• 値上がり
    値上がり

       この数カ月でモノを値上げする記事が何本掲載されただろう。紙幅の関係で載り切らなかった記事も多い。記事のタイトルを考えるたびに気が重くなる。値上げラッシュは昨年から続いていたものの、しばらく止まりそうもないという情報にがっくり気もめいる。  信用調査会社の調査では食品の主要メーカーが今年中に値

    • 2022年6月20日
  • 夢で
    夢で

       1年中で最も昼間の時間の長い季節。今朝も窓の外が白み始め、念のために時計を見た。まだ午前4時前だった。「もう一眠りできる」と分かった時のうれしいこと。  何があっても熟睡でき、朝になれば跳ねるように起きる子どもだったのに、この数年はぼうこうからの黄信号で深夜や未明に起こされ、眠りに手応えがな

    • 2022年6月18日
  • 縁

       「割れ鍋に綴じ蓋(とじぶた)」との言葉は、遠い昔のことになってしまったのか。内閣府がこのほど公表した「男女共同参画白書」の特集編「人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか」を読み、今どきの若い人たちとの隔たりを感じてしまった。  20~60代の男女を対象とした

    • 2022年6月17日
  • 値上げ
    値上げ

       物流費の上昇や円高で、食品が毎月、値上がりしている。5月には、10個で150円ほどだった鶏卵が200円前後になった。道内で鳥インフルエンザが発生した影響などで、何かと使う食材だけに大きな痛手を被っている。  家計が値上げで受ける圧迫を和らげるには、安い食材を買って無駄なく使い切ること。最近は

    • 2022年6月16日
  • 麦秋
    麦秋

       「これが米。これは大豆、こっちはトウキビ―」。子どもが小さい頃、道路沿いの農地の作物を見せて葉の形や色の違いを教えていた。  自分が食べている物がどんな形や色で育ち、収穫されているのか、知っておいて損はない。自分は水田地帯育ちで小麦を知らなかった。社会科では生産や輸出はヨーロッパやアメリカが

    • 2022年6月15日
  • 柔よく剛を制す
    柔よく剛を制す

       日付は少し前になるが、アイスホッケー男子の世界選手権が5月29日、フィンランドで閉幕した。決勝で開催国フィンランドが延長の末に4―3でカナダを下し、2006年以来の優勝を遂げた。  フィンランドといえば、記憶も新しい今年2月の北京五輪で1988年カルガリー大会以来の決勝進出を果たした上にロシ

    • 2022年6月14日
  • 紙くず
    紙くず

       苫小牧市長選が12日に告示された。出馬表明していたのは直前まで5選を目指す現職のみで、2018年に続き無投票とみられていたが一転、選挙戦となった。  道選挙管理委員会によると、札幌、旭川、函館など人口15万人以上の主要6市の中で1947年以降、市長選が無投票になったのは苫小牧を除くと釧路(2

    • 2022年6月13日
  • 行方
    行方

       暗唱できる詩は多くない。初めて覚えたのは卒業した中学校のグラウンド端、市街地を見渡せる所にあった詩人浅野晃の歌碑。秋なれば 山ちかぢかと見えて来ぬ なつかしき山 見えて来にけり。  下校時など、無礼にも石碑に腰を掛けて過ごした。今でも詩をそらんじることができるのはおわびのつもりなのか。この数

    • 2022年6月11日
  • 性的少数者
    性的少数者

       Mさんの声を耳にしたのは、何年ぶりだろう。電話口から聞こえる彼女の優しげな口調は昔と変わらない。一時、苫小牧市を離れていたが、今は戻って静かに老後を過ごしていると言った。久しぶりに話をしながら、Mさんの行動を何年も追い掛け、取材していた頃を懐かしく思い出した。  彼女はかつて男性だった。心と

    • 2022年6月10日
  • マスク
    マスク

       朝と夜の散歩を日課にしている。かれこれ15年以上、愛犬のために続けている。1日およそ1時間、歩いており、おかげで健康そのもの。近ごろ歩く距離が減ったが、高齢の愛犬を気遣ってのこと。晴れた日の早朝は空気も新鮮で、つい歩く時間も長くなる。マスクは、していない。これだけは、ずっと変わらぬ日常だった。

