音楽家のジストニア 無意識に体が動いてしまう 外科手術の選択肢も
- 2025年4月24日
音楽家の深刻な悩みに ジストニアは無意識に体が動いてしまう不随意運動で、脳の過剰活動が原因だと考えられている。音楽家がジストニアになると手の筋肉が勝手にこわばり、楽器の演奏に支障が生じる。東京女子医科大病院脳神経外科(東京都新宿区)の堀澤士朗助教に治療法について聞いた。 ▽自然には治癒せず ジス
音楽家の深刻な悩みに ジストニアは無意識に体が動いてしまう不随意運動で、脳の過剰活動が原因だと考えられている。音楽家がジストニアになると手の筋肉が勝手にこわばり、楽器の演奏に支障が生じる。東京女子医科大病院脳神経外科(東京都新宿区)の堀澤士朗助教に治療法について聞いた。 ▽自然には治癒せず ジス
日焼けしてからの手入れでは遅い 太陽の紫外線を長時間、無防備に浴びていると、肌にしみやしわができる。「光老化」とはこうした光の害による老化現象を指し、長期的に皮膚や眼の健康を害する場合もある。 名古屋市立大病院皮膚科の森田明理教授は「紫外線が皮膚に当たると体に必要なビタミンができる一方、光老化が進
学校などでは話せなくなる 家庭では話せるのに、学校など特定の場面で話せなくなる「場面緘黙(かんもく)」は、人見知りや恥ずかしがり屋などの性格的な問題ではなく、過度の不安や緊張からくる精神疾患の一つ。日本場面緘黙研究会理事で、信州大学術研究院教育学系(長野市)の奥村真衣子助教に聞いた。 ▽不登校に進
今冬は、マイコプラズマ肺炎やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症が同時流行した。その後もRSウイルス感染症、百日ぜきなどが流行の兆しを見せるなど、例年にはない動きが続いた。池袋大谷クリニック(東京都豊島区)の大谷義夫院長は「常に何らかの感染症が流行している現代では、年間を通した対策が必要です」
歩行する際、自分の体が「巨大になった」と想像するだけで、実際の歩き方が大きく変わることが分かったと、京都工芸繊維大などの研究グループが発表した。 研究グループは、成人26人を対象に、①目を開けた状態②目を閉じた状態③目を閉じて体が天井(高さ約4㍍)まで届くほど大きくなったと想像した状態④目を閉じ
筋トレ初心者にお勧め 肥満は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病や、これらの病気が重複するメタボリックシンドロームと密接な関係がある。放置すると、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気を引き起こす可能性も。「肥満を病気と認識して、専門的な治療を受けることで合併症を予防し、健康的な生活を維持できる」
メタボリック症候群の人や肥満者に対する保健指導(特定保健指導)について、事前に立てた目標を60%以上達成できていたのが2割にも満たないことが分かったと、大正製薬(東京都豊島区)が発表した。 同社は2024年9月、メタボ該当者や肥満者に保健指導を行っている保健師、管理栄養士ら716人を対象に、特定
この30年ほどで日本人の平均寿命は延びたものの、健康寿命との差が拡大していたと、慶応大などの研究グループが発表した。 研究グループは、世界の疾病負荷研究2021のデータを基に、新型コロナウイルス感染症を含む371の疾病・傷害と88のリスク要因について、日本全体と都道府県ごとの各種健康指標の推移を
女性に多い片頭痛は、ストレスや天候、睡眠不足などをきっかけに起こる。喫煙が引き金になる人もいるが、片頭痛との関連は明らかではなかった。慶応大学医学部(東京都新宿区)内科学の滝沢翼専任講師、井原慶子共同研究員らは、マウスの実験の結果、受動喫煙が雌の片頭痛を引き起こしやすくすることを確認した。 ▽生
耳たぶに深い斜めの線(しわ)が入っていたら、動脈硬化の兆候「フランクサイン」かもしれない―。フランクサインに関する調査を行った経験を持つ、博慈会記念総合病院付属老人病研究所(東京都足立区)の福生吉裕所長に聞いた。 ▽国内外で報告 フランクサインの名称は、米国のフランク・サンダース医師が1973
