イーグルス一筋21年、走り続けた男がユニホームを脱ぐ―。今シーズン限りでの引退を表明したレッドイーグルス北海道のベテランで苫小牧出身のFW百目木政人(39)が苫小牧民報の取材に応じた。一問一答は次の通り。
―引退発表後の率直な感想を。
「このチームに支えてもらった21年間だった。発表後に周囲は驚いていたが、まだシーズン中ということもあり、気持ちは落ち着いている。残りも自分のプレーを出し切りたい」
―背番号「7」への思いを。
「高校3年で入団が決まっていた2002年の帯広国体時、王子製紙アイスホッケー部元FWの矢島敏幸さんと鈴木宣夫さんに食事に連れていってもらった。同期入団の斎藤哲也(栃木日光アイスバックス)と共に『背番号をもらってほしい』と言われた。こんな僕でいいのか―と思ったが、もらった以上はいいプレーをし続けなければいけないと感じた。その思いが、ここまで現役を続けてこられた理由の一つでもある」
―12年から2シーズンは主将も務めた。
「素晴らしいチームの主将になれたのは自信につながった。人前に出ることも増え、自分を強くしてくれた。キャプテンとして12年の全日本アイスホッケー選手権大会Aで優勝できたことも印象深い。MVPにも選出され、強いチームでプレーできる幸せをかみしめることができた」
―レッドイーグルス北海道としては21―22シーズンのプレーオフ3戦目で先制点ををたたき込んだ姿も記憶に新しい。
「当時、けがで出場できなかった大澤勇斗の代わりにスペシャルセットに入った。大澤のためにも決めたいという気持ちで押し切った」
―長くプレーできたのは家族の支えもあったのでは。
「妻は食事面でもいつもサポートしてくれ、感謝の気持ちでいっぱい。ゴールを決めたら娘の夢羽(10)に手を振るというルーティンをしていたが、来年からはできなくなるのが寂しい。試合で笑顔になってくれるのが原動力だった」
―入団時のイーグルス一筋―という宣言通りになった。
「地元が苫小牧ということもあり、他チームへの移籍を考えたことがないくらい居心地のいいチームだった。素晴らしいチームで21年間プレーできたことは、自分にとって大きな成長につながった」
―ファンにメッセージを。
「まだレギュラーリーグ12試合に加えプレーオフも残っている。今、僕にできる恩返しはリーグ優勝。頂点に立って、気持ちよく引退したい」