ニュースパーク
- 2022年11月10日
私用で上京する機会があり、かねて見学したかった横浜市の日本新聞博物館(ニュースパーク)に立ち寄った。本紙も加盟する日本新聞協会が2000年に開設した。横浜スタジアムの近くにある。 新聞離れ、活字離れが言われて久しい。業界は厳しい現実に直面している。打開策の見えない中での一つの形がニュースパ
私用で上京する機会があり、かねて見学したかった横浜市の日本新聞博物館(ニュースパーク)に立ち寄った。本紙も加盟する日本新聞協会が2000年に開設した。横浜スタジアムの近くにある。 新聞離れ、活字離れが言われて久しい。業界は厳しい現実に直面している。打開策の見えない中での一つの形がニュースパ
模型飛行機の組み立てに凝ったのは小学校の高学年の頃だった。失敗ばかりで満足に飛ばせたことは一度も、ない。それでも小遣いをねだっては文房具店へ出掛けた。 NHKの連続テレビ小説「舞いあがれ!」で模型飛行機を作る場面を見て、子どもの頃に空と飛行機に憧れ模型作りに熱中していたことを思い出した。
苫小牧のアイスホッケー振興策が話題になる。少子化などで小中学校は合同チームが主流、大会形態もいまさらながら随分変わった。 1970年代、室蘭にも小中学生のアイスホッケーチームが存在した。ほぼ全小中学校にアイスホッケーチームがあった苫小牧とは違い、レベルは道内最下位クラス。室蘭の中学生が苫小
オミクロン株に対応した、新型コロナウイルスワクチンの接種が本格化している。発症した場合の行動上のリスクも考え、積極的に受けてきたが一体この先、何回接種することになるのか。派生型は拡大の一途で当面、接種の呼び掛けは続くだろう。 4回目までの接種で目立った副反応はなく正直、効果の実感もない。先
文化とは「人間が自然に手を加えて形成してきた物心両面の成果。衣食住をはじめ科学・技術・学問・芸術・道徳・宗教・政治など生活形成の様式と内容とを含む」。 岩波書店「広辞苑」第7版の語釈だ。技術的発展の意味合いの強い「文明」とは区別するそうだ。政治は文化だが、戦争はどうなのだろう。今年の文化の
日が暮れるのが早い。秋の夜長。本を読む時間が増えた。ジャーナリストの本田靖春さんが書いた文庫版のためのあとがきが心に響いた。 オート三輪が街を走っていた時代だった。本田さんはその朝、交通事故を目撃する。向かい側の酒屋の店先から飛び出した幼児が、オート三輪にはねられて即死した。新聞記者になっ
ラジオ放送を聞いている。通勤時間でマイカーの車内に流れるのは、ラジオからのニュースや天気予報など貴重な情報だ。もう今季は終わってしまったがプロ野球の試合も必ず放送される。地上波でのテレビ放映がめっきり少なくなったのとは対照的だ。 ラジオの歴史をひもとくと、1925(大正14)年にNHK(当
新型コロナウイルスが街や学校、病院や空港、家族の仲にまでいろいろな高さ厚さの壁を作り上げた。100%は無理として、少しでも安全な行動を探す日々が続く。 今年の正月は新規感染者の少ない流行の谷間だった。正月明けから新聞・テレビに第7波の棒グラフの巨大な山が現れた。そして、今はまた第8波の始ま
2022年のカレンダーは11、12月の残り2枚に。時間は誰にも平等のはずだが、年を重ねるほどに時計の針が速度を増すように感じる。 「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」は、かつてビールメーカーが飲酒運転防止を呼び掛けて掲げたキャッチフレーズ。最近は「~乗るなら飲むな、飲ませるな」と飲食店や同乗
