• 流言
    流言

       手元の辞典によると「流言飛語」とは「世間に言いふらされる根拠のないうわさ」。関東大震災の時「井戸に毒が入れられた」などの情報が流され多くの在日朝鮮人が犯人として殴打され殺された。  根拠のあいまいな流言は、今も身近にある。2011年3月11日の東日本大震災の数年後、親類の葬儀に参列した時のこ

    • 2022年8月31日
  • 女子世界選手権
    女子世界選手権

       女子アイスホッケーの世界選手権が大詰めを迎えている。北欧の国、デンマークで初開催。今年2月には北京五輪があったが、1990年以来の大会史の中でも初となる五輪開催年と同一年の実施だ。  スマイルジャパンは29日午後10時(現地午後3時)開始で北京五輪銅メダルのフィンランドに挑み、3―9で敗れて

    • 2022年8月30日
  • 3年ぶりの夏
    3年ぶりの夏

       夏が終わろうとしている。新型コロナウイルスの流行で2020、21年は中止したり、規模を縮小したりする行事が多かったが、今年の夏はほとんどが3年ぶりに復活した。苫小牧市の樽前山神社例大祭の露店やみこし、とまこまい港まつりのほか、厚真町の田舎まつりなどもにぎわった。  一方、感染の第7波も全道で

    • 2022年8月29日
  • 視点
    視点

       ロシア軍のウクライナ侵攻が始まって6カ月が過ぎた。寒かった開戦の2月が春に変わり、夏が過ぎてもミサイルや戦車砲は人を殺す。  半年に合わせたように、駅が爆撃され、子どもも犠牲になった。欧州最大の原子力発電所の占拠が続く。テレビニュースに写ったキーウ(キエフ)では大音量のミサイル警報が流されて

    • 2022年8月27日
  • コロナの脅威
    コロナの脅威

       熱が出た。せきも収まらない。これは、まずい。コロナかもしれない。周囲にうつしては大変と、会社を早退し、自宅のある町の医院で検査を受けた。結果は陰性。もらった薬で体調は少し良くなったが、念のため別の医療機関で再び検査。こちらも同じ判定となり、たぶん夏風邪なのだろうと、ようやく胸をなで下ろした。

    • 2022年8月26日
  • 自走
    自走

       千歳市内には「C経路」と呼ばれる、戦車などの走行道路がある。戦後は米軍が東千歳駐屯地に駐留し、北海道大演習場との移動で、A、B、Cの3経路を使ったとされる。AとBは現在の新千歳空港や国道36号を縦断するため使わなくなり、Cのみ残ったのが名前の由来と聞いた。  当方も千歳勤務時代、C経路でたび

    • 2022年8月25日
  • 記憶
    記憶

       解体工事の行われていた苫小牧市西部のスーパーマーケットが、先日通り掛かると跡形もなく姿を消していた。建物の色や形が記憶からも消えるのはいつ頃になるか。  新人記者当時に商店街の取材を担当した。大型店進出が相次ぐ時代だった。服や靴を選ぶ趣味はなかったが消費者のため、地域商店街のため―と記事を探

    • 2022年8月24日
  • ソウハチ
    ソウハチ

       苫小牧などの釣り場情報を木曜日の「釣り倶楽部」面に掲載している。遊漁船の情報を毎週、頂いているのが「かつえい丸」の田代健二船長。春と秋に釣れるソウハチガレイへのほれ込みがすごい。  生のソウハチは強いぬめりと臭みが特徴だが、焼くと香ばしい匂いとうま味が出る。春に抱卵の良型ソウハチを頂いた。丁

    • 2022年8月23日
  • 教員過酷勤務
    教員過酷勤務

       かつて古い友人からこんなメールが来た。「息子が札幌市の教員採用に受かったが、教員はブラックか?」。返答に困った。  聞くと「朝6時すぎに家を出て、帰宅は午後11時を回る。健康が心配。1年生で大変なのは分かるけど…」とぼやいた。  少子化が進む半面、公立小中学校の教員の勤務

    • 2022年8月22日
  • 記録
    記録

       続かないものの代表は日記。自分もご多分に漏れず根気がなく続いたためしがない。小学校の夏と冬の長期休暇も始業式の数日前から天気調べに追われた記憶がある。  「3年日記」をつけるようになって十数年になる。今使用中のものは2020年1月から。横書きで1日は10行分、200字ほどの文字数になる。登っ

