父親のうつ病もリスクに
- 2023年10月11日
母親のうつ病が子どものうつ病と関連することは知られているが、父親のうつ病も子どもの将来的なうつ病リスクを高めることが分かったと、オーストラリアの研究グループが発表した。 研究グループは、2002~21年に発表されたうつ病に関する16件の研究論文から、父子715万3723組のデータを抽出。父
母親のうつ病が子どものうつ病と関連することは知られているが、父親のうつ病も子どもの将来的なうつ病リスクを高めることが分かったと、オーストラリアの研究グループが発表した。 研究グループは、2002~21年に発表されたうつ病に関する16件の研究論文から、父子715万3723組のデータを抽出。父
週に1~2日だけの運動でも一定の量を満たせば、定期的な運動と同程度に心臓病や脳卒中の予防効果が得られる可能性があると、米国の研究グループが発表した。 調査対象は英国の大規模研究に参加し、手首装着型の活動量計で1週間の運動や身体活動の時間と強度を測定した8万9573人(平均62歳)。推奨基準
全身状態が悪化して言葉による意思疎通が難しくなったがん患者の苦痛を、人工知能(AI)を使って「見える化」するモデルを開発したと、京都大付属病院などの研究グループが発表した。 がん治療では、専門職や一般の医療従事者が患者の症状を聞き取り、苦痛を取り除く緩和ケアが行われる。しかし状態が悪化し会
がんの診断や治療の進歩などにより、生存期間は延びている。ただし、がん患者の中で心臓病や脳卒中の最大の危険因子とされる高血圧に悩まされる人も増えている。がん患者の高血圧について、東京大学大学院(東京都文京区)先進循環器病学の金子英弘特任講師に話を聞いた。 ▽治療薬で血圧上昇も 日本人
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う衛生意識の変化は、整形外科で手術を行った部位の感染(SSI)の発生頻度に影響を及ぼさなかったと、信州大の研究グループが発表した。 SSIは手術の合併症の一つで、予防策として手洗いの徹底をはじめとする院内の衛生改善が推奨されている。研究グループは「コロナ禍
タンパク質の摂取量が減ると筋肉量も減少し、特に高齢者ではフレイル(加齢による虚弱状態)や転倒のリスクが高まる。自分の歯が少ない高齢者でも、入れ歯を使うことでタンパク質摂取量の減少が抑えられたと、東北大大学院などの研究グループが発表した。 高齢者では歯の喪失がタンパク質摂取量や筋肉量の
近年、10~20代の若者たちの間で、せき止め薬や風邪薬など市販薬の乱用、いわゆる「オーバードーズ(過剰摂取)」が増えている。 厚生労働省の研究チームで実態調査を行ってきた、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)精神保健研究所薬物依存研究部の松本俊彦部長は「市販のせき止め薬や風邪薬の
国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)が行ったアンケートで、未就学児の親の半数以上が「風邪に抗菌薬が効く」と誤解していることが分かった。 調査対象は、未就学児を持つ20~59歳の親500人。子どもが風邪を引いたときに、「抗菌薬を飲ませたい」との回答は44・4%に上り、抗菌薬で考えられ
朝食を午前9時以降に取る習慣のある人は、午前8時までに取る人と比べて2型糖尿病の発症リスクが59%高かったと、スペインとフランスの共同研究グループが発表した。 研究グループは、食事や栄養と健康に関する調査に参加した10万3312人(平均42・7歳)を対象に、食事の時間や回数と2型糖尿
産後うつを発症した女性は、血液中の抗炎症サイトカインであるインターロイキン(IL)ー4とILー10のレベルが妊娠中期は低いことが分かったと、東北大大学院などの研究グループが発表した。 サイトカインは、免疫細胞から分泌されるタンパク質で、ウイルスなどから体を守るために炎症反応を引き起こ
新生児を裸のまま母親が胸に抱く「カンガルーケア」を低出生体重児や早産児に行うと、生後28日以内の死亡リスクが低下したと、インドの研究グループが発表した。 研究グループは、低出生体重児または早産児を対象に、新生児の死亡リスクなどに及ぼす影響を(1)カンガルーケアと従来ケア(2)カンガルーケア
妊娠中の喫煙は、低出生体重、早産などのさまざまな悪影響をもたらす。東北大学病院(仙台市)産婦人科の岩間憲之講師らの最近の研究によると、母子の命を脅かすこともある妊娠高血圧症候群の発症リスクは、受動喫煙でも高まることが分かった。 ▽4割が受動喫煙 岩間講師らの研究グループは、子どもの
妊娠中にスプレー製剤を使用した母親から生まれた子どもは、1歳までに腎泌尿器の異常を発見される頻度が高かったと、兵庫医科大などの研究グループが発表した。 研究グループは、「子どもの健康と環境に関する全国調査」に参加した母子8万4237組のデータを分析。母親の妊娠中の有機溶剤、防水スプレー、ス
貧困などの社会経済学的理由で、十分な質と量の食事が取れない「フード・インセキュリティー(食料不安)」の状態になることは、中高年時の記憶力低下につながる可能性があると、米国の研究グループが発表した。 研究グループは、50歳以上を対象とした健康と退職に関する研究の参加者から、1998年の調査で
