避難
- 2022年10月6日
6日もまた2発、北朝鮮から弾道ミサイルが発射された。2日前に聞いたJアラート(全国瞬時警報システム)のなんとも気持ちの悪い音。鳴った瞬間、すっかり覚えてしまった緊急地震速報とは違うということだけは分かった。「建物の中または地下に避難してください」。まさに家を出ようとしたところ。地下があるはずもなく
6日もまた2発、北朝鮮から弾道ミサイルが発射された。2日前に聞いたJアラート(全国瞬時警報システム)のなんとも気持ちの悪い音。鳴った瞬間、すっかり覚えてしまった緊急地震速報とは違うということだけは分かった。「建物の中または地下に避難してください」。まさに家を出ようとしたところ。地下があるはずもなく
胆振、日高、渡島地区の漁業協同組合などで組織する、えりも以西栽培漁業振興推進協議会が先月、高級魚マツカワカレイのブランド規格「王鰈(おうちょう)」の定義を改めた。従来はえりも以西海域で水揚げされた体長35センチ以上を「王鰈」と呼んでいたが、さらに「活」や「活締め」などより良い品質で提供する条件を加
朝刊を手にテレビのニュースを見ていると座っている椅子の前後左右から耳慣れない大音量の音が居間に鳴り響いた。テレビの画面は変わらず、音源が自分と家人の携帯電話と分かるまでに数秒かかった。「Jアラート」の警報音が鳴った瞬間のことだ。取りあえず2階に行っていた家人に声を掛けた。「何も分からない」
岸田内閣が発足したのは昨年の10月4日。ちょうど1年たつ。その内閣・与党は、7月の参院選後、重要な国政課題が山ほどあり、野党が憲法に基づいて国会の召集を要求したにもかかわらず、応じなかった。憲法をないがしろにする悪しき前例は安倍政権からだ。きょう開会の臨時国会がやっと本格的な議論の場になる。
通っている病院では、看護師さんらから日に何度も名前と誕生日を聞かれる。本人確認の徹底のほかに、認知症の点検も兼ねているのだろうか。そんなことも考えながら何度でも素直に答えている。 10年ほど前、母の認知症の検査に立ち会ったことがある。検査の概要を何かで読み、自分は長い引き算は苦手―などと考
秋季北海道高校野球の室蘭支部予選が終わり、30日からいよいよ来春のセンバツを懸けた全道大会の熱戦がスタートした。 近年、3年生が抜けた後の秋の選手登録を見ると、部員数の少なさに気がめいる。今秋、室蘭支部でフルの18人の登録があったのは駒大苫小牧、北海道栄、苫小牧東、苫小牧工業、鵡川、苫小牧
先日、何気なくテレビを見ているとナマコ密漁のニュースが流れ、現場を見下ろす映像の中によく知っている場所が映って驚いた。稚内市西浜(マタルナイ)。祖父母が生前暮らした漁民集落だ。ひときわ目立つ赤い屋根の家と、浜へ続く細長い一本道が目に飛び込み「海のじいちゃん家(ち)!」と思わず叫んでいた。農家だった
事故や会議の取材に加え暴飲続きの不規則な生活の罰が今の不健康だとして、ではテレビの定時ニュースと食事の時間がほぼ重なる今の生活が心身の健康に良いのか。 先日の日曜朝の食事中のニュースは、ロシア占領地区の住民投票、30日にも併合宣言か。その途中に速報で防衛省発表の北朝鮮のミサイル発射、数分後
妻の森下愛子さんはシングルマザーに育てられた。夫の吉田拓郎さんもそれに近い環境で育った。その母親たちが苦し かったとか、悲しかったとか、一言も語らずに天国に旅立った。もし、彼女たちが生まれ替わって現代に若い女の子として出てきたら、こんな女の子で居てほしい。そんなイメージを拓郎さんの大ファンの