    • 2022年8月20日
  • 正しさ
    正しさ

       元少年兵、マフィア、カルト教団…。危険な世界の住人の食をテーマにしたテレビ番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」は書籍版も熱い。著者は同番組のプロデューサー上出遼平氏。「飯が見たい」を口実に「ヤバい」現場に迫るドキュメンタリーの裏話がつづられている。突撃取材だけに敵視されること

    • 2022年8月19日
  • 一冊の絵本
    一冊の絵本

       夏空に、少し威張ったような白い雲が浮かんでいる。3年ぶりの行動制限のない夏。感染拡大「第7波」は続くものの、札幌では大規模なビアガーデンや花火大会も復活。お盆も過ぎて、日中はまだ蒸し暑いビル街だが、夕方から涼しい風が吹き始めた。戦後77年目の夏が終わろうとしている。  一冊の絵本がある。絵は

    • 2022年8月18日
  • 意義
    意義

       1カ月の日数が30日またはそれ以下の月を「小の月」という。二月と四、六、九、十一(士=さむらい)月が小の月だから「西向く侍小の月」と覚えると暗記が簡単で便利―という言葉遊びがある。  小学校は6カ年皆勤だったはずなのに、この実用的な言葉遊びのことは頭に残っておらず家人の独り言を聞いて知った。

    • 2022年8月17日
  • 非核の願い
    非核の願い

       この時期になると思い出す言葉がある。「黙っていては伝わらない。それぞれの立場で発信し、素晴らしい未来を」。もう20年も前に広島の語り部だった沼田鈴子さんが、苫小牧での講演会で締めくくった言葉だ。  沼田さんは勤務していた広島の逓信局で被爆。建物のがれきの下敷きになり、そのけがが原因で片足を失

    • 2022年8月16日
  • 終戦の日
    終戦の日

       77年前の1945年8月15日、昭和天皇は「戦争終結の詔書」を読み上げ、米英など連合国への無条件降伏を受諾。その様子は玉音放送として国民に知らしめられ、歴史の大きな転換点を迎えた。  第2次世界大戦で戦地に散った日本の軍人・軍属や、空襲で命を落とした民間人など戦没者は約310万人とされる。苫

    • 2022年8月15日
  • 油断
    油断

       新千歳空港と苫小牧港フェリーターミナルの帰省客と迎えの家族の笑顔が明るい。久々の青空に窓を開けると、近所から、普段は聞こえない元気な幼児の声が届いた。  12日は1985年8月、羽田空港を飛び立った日航のジャンボ機が群馬県上野村に墜落した日。乗客乗員520人が犠牲になった事故からもう37年が

    • 2022年8月13日
  • 共有物
    共有物

       戦没者の配偶者や子どもが高齢になり、戦争体験者の遺品がインターネットオークションなどに出品されることが増えてきた。  軍服、軍帽、千人針などで、「大切にしてくれる方に購入してほしい」「腕章の裏の個人名は画像処理しています」といったコメントが添えられている。出品者の思いが感じられ、全国の博物館

    • 2022年8月12日
  • 名キャプテン
    名キャプテン

       2008年10月、苫小牧市内のホテルで関係者らによる壮行会が催された。2年後に迫ったカナダ・バンクーバー五輪切符を懸けた最終予選に臨むアイスホッケー女子日本代表を励ます集まりだった。  中国開催の予選で、当時の北海道アイスホッケー連盟会長で女子競技の父、83歳になっていた故河渕務さんが出席。

    • 2022年8月11日
  • 平和
    平和

       過去数十年にわたって私たちは歴史上で最も平和な時代を謳歌(おうか)してきたといえるでしょう。この70年間、超大国間の直接的戦争は起きていません。他国への侵攻というやり方は、終わったものだと思っていたのです―。  ロシア軍のウクライナ侵攻開始が2月末。爆撃と殺りく、破壊の映像をテレビ画面で見続

    • 2022年8月10日
  • 駅前
    駅前

       3年ぶりのとまこまい港まつりが7日に閉幕した。新型コロナウイルス感染拡大の心配は消えないものの、浴衣姿の若い子や手をつないだ家族連れの姿はやはり、気持ちを明るくしてくれた。夜、中心市街地を人が歩いているだけでも相当珍しかった。普段は、例えば雨の日、降っているのか、やんでいるのか、道行く人が傘を差し

