に表示する形で交付を始めるようだ。 電子申請・電子交付の証明書があれば、海外渡航時、入国先の国
ロシアアイスホッケー界の名選手だったウラジミール・シャドリンさんが先月26日に73歳で逝去した。タス通信が大きく報じ、国際アイスホッケー連盟ウェブサイトも訃報を伝えた苫小牧ゆかりの人。 1982年の第17回日本リーグで王子製紙が2連覇した際、シャドリンさんが最優秀選手に選ばれた。当時の発表
誰でも認知症になる可能性のある時代とか。人ごとではない。日曜夜のNHKスペシャル「認知症の先輩が教えてくれたこと」を見た。 光文社新書「認知症の人の心の中はどうなっているのか?」によると、2012年に462万人だった認知症の高齢者(65歳以上)は、25年には5人に1人、約700万人になり、
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が30日ですべて解除される。新規感染者数が大きく減った理由について、政府の分科会メンバーでもある専門家は、一人一人がどういう状況、環境で感染しやすいのかを正しく判断し、リスクを下げる行動を取れるようになったこととワクチン接種の効果を挙げていた。だが、人の流れがさほど
〈ウタリたちよ、手をつなごう〉。今から半世紀前の1972年、新聞にこうしたタイトルの投稿が掲載された。筆を取ったのは浦河町出身で当時、東京に住んでいた宇梶静江さん(現在埼玉県在住)。さまざまな差別や偏見に遭ってきたアイヌの同胞(ウタリ)に向けて、共に語り合う場を持とう―と呼び掛けた文章だ。
スマホ(スマートフォン)への依存が広がっていく。ゲームによる子どもの睡眠不足やいじめ利用が注目された時期が過ぎ、今は行政が依存拡大の拠点になってきた。 先日の全国紙に「シニア世代 スマホ普及作戦」「市町村 補助や独自策」の大きな記事。70歳以上の6割近くはスマホやタブレット端末を使っておら
苫小牧市で12歳以上市民の57・4%が新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えた。20日現在の推計値で、順調に進んでいる。しかし一般的に集団免疫の獲得は人口の7割接種が必要。先行する海外では接種率が伸び悩み「7割の壁」とも言われる。市内ではこれから接種が本格化する若年層への普及が鍵になりそうだ。
朝夕の空気が日ごとに冷たくなっていく。高山では紅葉が進み、晴れた青空に浮かぶ雲が美しい季節。各地の川にサケがのぼっている。 平取町二風谷に生まれて、アイヌ民族初の国会議員になり、2006年5月、79歳で亡くなった萱野茂さんの書いた小学校入学前の秋の日の記憶「罪人にされた父」冒頭を思い出す。
自民党の総裁選挙が17日に始まり、出馬した4氏の主張や党員、国会議員票の行方の報道が連日、新聞各紙やテレビなどで繰り広げられている。候補の中には、記者とのやりとりや討論会を通して発言の軌道を選挙の前後で変化させている人もいる。新リーダーが決するのは29日。最終的な議員票の動きを見定めれば、今後の政
短編を含め読みやすいとは思わないが、どういうわけか引き込まれてしまう。最近のお気に入りの作家の一人、滝口悠生さんの小説は誤解を恐れずに言うと少々回りくどい。話の展開がゆっくりで、時々迂回(うかい)する。脇道にそれたまま、なかなか先に進まないことがあるが、イライラせずに読み進められるから不思議だ。
7年前の正月、車いすに乗って過ごした。病院内の平らな廊下を移動してトイレや自動販売機を利用する程度の車いす生活だから危険も移動の限界も経験していない。 初めての車いすは、廊下やテーブルの角によくぶつかり、そのたびに後退して前進し直さなければならない。トイレにはたくさん手すりがあり乗降の不便
日が短くなった。通勤途中の札幌・中の島通の街路樹も、見上げると少し色づき始めている。来週からは彼岸入り。日中は暑さが残るが、夕暮れどきは秋の風が吹く。 そんな季節。テレビCMから、こんな歌が頻繁に流れる。〈想い出はモノクローム 色を点(つ)けてくれ…〉。松本隆さんが作詞し、故
地域住民の声を聞いて決めていきます―。行政のトップや担当者がよく口にする言葉だ。ただ、行政が住民に提案する段階では内容は決まっていて「理解」を求めることが多い。まして、内容を撤回することなどはまれなことだ。 今月、苫小牧市植苗地域の課題に長年向き合ってきた方が旅立った。丹治敏男さん。印象に
いつもいつも通る夜汽車 静かな 響き聞けば 遠い町を思い出す―。自宅がJR線路に近く未明に時々、貨物列車の音で目を覚ます。もう30年以上聞き続けた音だ。 そんな時に、必ず思い出すのは小学校の音楽の時間に習った「夜汽車」。原曲はドイツ民謡だという。寂しげな旋律が好きだった。旅行も転居も経験が
菅義偉首相の後継を選ぶ自民党総裁選(17日告示、29日投開票)をめぐる報道が過熱している。選挙に出馬表明しているのは、岸田文雄前政調会長(64)と高市早苗前総務相(60)、河野太郎規制改革担当相(58)の3人。石破茂元幹事長(64)、野田聖子幹事長代行(61)の名前も上がるが、正式表明までには至っ
9月は防災月間。3年前の6日には胆振東部地震が起きており、震災や防災の行事が被災地などで行われている。 一つが、先月下旬の深夜に安平町の道の駅から生放送されたテレビ番組。歌手のさだまさしさんが出演し、震災にちなむ内容で番組を進めた。国内の避難所などを巡っているさださんは「被災地で一番生き生
新聞のおくやみ欄に朝夕、必ず目を通す。明るい声と笑顔しか記憶にない元気な知人の名を見つけて驚くこともあり無沙汰を後悔する。 故人と自分の年齢を比べたりしながら「まだ早い。若いのに―」と考える時の基準は、うろ覚えの「平均寿命」だ。先日も新聞の切り抜きから「平均寿命 過去最長更新」の記事を探し
1980年代後半に東京で大学に通った頃の小職は秋の深夜、道産子として望郷の念に駆り立てられた。在京テレビキー局が挑んだ実験的手法の深夜番組を見たためだ。 88年に運行開始の寝台特急「北斗星」の上野出発の夕景から終点札幌に到着する翌朝までの映像を運転席の窓から収録し続けてわずか2時間で倍速放
現在、21都道府県に発令中の新型コロナウイルスの緊急事態宣言は、北海道を含む19都道府県で12日までの期限が30日まで延長される。 北海道の8日の新規感染者数は3日連続で100人台に抑えられ、胆振管内も9月に入って1桁の日が多くなった。人の流れを抑えれば感染者は次第に減る。だが、人出が増え