新型コロナウイルスの「第7波」が峠を越えたようだ。新規感染者数の推移を見ると、そう判断しても問題はない。専門家も指摘している。その根拠となる患者の「全数把握」の見直しが始まった。 全数把握の見直しというと、患者数の把握をやめてしまうかのようにも聞こえるが、そうではない。医療機関が患者の氏名
久しぶりに本棚から北海道新聞社「夏山ガイド」を取り出した。山名と数ページの記述を頭に詰め込み、未明に山へ出発した日々を思い出しながらの懐かしい再読だ。 テレビに大雪山系の紅葉が映し出されていた。里は秋。高山では初冠雪ももう遠くない。 先日の新聞に、高山植物の群落の上に棒状の岩を並べ
新人記者が担当する最初の取材先は警察署となることが多い。俗に「サツ回り」と言われるもので、筆者も40年以上前の記者生活スタートはサツ回りだった。場数を踏んで事件事故に精通し、一癖二癖ありそうな年配の警察幹部を前に緊張しながら取材した当時が懐かしい。 そのサツ回りを始めて間もなく母子2人が交
就職した頃、給料袋には現金が入っていた。昭和世代ならではの経験か。間もなく現金は金融機関の口座へ、手元には支給額や控除の明細だけが届くように変わった。 1カ月の労働への対価を、重みや厚みで実感できなくなった―そんな意見もあったが、それほど大げさな金額ではなかったせいもあってか、若年層の違和
言葉の意味は、数年、あるいは何十年もかかって変化することがある。 身近な例が、流行語大賞に選ばれたこともある忖度(そんたく)。2016年に国が国有地を大幅値引き価格で森友学園に払い下げたことをきっかけに、「他人の気持ちを推し量る」という意味が「権力者の意向を察して便宜を図る」に変わった。今
デンマークで行われ、今月初旬閉幕した女子アイスホッケーの世界選手権で代表のスマイルジャパンは最終成績5位となった。トップ5入りは日本の同競技史の中でも輝かしい出来事になるだろう。 国際連盟の決定で除名処分中のロシア以外の世界10強が出場。日本は優勝カナダ、2位米国、3位チェコ、4位スイスに
「ふるさとは 遠きにありて思ふもの―」。長男が小学生の時、担任のI先生に室生犀星の詩を教えてもらった。父の仕事の関係で5度目の転居が近づいた頃のこと。 先生は、幼い時から何度も友人と別れてきた転校生に「大切なふるさと」を考えてみてほしかったのかもしれない。帰宅した長男が詩を見せてくれた。
「僕はそんな心が卑しくね、今まで50年間も経営したことはないんですよ」。東京五輪・パラリンピックのスポンサー選定に便宜を図ってもらう見返りに、大会組織委員会元理事に賄賂を渡したとして贈賄容疑で逮捕された出版大手KADOKAWAの角川歴彦会長が逮捕前、取材にそう答えているのをテレビで見た。事実の否定
きょう15日は「老人の日」である。長寿の世の中を喜びつつも、日の名称が何か心に突き刺さる。人ごとのように思っていた高齢期が刻々と迫っているせいか。還暦のお祝いと、家族に無理やり赤いちゃんちゃんこを着せられ、ぼうぜんとしたまま写真まで撮られた昨年の衝撃の日を思い出してしまったからか。あと何年かたてば
胃袋の老化が何よりの物価対策のつもりだったが、この間の広く厚い物価上昇には通用しない。家人は夫婦2人暮らしの友人から「来月の予算に手をつけてしまいそう」という嘆きを聞いたそうだ。 子育てを経験し10代後半の、とりわけ運動をしている男子を育て、その胃袋に入る食料の多さを日々目撃した経験がある
先週、思いがけず、出くわした光景だった。新千歳空港の国際線ターミナルビル出発ロビーで、航空会社の客室乗務員たちが研修に励んでいた。車いす利用者らの介助方法を学んでいるところで、2人一組になってベンチと車いすの移乗を繰り返していた。周囲に旅客が誰一人としていないからこそできる実践の場だった。