    • 2022年6月9日
  • 大志
    大志

       その高校の入学式は71年前、1951(昭和26)年の4月3日に行われた。校舎はなく中学校の校舎の一部を間借りしての開校だった。  高校の名前は村立穂別高等学校。当時は定時制課程普通科。新入生は1年生40人と2~4年生に編入した32人。一般の生徒のほか役場の村長や助役、収入役、課長、職員。農協

    • 2022年6月8日
  • 市長選
    市長選

       苫小牧市長選挙は無投票が濃厚のようだ。コラム子は、岩倉博文氏が市長選に初当選した時期に市政担当の記者だった。保守や革新という表現が政治勢力の立ち位置を示すのに辛うじてまだ有効だった頃。当時の市長が刑事事件に問われる不祥事で任期途中で辞職し、その市長誕生に大きな役割を果たした岩倉氏が緊急事態での出馬

    • 2022年6月7日
  • 部活動改革
    部活動改革

       小学生時代、学校に野球部があった。監督・コーチも教員で、学校対抗の大会もあった。今は小学生の野球部は少年団へ移った。  スポーツ庁が主導する有識者会議が中学校の運動部活動改革の提言をまとめた。公立中学校の部活動の休日指導を民間団体に移行するという。背景には少子化や教員の負担軽減などがある。

    • 2022年6月6日
  • 再生
    再生

       コロナ禍で中止や延期、観覧制限の続いていた孫の運動会の画像が届いた。ウイルスの中休みにマスクから解放されて走る元気な姿だ。  昔なら現像や焼き付けを経て何枚かの静止画像に収まり、手紙と一緒に封筒に入れられ、郵便局を経由して数日がかりで届いていた。撮影前後のできごとや会場の様子は、電話で補って

    • 2022年6月4日
  • アズキバー
    アズキバー

       父は若い頃からアイスが好きでよく仕事帰りに土産として大量買いしていたが、その選択にはいつも不満だった。「買ってきたぞ」「やったあ!」。幼いきょうだいと駆け寄って袋の中身を見ると、アズキバーや栗もなかなど餡(あん)系が中心で、他はシャーベットが少々。好物のバニラ系は入っていなかった。内心落胆していた

    • 2022年6月3日
  • 復活の夏
    復活の夏

       読了すると軽くビールが飲みたくなる小説がある。村上春樹さんのデビュー作「風の歌を聴け」(講談社文庫)を読み直して、そう感じた。時は1970年の8月。海辺の街のジェイズ・バーに集う、常連の「僕」と友人の「鼠」(ねずみ)、介抱した女の子が親しくなり、ほろ苦く過ぎ去っていく夏が乾いたタッチで描かれる。

    • 2022年6月2日
  • 痴漢
    痴漢

       手元の学研「改訂新版漢字源」によると痴は愚か。漢は男の意。痴漢とは、女性にみだらないたずらをする男、愚かな男のこととある。  ハラスメント(嫌がらせ)とかセクハラとか、カタカナ語や片仮名の略語がまん延して意味があいまいになっているが、恥ずかしい男の行為を指す言葉であることに変わりはない。痴漢

    • 2022年6月1日
  • GAFA
    GAFA

       「GAFA」(ガーファ)という言葉を耳にしたことがあるだろうか。経済記事などでよく出てくる単語で、米国の大手IT(情報通信)企業の頭表記を並べたものだ。グーグル(G)、アップル(A)、フェイスブック(F)、アマゾン・ドット・コム(A)。世界最大とも言える巨大企業だ。  名前は聞いたことはある

    • 2022年5月31日
  • 料理レシピ
    料理レシピ

       今月18日の本紙14面のなんでもトーク欄。「料理が大の苦手」という苫小牧の60代女性から、ご主人の酒のつまみを作るのに毎日苦慮し、何を作るか考えているうちに「ノイローゼになりそう」との声が寄せられた。料理が苦手という人は少なくないようで、わが家でも「何にしようか」と、度々献立に頭を悩ませている。

    • 2022年5月30日
  • 命名
    命名

       子どもにどんな名前を付けるか。もう40年以上も前になるが真剣に考えた。読み書きの難解な文字は避ける。子どもが生きる指針となるように―。あれこれ条件を考えて付けた名前を背負った子ども2人は今、父親として生きる。  「何と読むのだろう?」。新聞やテレビに、読めない字、不思議な読みの名前が目立つよ

