議員の原点
- 2025年5月7日
数年前、郡部の地方議会を取材していた。当時、新米だった議員が一般質問に臨んだ際、うまく言葉が出てこないながら理事者に思いをぶつけ、答弁を得るシーンがあった。後ろから見守った先輩議員が「頑張れ」「いいぞ」と背中を押すようなほほ笑ましい場面も見られ、議会後にある行政側の一人と「あれは、あれでよかったよ
数年前、郡部の地方議会を取材していた。当時、新米だった議員が一般質問に臨んだ際、うまく言葉が出てこないながら理事者に思いをぶつけ、答弁を得るシーンがあった。後ろから見守った先輩議員が「頑張れ」「いいぞ」と背中を押すようなほほ笑ましい場面も見られ、議会後にある行政側の一人と「あれは、あれでよかったよ
ポイ捨てされたごみが雪解けで顔を出す春先は、どのまちでも町内会、学校、企業などが地域でごみ拾いをする。 様子は何度も取材してきたが、小中学生の活動ではいつも複雑な気持ちになった。ごみを捨てている子どもを見たことがなく、捨てているのが大人だとしたら、子どもに拾わせることに疑問を感じたからだ。たば
天井からつり下がる細い帯の輪に腕や脚の一部を掛け、てこで言うところの支点や力点を変えつつ体を操る練習方法があった。本来はリハビリなどで使われた医療器具を応用した器具だが、陸上競技100、200㍍日本記録保持者の福島千里さんが鍛える通り体を動かした。 選手にとって大事な体幹―体の胴体部分の大小筋
2025年の本屋大賞に阿部暁子さんの小説「カフネ」(講談社)が選ばれた。主人公の野宮薫子は、急死した弟の元恋人で家事代行の料理を仕事にする小野寺せつなを手伝うことになる。 本の売り上げ減少が続く中、「売り場からベストセラーをつくる」と書店員有志が発案した本屋大賞も今年で22回を数えた。1次投票
大型連休も、はや後半。今年は連休が飛び石とあり、周囲も「分散型」という方が多い。中には平日も休んで11連休の方もいるが、厳しい物価高騰の折とあって、休み自慢もほぼ聞かない。自宅や近場で過ごす人が多いとする調査結果もある。そんな時こそ安近短の「ご当地グルメ」に目を向けてはどうだろうか。 地域の活
大型連休前半は肌寒い日が多かった。きょうから5月。苫小牧でもツツジやサクラが映える、この時季らしいすっきりと晴れた空が少し続いてほしいが。 夏に参院選がある。与野党とも減税を唱えだしてまるで減税競争か。選挙対策と思えば皮肉の一つも言いたくなる。 地方の生活者の多くは、賃金よりも物価の上昇へ
27日の香港競馬「クイーンエリザベス2世カップ」では、ダービー馬タスティエーラが日本馬として4年ぶりの優勝を果たしたが、それ以上に同レースに出走した2023年の3冠牝馬リバティアイランド(5歳)の死が大きな話題だ。 最後の直線で故障し、鞍上の下馬で競走を中止。左前脚の靱帯(じんたい)断裂などで
前例なき対策を打ち出すときには、誰かが腹をくくらなければならない。それはトップの役目です。あとは、なぜその対策をとらなければならないのかを皆に説明し、理解してもらうための発信力。トップに求められるのはそれだけ、と言っても過言ではないでしょう。 自著の「逆境リーダーの挑戦」(PHP新書)。日本で
毎日、医療機関で処方された薬を飲んでいる。複数の種類がある。朝に飲むのもあれば、夕食後のもある。時々、飲んだかどうかを失念し、落ち込む。「一回ぐらい大丈夫」と言い聞かせながら、薬をシートからプチッと押して取り出す。 錠剤やカプセルの薬をプラスチックとアルミニウムのシート状で挟んだ「お薬シート」
