冬の支笏湖
- 2019年12月10日
今月初旬、振り替え休日を取得した日に支笏湖へ出掛けた。1羽のオオワシが飛んでいた。越冬のため本道に渡って来る最大の猛禽(もうきん)類は千歳でも雄々しく翼を広げている。 低気圧の影響で風は間断なく吹き、雪もちらついた。穏やかな日なら宿で朝食を終えた観光客が散歩している時間帯だったが、そうした
今月初旬、振り替え休日を取得した日に支笏湖へ出掛けた。1羽のオオワシが飛んでいた。越冬のため本道に渡って来る最大の猛禽(もうきん)類は千歳でも雄々しく翼を広げている。 低気圧の影響で風は間断なく吹き、雪もちらついた。穏やかな日なら宿で朝食を終えた観光客が散歩している時間帯だったが、そうした
「レイアウトをして、絵をかいたり、線を工夫するのが難しかった」。編集後記にこう書いたのは洸大君。本紙主催の苫小牧地区小学校学級新聞コンクールで、苫小牧北星小6年2組の「銀河」が市教育長賞を受賞した。 良く取材している。運動会の競技種目として続いてきた一輪車レースが終わることになり、6年2組
「俺、子どもをたたいてしまった」。子育ての時期、酒の席で同世代の知人に打ち明けられたことがある。詳細はもう忘れたが、後悔は十分伝わった。 家庭でも学校でも体罰が珍しくない時代に育った。男親の多くは味方や部下にも残虐で理不尽な暴力を振るう「軍隊」の経験や記憶を引きずっていたと思う。せっかんだ
在任わずか8カ月で副町長の職を辞した。体調が優れなくなり、重責を担い続けるのは困難と考えた。責任感の強い人だからこその決断。今月3日、42年以上勤務した白老町役場を去った岡村幸男さん(62)だ。 苫小牧東高を卒業後、1977年に町役場に入庁。政策推進や産業経済、総務などの部門を歩き、地域の
皆さんは自分が住んでいるまちの防災ハンドブックの内容を熟知しているだろうか。当方は取材で見る機会が多く、被害予測や安全対策は頭に入れているが、わがこととしての把握はほぼ置き去り。言い訳をすれば有事の際は報道する立場で、異なる意味で準備しているためだが、災害に備えて避難所の確認などは欠かせない。
住宅街の道路で後続の車にあおられた。逆光のため顔は見えなかったものの髪型は若い女性。特に恐怖は感じなかったが、不快感はしっかりと残った。 近所のスーパーに買い物に出掛けた時のことだ。バス通りと交差する片側1車線の道路沿いには大きな公園があり、子どもが多い。その先には一時停止の交差点もあるか
苫小牧市が誘致に取り組んでいる、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)は先週、国への申請主体となる北海道が見送りを決めた。将来の余地は残して。国会がカジノ解禁を議員立法で決める前から誘致に動いていた苫小牧市は、はしごを外された格好。政治は見えない所で動く。 コラム子は以前からスケールの縮小
「おしゃれは我慢」とは誰の言葉だったか。かつて、靴はとことん好きなブランドにこだわった。気に入った靴に冬仕様がなければ自らソールを交換。多少重くなっても頑張って冬道で履き続けたが、すっかり快適性、安全性重視に変わった。凍結路面で派手に転んで痛い思いをしたり、眼鏡や腕時計などを壊してきたためだ。
むかわ町穂別(旧穂別町)に住む知人の母親が、先日、亡くなった。95歳だった。都合で葬儀に参列できず、書棚の一冊の本を開いて、手を合わせた。 本は、2014年に出版された「穂別 高齢者の語り聞き史 大地を踏みしめて」。お母さんも書き手の一人だ。10代の後半に暮らした戦中の東京のこと、実家の家
道民世論を二分し、大揺れに揺れたカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の本道誘致問題に終止符が打たれた。4月の就任以来、誘致の是非を検討してきた鈴木直道知事は28日深夜、最大与党の自民党・道民会議に「今回は誘致を見送る」と伝えた。 IR問題は、誘致を目指す自治体の認定申請期限(2021年1
IR(カジノを含む統合型リゾート施設)の誘致是非を判断する協議が佳境を迎えている。鈴木直道知事は道議会の最大会派である自民党の協力を前提に判断する構えだが、党側は一枚岩になれず、お互いにボールを投げ合う状態が続いている。 優先候補地とされる苫小牧市の国際リゾート構想を読み込んだ。明るい未来
日高は、日高山脈から太平洋に向かって長い川が流れ、その川に沿って小集落や農地を縫う道路が延びて、海沿いに広がる市街地や鉄路を結んでいる。 高波被害の後、約5年間放置されていたJR日高線の全面バス転換に向けた沿線自治体とJRの協議開始が決まった。通学や通院などに公共交通の必要な、いわゆる交通
タイトルは知っているけれど読んだことのない名作にしようか、物語を楽しめそうな1冊にしようか。迷った時、新書「今こそ読みたい児童文学100」(赤木かん子著)が、えりすぐりの100冊を紹介してくれる。 100冊の紹介を読み、最初に選んだのは「マツの木の王子」。森の奥にマツの木の王国があった。あ
会社帰りに時々、出来合いの弁当や総菜を買って食べている。こういう物は大抵プラスチック容器に入っていて、多少の揺れでは片寄らず、液漏れせず、軽いので重宝している。 ただ、食べ終わるとすぐ、ごみになる。昨今、各国に「海洋を汚染し、巡り巡って人体にも悪影響を及ぼす」と問題視されている物で、素材を
