駒大苫が1点を争う粘り合いを制した。均衡を破ったのは1年生FW中谷。数的優位なパワープレーで、鈴木(3年)からのパスをゴールにたたき込んだ。「ただ合わせるだけだった。先輩のおかげ」と相好を崩した。
守りでも1年生が奮闘した。25日の準決勝で途中出場し1失点だったGK工藤(1年)は相手の決定機を何度も防いだ。「苦しい展開でもよく我慢して守ってくれた」と桶谷監督はたたえた。
2005年~08年(その後10年まで6連覇)以来の4連覇を理想的な完封で達成した。2回戦、準決勝と反則からリズムに乗れない部分もあったが、大一番ではしっかり修正。終盤に6人攻撃を連続して仕掛けられても冷静に対応し、2度のエンプティーゴールも奪った。
「失点しなければ負けることはない」と指揮官が常々口にする守りの意識がチーム内に浸透してきている。石田主将(3年)は「ずっと点は欲しかったが、まずは守備からと思ってプレーできた」と胸を張る。
次なる目標は11~12年以来の全国高校総体連覇。ここ数年は武修館、白樺学園と壮絶な優勝争いを繰り広げ、何度も連覇のチャンスを阻まれてきた。残り1カ月を切った本番まで「一回一回の練習を大切に取り組んでいきたい」と主将は語った。