気象庁によると、3月23日に高知、熊本県から始まった今年の桜前線は、およそ1カ月かけて北上。24日までに札幌、苫小牧でもサクラの開花が伝えられ、時期をほぼ同じくして大型連休がきょうから始まった。最大11日間の休みの人もいると聞くと、うらやましい限りだが、期間が短くてもまとまった休みをどう過ごすか考
少し前の話だが、取材の約束が詰まっていたある日。合間を縫って苫小牧市役所のトイレに行き、予定よりも早く生理が始まったことに気がついた。困ったことに、生理用ナプキンの入ったバッグは別の場所に置いてきてしまっていた。 「約束の時間に遅れてしまうが、仕方がない」。取りに戻ろうとした時に目に入ったのは
小説家永井荷風は、1959年4月30日に79歳で亡くなる前日まで日記を書いた。大正、昭和をまたぐ40年余りの記録は「断腸亭日乗」の名で刊行されており、荷風の筆致を通して当時の世相を垣間見ることができる。 私の見た「昭和二十年」の記録である―。そんな前書きで始まる作家山田風太郎の「戦中派不戦日記
2006年のある日のこと。当時苫小牧市の職員だった金澤俊市長の内線に呼び出しの電話が掛かってきた。相手は前市長の岩倉博文さん。同年7月に市長に就任した岩倉さんが「与党議員をつくりたい」との思いから共通の知人に金澤氏の名前を聞き、市議会議員になるよう誘った。2人の最初の出会いだ。 昨年末の市長選
昨年6月に本紙で始まった連載歴史小説「筆と槍(やり) 天下を見届けた男」が、終章を迎えている。 主役は、戦国時代に当主の書状を代筆し、他国との交渉を担っていた右筆(ゆうひつ)の和久宗是(わく・そうぜ)。実在した人で、現代なら官僚の立場で政治にも関わった。当然、広い人脈、正確な情報をいち早く得る
女子アイスホッケー世界選手権が日本時間の20日未明に東欧チェコで閉幕した。決勝は米国がカナダを4―3でかわし、通算11度目の世界一に輝いた。大会前からの評判通り、北米で長い国境を接する両国代表の火花散る角逐が繰り広げられて10日間の熱戦が決着を迎えた。 地球「二強」は今回まで25度開催の世界選
2006年の苫小牧。駒大苫小牧高校野球部が、夏の甲子園で惜しくも3連覇を逃したものの、準優勝に沸いていた。この年、市のかじ取り役に就いたのが岩倉博文さんだった。それから5期18年余りの大役をこなし、昨年11月に辞職。そして昨日、鬼籍に入られた。 突然の訃報に各界からも惜しむ声が上がっている。岩
先日の休日、車で札幌に向かう道すがら、普段は聴かないラジオを付けた。支笏湖を視界に入れながら、急ぐわけでもない運転が、自然と気分を転換させた。見れば車道脇に雪がまだ残っているが、フキノトウが至る所で芽吹き、春を感じさせる。NHKラジオの「子ども科学電話相談」にチャンネルを合わせた。 この日のテ
先日、地上波の番組表で「林竹二」の文字に目が留まった。若い頃、林氏の著作に感銘を受けた。教育大学の学長を退いた後、15年間で300回を超える授業を本道を含む全国の学校や児童福祉施設で実践した。半世紀前に学校教育の危機を指摘し、老躯を駆って「教育の再生」を目指した授業巡礼を体現した。授業での対話は児
今春、始まった苫小牧市防犯協会によるキャンペーン「ながら見守りワン!」をご存じだろうか。飼い犬の散歩をしながら、子どもの登下校などを見守る活動。暮らしの延長でできるとあって、同種の活動の輪が全国に広がっているという。早速、参加を申し込んだ。 コースや時間は自由だが、「ながら見守りワン!」と書か
水色の空に、絵筆でサッと描いたような白い雲が流れている。先週末の札幌は、初夏のような陽気に包まれた。新年度がスタートして2週間が過ぎた。今年は夏の参院選と東京都議選が重なる12年に1度の選挙の年。一気に活発化している道内各党の動きを追う取材が続いている。 そんな季節。「一生忘れられない 言の葉
