駒大苫 盤石の試合運び光る 中学・高校―IH全国大会総括

高校総体で久々の連覇を達成した駒大苫=1月24日、釧路アイスアリーナ

 今年1月に行われた中学、高校アイスホッケーの各全国大会で東胆振勢が活躍した。全国高校総体の第72回全国選手権大会(1月21~24日、釧路市)は駒大苫小牧が2011~12年以来の連覇達成。第43回全国中学校大会(1月27~30日、栃木県日光市)では東胆振B(明野・啓明・明倫・和光)が大会唯一のゲームウイニングショットまでもつれる接戦を演じた。

   【全国高校選手権】

   2013年以来の釧路開催。全国27校がトーナメント戦を繰り広げた。

   U20世界選手権男子ディビジョン1グループB(昨年12月、ポーランド)=3部相当=優勝時の日本代表5人を擁する駒大苫は初戦の2回戦からしぶとく勝ち上がった。釧路工業、日光明峰をそれぞれ4―1で下すと、準決勝では白樺学園と激突。第2ピリオド3分すぎに一時勝ち越されたが、「苦しい展開でも必ずチャンスは来ると思ってプレーできていた」と桶谷賢吾監督。第3ピリオド終盤に連続得点し粘る相手を振り切った。

   昨年12月の道大会決勝以来の対戦となった武修館との決勝は緊迫した我慢比べに。均衡を破ったのはFW寺内理雲(2年)。「練習してきた成果が出た」と数的優位なパワープレーでFW鈴木富士(3年)のシュートリバウンドを逃さずゴールに押し込んだ。

   守っては1年生GKの工藤授が好セーブを連発し相手に追撃させなかった。

   「厳しい場面で落ち着いてパックをキープできる。得点してからの堅さはすごい」と武修館の角橋裕樹監督が脱帽するほどの試合運びで王座を守った。「連覇のプレッシャーはあったが、勝つことができてほっとした」とFW石田聖弥主将(3年)は満面の笑みをうかべた。

   北海道栄は1回戦で白樺学園と今季3度目の顔合わせ。序盤から持ち前の攻守にアグレッシブなプレーを披露。第2ピリオド13分すぎに2点差を一時追い付くなど「今季一番の試合」と小林弘典監督が評価する好ゲームだった。

   昨年の道大会時に重い反則を犯し、この試合の出場がかなわなかったDF鴨林卓音主将(3年)は観客席から仲間の頑張りを見守った。「全員が一つになって頑張れていた。気持ちがすごく伝わった」と語った。

   【全国中学大会】

   新型コロナウイルスの影響で3年ぶりに開催されたトーナメント戦には全国16チームが出場した。

   苫小牧勢で唯一出場した東胆振Bは1回戦で、前回大会(2020年1月、苫小牧市)2位の東京都選抜と激突。2点を先行するなど序盤から優勢だったが、「攻め切れない弱さが出た」と伊部泰成主将(明倫3年)。第2ピリオド以降は千歳芳生(東京学芸大付属国際)らスキルの高い相手2年生FWに翻弄(ほんろう)された。

   東胆振Bもチーム最多の2得点をマークした花田賢信(和光)、1得点1アシストの金澤元気(明倫)といった2年生FWが奮起するも6―7であと一歩及ばず。「よくつらい練習に耐えて、ここまで来てくれた」と東北フリーブレイズなどで活躍した元アジアリーガーで部活動指導員の山田佑哉コーチは選手たちの頑張りをたたえる一方、「道外勢のレベルは年々上がっている。北海道、苫小牧としてもっとレベルアップしなければ」と警鐘を鳴らした。