誰にでも子どもの頃にあった。雪が白い妖精のように思えた日。天井の木目が何かの顔に見えて怖くなった日。空に浮かぶ雲を花や動物になぞらえた日…。 その記憶をよみがえらせてくれるのが、「週刊新潮」の表紙絵を創刊時から四半世紀手掛けた画家谷内六郎(1921―81年)の作品。苫小牧市と
数週間前のこと、懐かしい言葉がテレビから聞こえてきてうれしくなった。男性俳優が大きな口を開けておにぎりにかじりつき「食べらさる!」。確か新米の広告だ。 石垣福雄「北海道方言辞典」によると「らさる」は函館で採録された「自然にそうなる」という意味の助動詞。「見るなと言えば、なお見らさる」と用例
外国地名をニュースで読み、最近はパソコン画面を開いてとなるが、よく地図を見る。今なら「ザポリージャ」「へルソン」など、ロシア軍が侵攻中のウクライナ諸都市の位置を確かめて気をもむ。 〈首都ソウルと隣接した安養のほか旭川、八戸、釧路、日光、帯広、札幌、新横浜、そして苫小牧〉。国際アイスホッケー
中国の習近平総書記(国家主席)の異例の3期目指導部が23日発足した。習氏は「68歳定年」の不文律を破り、地方勤務時代からの忠実な側近で最高指導部を固めた。副首相らエリート養成機関のトップ経験者を降格し、後継候補となる50代前半の若手を1人も最高指導部に入れなかった。3期目どころか4期目も視野に入れ
ロシアのウクライナ侵攻が続く。ロシア国防相が「ウクライナは放射性物質をまき散らす『汚い爆弾』の使用を準備している」と米英仏やトルコに伝えたそうだ。核の脅しで始めた侵略に、もしや最悪の結末が近づいているのか。 イギリスの絵本作家レイモンド・ブリックスの「風が吹くとき」(篠崎書林)をふと思い出した
妻と先日、自宅の近所を散歩していたら、1台の車がそばに止まり、運転手の女性が神妙な面持ちで駆け寄ってきた。高齢者の写真を印刷したチラシを手にしながら、「どこかで見掛けませんでしたか」。外に出たまま家に戻って来ないという。もし、目撃したら連絡してほしい―。そう言い残して立ち去った。 必死に探
新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した改良型ワクチンを接種した。22日から苫小牧市が開設した集団接種会場で、初日の様子を取材する合間に済ますことができた。前日に予約状況を確認すると、空きがあり、まさに一石二鳥。重症化予防などの必要性を踏まえ、紙面で接種の呼び掛けに協力する手前、個人的に打たない
福島県内の駐屯地に勤務していた23歳の元女性自衛官が、男性の先輩自衛官から性被害を受けた問題で、加害者の4人が17日、被害者に直接、謝罪したと報道された。 この問題では先月末、防衛省が事実を認めて、幹部が謝罪したが女性は納得せず、加害者の直接の謝罪を求めていた。謝罪には、地位としての謝罪と
毎年、知人に「鵡川ししゃも」を送っている。胆振東部支局に駐在した20年前から続く。全国銘柄だけに魚好きの知人を大いに喜ばせる。 ところが新物を予約するために鵡川漁協のホームページを見ると「2022年産ししゃも」がない。問い合わせると、不漁のため今季の販売は見通せないとの回答だった。物は町内
プロ野球で導入されているリクエスト制度。審判の判定をビデオで検証できる仕組みだ。試合進行を妨げる抗議時間も随分少なくなった。 プロの審判関係者に判定について聞いたことがある。「今はビデオでスロー再生もできる。プレーは丸裸ですよ。一瞬のことを人間の目で判定するし、当然誤審の可能性も出てくる」