    • 2022年8月9日
  • 被爆の語り部
    被爆の語り部

       生の証言がまた一つ、この世から消えた。苫小牧被爆者友の会の代表を務めた久野剛さんが今年3月、93歳で亡くなった。長崎原爆の語り部を失い、残念でならない。  17歳の時、爆心地から数キロ離れた長崎駅で被爆した。青空に閃光(せんこう)が走り、強烈な熱風が街を襲った。建物の壁に守られて助かったが、

    • 2022年8月8日
  • 盆

       家族の最期が近づいた時、目を閉じるまでの時間はどんなふうに過ごすものなのだろう。知人の葬儀で聞いた長男のあいさつを思い出す。何年たっても胸が熱くなる。  毎日、夜になると、父の病室に家族が一人、また一人と集まったそうだ。ベッドの周りに椅子を持ち寄って座り、こんなことがあった、あの時はこんなこ

    • 2022年8月6日
  • 安全
    安全

       キンキンに冷やしたビールが恋しくなるこの季節。普段の晩酌は日本酒一択の当方も、おとといは久々にビールを満喫した。あてはぷりぷりのホッキ貝。朝取りされた二つを、自分で殻から外し、バター焼きにした。濃厚な甘さに、程よい歯ごたえ。栄養素もたっぷりだ。水揚げ日本一を誇る苫小牧のホッキ漁が3日、約1カ月ぶり

    • 2022年8月5日
  • ヒロシマ
    ヒロシマ

       ヒロシマ原爆資料展(~21日)が苫小牧市文化交流センターで開かれている。道内唯一という非核平和都市条例の施行20年を記念した苫小牧と、広島両市の共催。資料展が始まった7月30日の本紙の記事を見て、会場に足を運んだ。  開催期間の最初の日曜。混雑は避けたいと思っていたら、来場者は少なくゆっくり

    • 2022年8月4日
  • 安易
    安易

       野生動物と人との距離や関係の変化が各地で問題になっている。北海道では人里へのヒグマの出没増加が大問題だ。本州ではニホンザルが住宅に侵入したり、イルカが人間をかむ事故が起きている。  先日のテレビのニュースに、三重県などで窓から室内をのぞき込むサルの姿が映っていた。幼児を襲って爪で引っかいたり

    • 2022年8月3日
  • フリー抽選
    フリー抽選

       第104回全国高校野球選手権大会南・北北海道大会決勝は私学と公立の顔合わせとなり、いずれも軍配は私学に上がった。年々レベルアップしてきた北海道勢。中でも南北海道は2004、05年の駒大苫小牧の夏2連覇などで躍進を続け、甲子園で上位をうかがう年も出てきた。札幌勢を軸に私学の競り合いが激化する。

    • 2022年8月2日
  • ひと手間
    ひと手間

       今夏も雑草との戦いが続いている。種類豊富な庭草たちは炎天下、成長期をアピールするかように何度抜いても、刈っても繁殖をやめない。まさに雑草魂だ。  昨年、業者に頼んで不要な庭木や石をすべて撤去した結果、戦場は一気に拡大した。雨は雑草にパワーを与えてしまうから一晩たってもやまないときには、部屋の

    • 2022年8月1日
  • 合い鍵
    合い鍵

       目に見える老いなど大した問題ではないのかもしれない。もっと身近な、例えば風呂やトイレなども高齢者にとっては怖い試練の場所。まさかへの備えは常に必要だ。  数日前の全国紙生活欄で、大阪の81歳の一人暮らしの女性が経験した自宅浴室での事故の記憶が紹介された。転んで浴槽から出られなくなり3日目に助

    • 2022年7月30日
  • 第7波の夏
    第7波の夏

       「札幌じゃないみたい」―。札幌生まれの市民から、こんな言葉がささやかれた去年の夏。東京五輪のマラソン競技が終了するまで、約1カ月にわたり真夏日が続いた「暑い夏」を思い出している。  あれから1年。今年は参院選終了後、札幌は「涼しい夏」が続いている。3年ぶりに大規模な花火大会も復活。大通公園で

    • 2022年7月29日
  • 向き合い方
    向き合い方

       新型コロナウイルスの感染者数を気にしない日々が続いていた。少なくとも1カ月前までは安心していた。そこからの急拡大。ウイルスの性質が違うのか、それにしても感染の勢いが止まらない。  ちょうど1年前は、コロナで開催是非が議論された東京五輪の真っ最中。首都圏に緊急事態宣言が発出されたことを差し引い

    • 2022年7月28日