夫婦の4人の親を送り終えて、次は、自分たちの番か。今年も毎日、友人知人から年賀欠礼のはがきが届く。物故者の多くは、きょうだいや配偶者だ。 親の死因や末期の治療のあらましを思い出す。高血圧と脳出血、開頭手術。腎不全と人工透析、胃がん。糖尿病と腎不全。認知症と老衰―。酒や食生活、生活習慣など、
シンプルを旨として、ここ2年余り、理髪店で髪を切る際の注文は「スポーツ刈り」とすることに決めている。仕上がってから、髪形を確かめようと鏡を見れば、すっかり白髪男。 なぜそうなったのかは分からない。「黒髪維持」にはよろしい―とされる海藻、コンブはよく食べた口を持つにもかかわらず。個人的には思
安倍晋三首相の在職日数が20日で通算2887日となり、桂太郎を抜いて歴代最長となった。長期政権のおごりを指摘する声も出ているが、長さではなく根源的な問題があると思う。 安倍首相のやじは今に始まった話ではない。例えば2015年5月の衆院特別委員会。当時の民主党議員に「早く質問しろよ」とやじを
テレビを見ていると日本の言葉はいつか、共通語と大阪弁の2種類になるのかと思うことがある。いろいろな地方の言葉は、なかなか聞こえてこない。 北海道弁の温かさや味わいも、NHKの朝の連続テレビ小説が変わり、聞く機会が減って寂しい。な~んもだ。―べや。―でないかい。そんな言葉に包まれて過ごす時間
まちの再生を担う地域おこし協力隊が各地で存在感を高めている。過疎地などに移り住み、国から一定期間、報酬を受けながら1次産業支援や観光客誘致のイベント企画などに当たる人たちだ。道内でも受け入れる自治体は年々増え、元気を失った地域の助っ人として奮闘している。 先日、白老町に住む隊員6人の活動報
夜景スポットのようで思わず見とれてしまった。約20年ぶりに足を運んだ夜明け前の苫小牧港漁港区。秋サケ定置網漁の漁場から引き揚げた漁船のライトがまばゆい光を放っていた。白いカモメがときおり甲高い鳴き声を上げて空を舞い、漁業者たちが荷揚げに備えて船上で暖を取っていた。 午前4時に小型運搬車ター
冬の始まりが、年々つらくなってくる。今年の冬は、数日前から寒気団や猛吹雪などの怖い単語が新聞やテレビに流れ、いつになく緊張して始まった。 50センチの積雪、風速30メートル―。そんな数字が頭の中を駆けめぐる。居住地は、日本海側でも道北でもないが予想以上の悪天候の広がりは十分あり得る。心配し
わが家が食材を主に買う店は近くのスーパー。商品棚では、暮らしの防衛感覚で言えば外国産の生鮮品は選択肢の一つとして定着している。国産品と比べて数量的に割安感を出している物もある。本紙に折り込まれるチラシの目玉商品などでもよく見る。 でもジンギスカン鍋が「ソウルフード」だからといって北海道産の
賞金はかなり高額なはずなのになぜか。24日、東京競馬場で開かれるG1レースのジャパンカップに外国馬が1頭も出走しないことになった。背景はいろいろあろうが、最大の理由は「馬場」にあると指摘する声が多い。芝造りが国際水準とかけ離れているというのだ。芝が短く、固めで速いタイムが出やすい「超高速馬場」とい
JR北海道は11日、札幌駅新ビルの建設計画を発表した。地上47階建て、高さ約230メートル。道内で最も高いビルとして、2029年度の完成を目指す。 翌12日、新ひだか町では日高管内7町の町長が集まり、15年1月の高波被害の後、復旧工事も行われないまま、5年近くも不通になっているJR日高線を
木の葉が舞い散る音を添わせながら吹く秋の風を「秋声(しゅうせい)」と呼ぶのだそうだ。いかにも寂しげな晩秋の景色が浮かぶ。立冬も過ぎて、そんな季節も終わった。五輪報道でテレビに頻繁に映し出される札幌の大通公園にも先日、雪が舞った。 唐突に決まった東京五輪のマラソン・競歩の札幌開催。地元自治体
天皇皇后両陛下が10日、即位パレードに臨まれた。その前日、即位をお祝いする国民祭典が行われ、アイドルグループの嵐が奉祝曲・組曲の第三楽章「Journey to Harmony」という楽曲を歌った。「君が笑えば世界は輝く」。美しい言葉の始まりに続く詞は、自然界の出来事を現世の日々になぞらえながら「誰
生き方の骨格はいつどこで身に付けるのだろう。親や先生の言葉を聞いた時か、友人の行いを見た時か、自分の言動を初めて恥ずかしいと思った時か。 新聞やテレビのニュースを見ていると政治家や官僚の問題点がよく見えて、参考になる。今は、就任間もなく辞任した経済産業大臣と法務大臣の説明責任や、安倍首相の
7キロから42・195キロまで、マラソンの名の付く大会に幾度か出場した。55歳を過ぎてからのことだから記録にはこだわらず、完走できさえすれば満足するべし―がモットー。でも、できればもう少し速く走りたかった。 初めての大会は7年前。道北のまちで周回コースを1周する10キロの部だった。スタート
記者が小学生だった時の事。クラブ活動で先生が「これはどうした!」と1人の少女の手を取り上げた。驚いて見ると、いつも優しい上級生の手の甲に、たばこの火を押し付けられたと分かる丸いやけどの跡が幾つもあった。「見ないで!」と言うように慌てて手を隠そうとした、切なげな少女の顔が忘れられない。 多く
昆虫は幼時の友達。ただし、見たことはあっても、怖くて仲良しになれなかった虫も多い。ハサミムシもそうだ。お尻の先の鋭い2本の針が怖かった。 いろいろな生き物たちの、最期を書いた随筆集「生き物の死にざま」(草思社)は、ゾウやサケ、セミやミツバチなどの感動的な死に焦点を当てている。石などの下にい