防災のために必要な品をそろえておく防災備蓄品。その必要性は分かっていても、自分ではなかなか買わない、または買えないものだ。それが、無償ギフトとして手元に届くとしたらうれしい。こうした取り組みが、東京を中心に自治体レベルで広がりつつある。 例えば、東京都中央区は一人5000円相当の防災カタログを
自らをタリフマン(関税男)と名乗り、「関税を賢く使おう」と述べていた米国大統領のトランプ氏。貿易不均衡を理由に、60の相手国・地域に高率の相互関税を一方的に課税することを打ち出し、発効から1日も経たないうちに3カ月間凍結することを表明した。予想を超える金融市場の動きに、政権への打撃を回避したものと
あらゆる暴力から身を守る方法を子どもに伝える、人権教育プログラムCAP(キャップ)。誰もが安心して自信を持ち、自由に生きる特別な権利があることを、年齢に合わせて伝えるもので、大人へこのプログラムを紹介するワークショップが先日、苫小牧市内で行われた。 練り上げられたプログラムはどこを切り取っても
「子どものころに『ばば抜き』『神経衰弱』『七並べ』『大富豪』などでよく遊び、大好きだったトランプが、最近では嫌いになった」―。数日前、苫小牧市議のホームページ(HP)にこんな書き込みを見つけ、少し驚いた。ただ、前日の投稿記事も見ると、トランプ米大統領が打ち出した高関税政策で揺れる株式市場を話題にし
先日、休日を利用して札幌市内まで車を走らせた。驚かされたのは、道央道苫小牧中央インターチェンジ(IC)を使って、JR札幌駅の中心地までの所要時間が1時間と少ししかかからなかったことだ。普段、時間に余裕を持ちながら高速道路は極力使わず、国道や支笏湖通りをのんびり走る方が多かったせいもあり、「こんなに
4月にはかつて、労働省が1949年に女性の地位向上を目指して制定した婦人週間があった。2001年からは男女共同参画週間として6月に実施され、啓発活動は全国で70年以上続いている。 30年ほど前、働く若者の声を聞こうという労働省の催事に自主参加した。全国から100人以上が集まった中、ある女性が「
アイスホッケーアジアリーグは5日、3勝先取方式のプレーオフ第4戦が韓国で行われ、本拠苫小牧のレッドイーグルス北海道(REH)が延長戦の末、HLアニャンに1―2で敗れて幕を閉じた。レギュラーリーグ(RL)2位のREHは今季序盤から企図したプレーがなかなか熟さなかったものの、終盤にかけて見違えるほど地
NTTの天気予報サービス「177」が3月末で終了していたことをNHKニュースで知った。調べてみると、NTT東日本と西日本が終了を告知する報道発表資料を昨年7月に出していた。「177」は、固定電話から177番をダイヤルすると、電話を掛けている地域の気象情報を聞けるサービス。1955年に開始したが、「
不意に普段利用するクレジットカード会社から「電話による追加認証に成功しました」とメールが届いた。いつもは「迷惑メール」と無視するのだが、どう見ても本物。念のために公式の問い合わせ先を調べ、確認することにした。 電話がつながるまでの煩わしさ、繰り返される機械的な音声と、腹立たしくて書きたいことは
この春も食品などの値上げが著しいが、昨秋「令和の米騒動」となった米も商品こそ店頭にはあるものの、収まるといわれていた高値は続いたまま。わが家はとうの前に好みの品種を求めることを諦めている。家人は、近場の店をはしごし幾分でも割安な米を見逃さずに買うことが大事となっている。首尾良く買えてどや顔が出た時