クエン酸やビタミンCが豊富に含まれるレモン。牛肉をレモン果汁に漬け込むマリネ調理により、肉質が軟らかくなり消化しやすくなることが分かったと、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)と農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市)の研究グループが発表した。 研究グループは、4ミリの厚さ
軽い負荷をかけた状態で、ゆっくりと筋肉を動かすスロートレーニング(スロトレ)。家庭で簡単にでき、重い負荷をかける筋力トレーニングと同程度の効果が期待できるため、筋肉量や体力が低下した高齢者にも適しているという。スロトレの考案者である東京大学の石井直方名誉教授に話を聞いた。 ▽負荷を緩めず動
幼少期のいじめや家庭内暴力(DV)の経験が成人期の不眠症と関連し、特にDV被害を長期間受けていた人はリスクが高かったと、筑波大の研究グループが発表した。 日本の成人の不眠症有病率は、男女とも10%を超え、肥満や糖尿病、精神疾患などに関連するため、対策が求められている。研究グループは、
眼科検査などで使われる「アトロピン点眼薬」が、子どもの近視の進行を抑制することが分かったと、米国などの研究グループが発表した。 子どもの近視の原因は、眼球の奥行き(眼軸長)が伸びることとされ、眼科検査時に瞳孔を広げる用途などで使われるアトロピンは、眼軸長の伸長を抑制する効果が指摘されている
1990~2019年の30年間で、糖尿病を発症する子ども(0~14歳)が世界的に増加したことが分かったと、中国の研究グループが発表した。 研究グループは、大規模健康調査「世界の疫病負担研究(GBD)」のデータのうち、144万9897人の子どもの情報を用い、204カ国・地域における糖尿
整形外科外来診療を行っていると、「こむら返りが起こった」「こむら返りに困っている」という相談をとても多く受けます。 まず、こむら返りとは何か? 筋肉が自分の意思とは関係なく異常に収縮して痛みを伴い、なかなか戻らない状態をいいます(医学的には「有痛性筋けいれん」といいますが、基本的には病気で
日常的に胃の痛みや不快感を覚えたり、おなかが張ったり、げっぷやおならが頻繁に出たりする呑気症(どんきしょう)。「呑気症という病名の認知度が低い一方で、症状を訴える人は珍しくありません。原因は明らかにされていませんが、生活習慣や精神的なストレスとの関連が強いと考えられています」と、芝大門いまづクリニ
自動体外式除細動器(AED)は心停止した人の蘇生に用いる医療機器だ。日本では2004年7月から一般市民も使えるようになり、駅や行政施設などさまざまな場所に約65万台(19年時点)が設置されているが、実際に使用されるケースは少ないという。東京慈恵会医科大学付属病院救急部の武田聡診療部長は「AEDで救
国指定難病の一つ「心臓サルコイドーシス」の男性患者は女性に比べ、若年で診断されることが多く、致死性不整脈を起こすリスクが高いことが分かったと、順天堂大などの研究グループが発表した。 サルコイドーシスは、原因不明の炎症を起こした細胞の塊が全身の臓器にできる病気で、心臓にできると心臓サルコイド
急性膵炎(すいえん)の発症リスクと、余暇にテレビやパソコンなどを視聴する時間(スクリーンタイム)が長いこととの関連が示されたと、中国の研究グループが発表した。 急性膵炎は膵臓に強い炎症が生じ、重症化すると死に至るケースもある。研究グループは、英国の大規模研究に登録している37万7000人余
脳の一時的な血流低下で意識を失う失神は、年間約80万人に発生するとされる。全国でも珍しい「失神外来」を担当する大阪警察病院(大阪市)循環器内科の南口仁副部長は「原因はさまざまですが、不整脈など心臓の病気の場合は注意が必要です」と指摘する。 ▽自律神経の原因が6割 失神は▽自律神経の
住民の幸福度が高い地域では、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患による死亡率が低いことが分かったと、米国の研究グループが発表した。 研究グループは、2015~17年に米国の51万4971人(平均年齢54歳)を対象に、仕事などのキャリアや人間関係、経済的な安定、地域との関わりなどの指標に基
不登校は、長期の休み明けに増える傾向がある。その原因の一つに、生活リズムの乱れによる睡眠不足がある。教育と睡眠の関係に詳しい木田哲生・堺市教育委員会主任指導主事は「まず保護者が子どもの睡眠状況を把握する」ことを助言する。 文部科学省は2020年に小中学生の不登校に関する調査を実施。約90~
体格指数(BMI)などの健康診断の検査6項目で、数値が高くても低くても要介護認定リスクの上昇と関連があることが分かったと、名古屋大の研究グループが発表した。 要介護者を減らすためには、高リスク者を特定する適切なリスクマーカーを見つける必要がある。研究グループは、2011年4月~12年3月に
加齢で聞こえにくくなると、社会生活に支障を来したり、認知症リスクを高めたりすることが分かっている。しかし現在、年齢とともに聴覚機能が低下する加齢性難聴への有効な治療法はない。聴覚機能の低下を含む体の衰え「ヒアリングフレイル」について、太田総合病院(川崎市)中耳内視鏡手術センターの欠畑誠治センター長
若齢、中齢マウスの研究で、高齢期に向けた健康維持に最適なタンパク質の摂取比率は25~35%だったと、東京都健康長寿医療センターなどの研究グループが発表した。 栄養バランスの良い食事は健康増進に欠かせないが、農林水産省の2021年度の調査では、日本人1人当たりの1日の供給熱量(カロリー)を三