    • 2022年5月28日
  • 泥沼
    泥沼

       3日前、日本、米国、インド、オーストラリアの首脳が顔をそろえ、安全保障や経済について話し合う会議が東京で開かれた。その最中、ロシアと中国の爆撃機が威圧をするように日本周辺を飛行し、物騒な雰囲気になった。  ロシアがウクライナ侵攻を始めて3カ月余り。当初はどの国も、余計な口出しをして火の粉が掛

    • 2022年5月27日
  • プレーボール
    プレーボール

       不意に思い立ち、日曜の22日に栗山町民球場を6年ぶりに訪ねた。第93回都市対抗野球北海道地区1次予選が続開中。千歳に以前勤務していた頃、「番記者」をした航空自衛隊千歳チームの初戦を見た。  20世紀から存続し、道代表権獲得を悲願とする自衛官の野球部。前年は決勝リーグにも進出していることからシ

    • 2022年5月26日
  • 開戦
    開戦

       今朝の午前6時すぎ、いつもより少し早めの朝食を取っているとテレビでニュースを読んでいたアナウンサーの表情が急に緊張感を帯び、「北朝鮮がミサイルとみられるものを発射したもよう―」。  アメリカのバイデン大統領の初めての日韓歴訪が終わった。台湾防衛をめぐる23日の発言は失言だったのか本音なのか。

    • 2022年5月25日
  • マスク着用
    マスク着用

       自宅から徒歩で通勤している。すれ違う人もほとんどいない。それでも、まだマスクを外せずにいる。屋外でのマスク着用について「2メートル以上を目安として他者との距離が確保できる場合は着用する必要はない」「徒歩での通勤など人とすれ違うことはあっても、会話はほとんど行わない場合は着用する必要がない」。政府が

    • 2022年5月24日
  • 「イマジン」
    「イマジン」

       自宅の引っ越しで荷造りをしていたとき、古いレコードが出てきた。ジョン・レノンの「イマジン」。買ったのは中学生の頃だったか。今も色あせない名曲だ。  イマジンが世に出たのは1971年。冷戦期の米ソが介入し、泥沼化したベトナム戦争が続いていた時代だ。〈想像してごらん、全ての人々が平和に暮らしてい

    • 2022年5月23日
  • 出面
    出面

       「出面さん」。懐かしい言葉を北海道新聞の読者投稿欄で読んだ。養殖ホタテ稚貝の耳つり作業をしているという道南の75歳の女性が「初めて聞いた―」と投稿した。  1983年出版の石垣福雄著「北海道方言辞典」(北海道新聞社)には「日雇い労働者 デメンともいう。面(顔)さえ出せば金がもらえる」と、やや

    • 2022年5月21日
  • 風

       苫小牧市で新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。幼保施設や小・中学校で臨時休業が相次ぎ、医療機関でクラスター(感染者集団)も発生した。苫小牧保健所によると、患者の内訳は、20歳以下が過半数で、家庭内感染の多発を示すように、30・40代も約3割。基本の対策徹底を周知するが、年齢が低いほどワクチン

    • 2022年5月20日
  • kスケ
    kスケ

       春は近所の外回りの猫が活性化する。外が慌ただしいと、家猫のkスケも気持ちが高ぶる。毎朝、2階も含めて家中の窓をパトロールするのが日課だが、窓越しでも外猫とニアミスするとやっかいだ。強烈な臭いのスプレー行為が始まる。幼い時に去勢手術を受けたが、kスケの縄張り意識は強い。家内防衛に努める日々だ。

    • 2022年5月19日
  • 科学
    科学

       ヤナギの葉は、北海道では1級河川・鵡川流域に伝わるシシャモ伝説に登場する。飢饉(ききん)の秋に葉をむしって川に流すと、シシャモに変わって飢えた人たちを救ったというアイヌの民話だ。  そんな話を思い出したのは、北朝鮮の新型コロナ感染急拡大の対策の一つに「ヤナギの葉を煎じて飲む」療法が推奨されて

    • 2022年5月18日
  • 今は昔
    今は昔

       1980年代のテレビ番組のDVDを見る機会があった。当時流行の刑事物。走っている車など、時代背景が分かって面白い。  しばらく見ていると、今では信じられないようなシーンが出てくる。見舞いの客が病室でたばこを吸ったり、バス内での喫煙とやりたい放題。ちょっと考えられない光景が外国のようにも映って

    • 2022年5月17日