年末が近づくと年に一度、鉄道時刻表を買っていた時代がある。時刻表は、数字をたどっていけば全国のどんな小さな駅にでも連れて行ってくれた。帰省の予算も予定もないのに、狭い4畳半で開いては閉じを繰り返したものだ。 今年は、日本で初めて鉄道が開業して150年の記念の年。新聞やテレビでは鉄道の課題の
「(師匠は)大正生まれですが元気ですよ」と語ったのは、現役最高齢の落語家桂米丸さん(97)の最後の弟子として知られる桂米福さん(57)。先日、苫小牧市のときわ町内会の敬老会に呼ばれ、「親子酒」や「皿屋敷」などを披露した。新作落語一筋の師匠に学びながら古典落語が得意。気さくな雰囲気は師匠譲りで本題前
木の葉が舞い散る音を添わせながら吹く秋の風を「秋声(しゅうせい)」と呼ぶのだそうだ。地下鉄へ向かう通勤途中、色づき始めた街路樹を眺め、そんな言葉を思い出した。「全国旅行支援」が始まった影響か、札幌市中心部でも観光客が、ぐんと増えている。時計台前では、記念写真を撮る人たちでいっぱいだ。ウィズコロナの
山には、季節ごとの匂いがある。好きなのは、秋の里山の匂い。もう少し季節が進み、何度も霜に当たった木々の実が熟した頃に、森全体を覆う甘い匂いが懐かしい。 コクワやマタタビ、ヤマブドウの木やつるのある場所を半世紀以上たっても思い出すことができる。戦後十数年、まだ甘い食べ物の少ない頃だ。硬いコク
「新聞」にはさまざまな情報が載っている。長年、新聞を手に取っていただいている読者からは、いまさら何を言うのかとお叱りを受けそうだが、本紙で言えば一日の新聞に百本前後の記事が掲載されている。 もちろん、隅から隅まで記事に目を通す読者から、写真や見出しに関心を寄せた記事を積極的に読む人まで、さ
好天下、休みを利用して先日、苫小牧から白老、伊達市大滝区を抜けて洞爺湖まで車を走らせた。途中の道道白老大滝線(四季彩街道、延長約30キロ)は渓谷に囲まれ、見事な景観。紅葉にも期待したが、木々が赤や黄に色濃く染まるにはまだ時期が早かったようだ。それでも絶え間なく水音を立てて流れる白滝を見ることができ
「自分の体はがんにむしばまれているのではないか?」。そんな不安にとらわれた経験を持つ人は多いはずだ。厚生労働省の2021年の統計によると死因の1~5位はがん、心疾患、老衰、脳血管疾患、肺炎。がんは増加中だ。 定期的に健康診断を受ける人はともかく、自宅で体調を自分で確かめている世代は自分の経
10代の頃、新聞の隅に載っていた運動会の記事を読んだ。学校の恒例行事だが、生き生きと競技をする子供、夢中でわが子を応援する保護者、熱気に満ちたグラウンドの様子が、短い記事から手に取るように分かった。子供心に感心し、どんな記者が書いたのだろうとあれこれ妄想した。 20代になって、陶器に入った
先月上旬、恩人の葬儀があり、えりも町を訪ねた。記者は35年前、コンブ漁手伝いの大学生アルバイトをやり、襟裳岬に7月下旬から約1カ月間滞在して灯台の近くにあった漁師さんの家で働いた。 亡くなったのは当時お世話になった親方。記者より5歳年上で丸太ん棒のような二の腕の持ち主で就職後にも、えりも町
ロシアのウクライナ侵攻が始まってはや8カ月。報道の中に「交渉」という言葉が時に交じる。停戦や和平などの言葉が具体的に聞かれるのはいつになるのだろうか。 言葉は難しい。戦争や紛争に関わる言葉を野球などスポーツ絡みでしか使ったことのない世代。子どもの頃、敗者の生死と直結しないよう戦いにルールや
ファンの間でその存在が語り継がれた幻のフィルムが、56年の時を経て日の目を見た。ビートルズが1966年に来日公演した際、警視庁が警備の様子を収めた記録映像だ。名古屋のNPOが情報公開請求し、一部開示が認められた。 ビートルズマニアを自認する身。ネットで公開された35分40秒の無音モノクロ動