将来に備える卵子凍結 自費診療で費用負担大
- 2024年4月2日
健康な女性が将来の妊娠に備える選択肢の一つとして、未受精卵子を凍結する「社会的適応による卵子凍結」がある。医療関係者からは慎重な意見もある卵子凍結のメリットとリスクについて、済生会横浜市東部病院(横浜市鶴見区)産婦人科の佐々木拓幸医長に話を聞いた。 ▽若い卵子の保存可能 卵子凍結に
健康な女性が将来の妊娠に備える選択肢の一つとして、未受精卵子を凍結する「社会的適応による卵子凍結」がある。医療関係者からは慎重な意見もある卵子凍結のメリットとリスクについて、済生会横浜市東部病院(横浜市鶴見区)産婦人科の佐々木拓幸医長に話を聞いた。 ▽若い卵子の保存可能 卵子凍結に
放射性ガス「ラドン」への被ばくは、脳卒中のリスクを高める可能性が示唆されたと、米国の研究グループが発表した。 ラドンは、ラジウム鉱石などが壊れた際に放出されるガスで、長期の被ばくや吸入により肺がんリスクが高まることが知られている。研究グループは、米国の大規模研究に参加した閉経後女性15万8
月経困難症に伴う痛みに対する非薬物療法の有効性を比較した結果、はり治療や運動が短期間で効果を示したと、中国の研究グループが発表した。 月経困難症は月経に伴う不調で、下腹部痛や腰痛、頭痛、吐き気、倦怠(けんたい)感、いらいらなど多様な症状が表れる。痛みに対しては薬物療法が用いられるが、副作用
口の中で特定の2種類の細菌が共生すると、強い臭気を発する物質が生まれやすくなり口臭が強まることが分かったと、大阪大大学院などの研究グループが発表した。 口臭に悩む人は多いが、デリケートな問題であるため日常生活では話題になりにくい。研究グループは、口臭の原因物質の一つで強い臭気を発する「メチ
緑茶に含まれる渋み成分のカテキンを、虫歯予防に使われるフッ化物(フッ素を含む化合物)と併用すると予防効果が高まる―。そんな実験結果を、東北大学大学院歯学研究科の口腔(こうくう)生化学分野の高橋信博教授らの研究グループが報告した。 ▽酸で歯が溶ける 口の中の細菌が歯の表面に付着し、塊
心不全患者の歩行動画から体の衰え(フレイル)を自動判定する人工知能(AI)アプリを開発したと、北海道大大学院などの研究グループが発表した。 筋力や免疫、内臓機能の低下などにより、フレイル状態になる心不全患者は少なくない。フレイルは早期に発見、治療すれば改善が期待できるが、既存の評価法は主治
高齢者でも内臓脂肪が蓄積されると耐糖能(血糖値を正常に保つ力)が低下し、糖尿病のリスクが高まることが分かったと、順天堂大大学院の研究グループが発表した。 超高齢社会を迎え、高齢糖尿病患者が増加している。若者と比べ高齢者はインスリンが分泌されにくくなり、耐糖能が低下するが、その詳細な仕組みは
子どもが膝を曲げ伸ばしする時に膝の外側を痛がる、あるいは関節が引っ掛かる、外れる感じを訴える_。こういった症状が出ると、膝関節内にある半月形の軟骨組織が生まれつき大きい「外側円板状半月板」の可能性がある。大阪公立大学大学院整形外科学(大阪市阿倍野区)の西野壱哉病院講師にこの疾患の特徴や最新の研究成
1歳時点の食事の質が、将来の炎症性腸疾患(IBD)に影響する可能性が示されたと、スウェーデンとノルウェーの共同研究グループが発表した。 IBDは、血便や下痢などの症状が表れる「潰瘍性大腸炎」と、全身の消化管に炎症が生じる「クローン病」の総称で、いずれも指定難病である。研究グループは、両国の
20~40歳代の男性に多く発症するバージャー病は、重症化すると手足の切断が必要になる例もある国の指定難病だ。「適切な治療を受けるために、疑わしい症状があれば循環器内科を受診してください」と京都府立医科大学付属病院循環器内科の矢西賢次助教は呼び掛けている。 ▽患者の多くに喫煙歴 バー
不眠症患者は、寝付くまでの時間(入眠潜時)を実際より長く感じることが知られているが、健康な人でも同様の結果が示されたと、埼玉県立大大学院などの研究グループが発表した。 研究グループは、健康な男女28人(平均年齢21・5歳)を対象に、脳波や皮膚と鼓膜の温度を計測するセンサーを装着した状態で、
自立歩行ができる高齢者では、舌の筋力の強さと「サルコペニア」(加齢に伴う筋肉量減少や筋力低下)が関連することが分かったと、岡山大大学院などの研究グループが発表した。 サルコペニアが進むと、身体機能や生活の質が低下して社会活動の妨げになる。研究グループは、2022年10月~23年6月に同大学
温泉に入ることで、腸内細菌のバランスが変化し、その影響は泉質ごとに異なることが分かったと、九州大などの研究グループが発表した。 研究グループは、2021年6月~22年7月に九州地方在住の健康な男女127人(20~65歳)に、大分県別府市内の泉質が異なる温泉に7日間連続で毎日20分以上入浴し
日本人の約8・4%が罹患(りかん)しているといわれる片頭痛。頭痛以外にも吐き気、光・臭い・音に対する過敏反応などさまざまな症状を伴い、日常生活に支障を来すことも。富永病院(大阪市浪速区)頭痛センターの団野大介副センター長は「患者さんは頭痛が無いときも常に発作の不安を抱えています。その悩みは周囲が考