8月末、コンパクトカーの代表格の日産自動車「マーチ」が「国内販売終了へ」と各種メディアで報じられた。タイでの日本市場向けの生産を終え、在庫限りで国内販売を終了するという。日産は公式に何もコメントしていない。 60代のコラム子は20代の時、初めて買った新車が初代マーチだった。人気アイドルの近
「新しい車が欲しい。200万円ぐらいかな」と配偶者に提案。「詳しい見積もりはないの―」と言われて出した見積書には、6倍以上の合計金額と「諸費用は変更になる場合もあります」の文字。さて車は購入できるだろうか。 高額の買い物をめぐる家庭内の、そんなやり取りが目に浮かんだ。安倍晋三元首相の国葬の
来年10月の第76回秋季北海道高校野球大会全道大会の全試合の札幌ドーム開催が北海道高野連などから発表された。 秋季大会は日没が早く、天候不順が多い。ナイター設備もあるドームは時間帯や天候にかかわらずにゲームができる。また、優勝チームは神宮大会にも出場できるが、神宮球場と同じ人工芝の環境に慣
わが家で飼っている黒毛の子犬は散歩中、必ず進路上にあるすべての木の匂いを嗅ごうとする。あくまでターゲットは樹木。電柱には目もくれない。強引に先へ進めてもリードを引く手を緩めるとダッシュして「未チェック」の木まで戻っていく。「駄目だよ慌てちゃ。これは仕事なんだから」と諭すかのように。まるで木の検査員
「震度7っていうのは、立ち上がれない揺れだった―」。4年前、胆振東部地震に襲われた厚真町と隣のむかわ町穂別などの知人やいとこ宅を見舞って、最大震度の揺れのすさまじさを教えられた。 知人は夜遅くに居間でテレビを見た後うたたねをした。大きな揺れで目が覚めた。午前3時すぎ。起きようとしたが揺れに
札幌の地下鉄駅へ向かう道端で、キバナコスモスが揺れている。雲の形も少し変わった。二百十日も過ぎて、日が短くなったのが分かる。夏の終わりと秋の始まりが、せめぎ合っているように映る。 そんな夜が少し長くなった季節。白鷗大学教授の岡田晴恵さんの「秘闘(ひとう)」(新潮社)を読んだ。副題は「私の『
1989年7月31日の東京ドーム。全国の社会人チームが競う都市対抗野球大会決勝で戦ったのが白老町に拠点を置く当時の大昭和製紙北海道だ。そのベンチで采配を振るったのが斎藤勲監督。高校野球で甲子園に出場した選手なんて一人もいない雑草チームを、頂点を争う舞台にまで導いた。 都市対抗の常連とはいえ
先日のNHK総合テレビのニュース番組の字幕に「タイアップ(連携)して」との表記があった。知床半島の観光船事故犠牲者の捜索を行った海上保安庁職員の、活動内容を説明した発言の字幕だ。 数日後の全国紙記事には「コンセンサス(意見の一致)」というくだりもあった。たまたまなのか、緩んでいた用字用語の
むかわ町穂別の小中学校・高校の関係者が8月末、穂別高校(普通科)の存続を求め、道教育委員会に要望した。6月公表の公立高校配置計画案で、同高の生徒募集を2025年度に停止する方針が示されたためだ。 生徒の募集停止は、同高の入学者が今年8人、昨年は7人と2年連続して10人を割ったことが大きい。
コロナ禍でリモートワークになり、空き時間のできた人が増えた。そんな中、大学などがオンライン授業を増やしていることで、通信制の大学や大学院で学び直す社会人が増えている。 人間の仕事の半分は10~20年後、人工知能によって代替されて無くなる―。そんな内容の論文が2014年に英国で発表され、世界