適量のキムチの摂取は肥満の抑制に関連すると、韓国の研究グループが発表した。 キムチに含まれる乳酸菌については、過去の動物実験から肥満抑制効果が報告されている。研究グループは、韓国人11万5726人(男性32%)を、1日のキムチの摂取量で(1)1食未満(2)1~2食(3)2~3食(4)3~5
がん細胞株に関する米国のデータベース「CCLE」について、がん治療薬への反応を解析した結果、実際の患者のがん細胞とは反応が異なっていたと、京都大大学院などの研究グループが発表した。 CCLEは、患者から摘出したがん細胞を長期的に培養できる細胞株として登録・解析したデータベースで、世界中のが
箸やペンを扱いづらい、歩きにくいなどの症状で、高齢者の健康寿命を脅かす圧迫性頸髄(けいずい)症。手術治療も検討されるが、「首の手術は怖い」とのイメージも根強いだろう。群馬大学医学部付属病院整形外科の高沢英嗣病院講師は、「最近10年間で手術法が進歩しています」と語る。 ▽寝たきりの原因にも
認知機能の低下は死亡リスクを高めるが、当事者が抱える「孤立」の種類により、死亡リスクへの影響の強さが異なることが分かったと、東京都健康長寿医療センター研究所のグループが発表した。 2015年に介護保険認定を受けていない都民7万4872人(平均年齢73・7歳)に、(1)認知症チェックリスト(
高齢者の寿命を延ばすには活動量に応じたエネルギー摂取が重要で、運動せずに食事を取ったり、体を動かしても食べなかったりすることは健康に有益ではないことが確認されたと、早稲田大などの研究グループが発表した。 研究グループは、京都府亀岡市に住む65歳以上の4159人(平均年齢72・3歳
50歳以上の人で、ピロリ菌感染によりアルツハイマー病の発症リスクが高まる可能性が示されたと、カナダの研究グループが発表した。 研究グループは、英国の一般診療所データベースから、1988~2017年に登録された50歳以上で認知症がない426万2092人(平均年齢60.4歳、女性52.1%)を
歯の磨き残しなどからできる細菌の塊、歯垢(しこう)は虫歯や歯周病など、あらゆる歯のトラブルを引き起こす。正しいオーラルケアの方法を、宝田歯科医院(東京都江戸川区)の宝田恭子院長に教えてもらった。 口の中には多くの細菌が存在し、健康を保つ善玉菌もいれば、歯周病の原因となる悪玉菌もいる。食後約
閉経後の女性では出産回数が多いほど高血圧のリスクが高まるが、適正体重の維持により軽減できることが分かったと、東北大大学院などの研究グループが発表した。 研究グループは、東北地方在住の女性3万530人(20~75歳)を閉経前の6700人と閉経後の2万3830人に分け、出産回数と血圧との関係を
善玉コレステロール(HDL―C)が高過ぎる人は、認知症発症リスクが高まる可能性があると、オーストラリアなどの研究グループが発表した。 HDL―Cは増え過ぎたコレステロールを回収して肝臓へ戻し、動脈硬化を防ぐ働きをする。研究グループはHDL―Cの値と認知症との関係を調べるため、オーストラリア
米国の成人を対象にした大規模調査データを解析したところ、難聴がある人はない人に比べ死亡リスクが高まるが、補聴器の使用でリスクが低減されることが分かったと、米国の研究グループが発表した。 難聴は健康悪化や死亡のリスクを高めるが、補聴器のリスク低減効果は明らかでなかった。研究グループは、199
性感染症の一種の梅毒が近年増加している。適切な治療で治る病気だが、梅毒に感染した妊婦から胎児に母子感染する「先天梅毒」のリスクがある。日本大学医学部(東京都板橋区)産婦人科学系産婦人科学分野の川名敬主任教授に話を聞いた。 ▽先天梅毒も増加 梅毒は主に性器接触で感染し、初期は陰部にし
がん治療は進歩し、患者の5年生存率は6割強まで向上した。一方、医療費の支払いに加え、発病をきっかけとした休職・退職による収入減などが課題となっている。このような患者や家族に及ぼす悪い影響「経済毒性」について、愛知県がんセンター(名古屋市)薬物療法部の本多和典医長に聞いた。 ▽高価な新薬
睡眠パターンが不規則な人は、認知症の発症リスクが大幅に高まる可能性があると、オーストラリアの研究グループが発表した。 研究グループは、英国の大規模研究に参加した8万8094人(平均年齢62歳、女性56%)を対象に、手首に着ける加速度計で測定した活動量に基づき、睡眠規則性指数(SRI)を算出
糖質制限による体重減少は植物性タンパク質が多い食事で、より効果的な可能性があると、米国の研究グループが発表した。 研究グループは、米国の大規模研究に参加した12万3332人(平均年齢45.0歳、女性83.8%)のデータを解析。食事内容で、(1)糖質のみを制限(2)動物性タンパク質と脂肪が多
夏の外遊び中に冷却シートで首を冷やすことで、中高強度の身体活動を行う時間が増加していたと、順天堂大大学院などの研究グループが発表した。 研究グループは、小学1~3年生の26人を、冷却シートで首を冷やすグループと、冷やさないグループに分類。2022年8月の「暑さ指数(25以上・熱中症に警戒、
抗菌薬の使用量を調べたところ、診療所は病院の3倍以上で、この大量使用が薬が効かない耐性大腸菌の発生に関連することが分かったと、国立感染症研究所などのグループが発表した。 薬剤耐性菌の増加は世界的な問題で、抗菌薬の適正使用による対策が急務となっている。 研究グループは、全国の診療所1