働く人の12人に1人が仕事において孤独を感じていると、東京大大学院などの研究グループが発表した。 研究グループは、企業などに勤務する20歳以上の従業員2万4021人に調査を実施。「仕事において、あなたはどの程度孤独だと感じることがあるか」という質問に対し、「ほとんどなかった」「ときどきあった」「
大腸がんの発生に関わる大腸ポリープの検出率を向上させる新たな内視鏡検査法を開発したと、岡山大病院などの研究グループが発表した。 内視鏡で粘膜を観察する際には、凹凸などの病変を分かりやすくする色素剤のインジゴカルミンを使うが、これに酢酸を追加すると病変の様子がより捉えやすくなる。研究グループは、九
都市部では社会経済的指標が低い地域の住民ほど、暑さによる健康被害がより顕著であることが分かったと、東京科学大などの研究グループが発表した。 ヒートアイランド現象の影響により都市部の住民は暑さにさらされやすい。研究グループは2011~19年の591万4084人の入院データに基づき、6~9月に緊急入
血液透析を受ける腎不全患者の慢性的な痛みの軽減に、認知行動療法の一種「痛み対処スキル訓練(PCST)」が有効である可能性が示されたと、米国の研究グループが発表した。 血液透析で生じる痛みの原因はさまざまで管理が難しい。研究グループは、同国の腎不全患者で慢性的な痛みがある643人(平均年齢60・3
心血管疾患患者のデータ分析で、再発予防薬の使用を継続している人が少ない実態が分かったと、カナダなどの国際共同研究グループが発表した。 研究グループは、17カ国の35~70歳の心血管疾患患者約1万1000人を12年間(中央値)追跡したデータを解析。血液を固まりにくくする薬や降圧剤など心血管疾患の再
デンマークと米国の共同研究で、頭痛がある人の自殺リスクが高いことが分かった。 研究グループは、デンマークの15歳以上の住民を対象とした研究で、頭痛と自殺リスクの関連を調べた。対象は、1995~2020年に片頭痛、緊張型頭痛、三叉(さんさ)神経・自律神経性頭痛、外傷後頭痛のいずれかの頭痛と初めて診
近年の研究の結果、腸内細菌は便秘改善や大腸がんの予防だけでなく、生活習慣病などにも深く関わることが分かっている。京都府立医科大大学院医学研究科(京都市)の内藤裕二教授に、腸内細菌の働きをよくする「腸活」について聞いた。 ▽五つある腸内細菌タイプ 腸内細菌が集まった状態を腸内細菌叢(そう)と呼ぶ
体内のビタミンD不足により、骨の成長に問題が生じることでさまざまな症状が表れる小児のくる病(ビタミンD欠乏性くる病)。岡山済生会総合病院(岡山市北区)小児科の田中弘之診療顧問に話を聞いた。 ▽O脚・X脚が特徴 「子供の骨は、発育期の骨の端にある成長軟骨にカルシウムとリンが沈着し、新しい骨が作ら
第1子が胎児期から2歳にかけて母親の精神障害や児童虐待などの「逆境体験」をしていると、そのきょうだいも18歳までに精神衛生上の問題を抱えるリスクが高まることが分かったと、英国の研究グループが発表した。 研究グループは、同国で2002~18年に初産だった母親33万3048人と、その第1子やきょうだ
普段の食事で摂取するバターを植物油に置き換えると健康長寿につながる可能性が示されたと、米国などの研究グループが発表した。 研究グループは、同国の成人22万1054人を最長33年間追跡し、バターや植物油の摂取量と死亡との関係を調査した。 摂取量順に4グループに分けて分析した結果、バターの摂取量が
大学の野球選手を対象にした調査で、総エネルギー量やカルシウムなどの栄養素が不足していることが分かったと、中部大の研究グループが発表した。 研究グループは、大学野球部所属の男子学生92人を競技レベル別に1~4軍に分け、1年間の食事量や頻度を調査し、栄養素別・食品群別摂取量を分析した。 その結果、
胃カメラ検査の際、胆管と膵(すい)管が十二指腸につながる部分「十二指腸乳頭部」の洗浄液を追加で調べることで、早期膵がんを高い精度で診断できることが分かったと、大阪大大学院などの研究グループが発表した。 早期発見がしにくく難治で知られる膵がん。研究グループは、全国の10施設と協力し、健康な75人と
肺がんは年間の死亡者数が約7万6000人とがんの中で最も多い。難治がんの一つであるが、この20年余りで治療法や発症メカニズムの解明も進んでいる。熊本大病院(熊本市)呼吸器内科の坂上拓郎教授、濱田昌平特任助教らのグループは、発がんと大気汚染物質との関連に着目している。 ▽有効な薬が次々 進歩に大
浴槽で溺れた65歳以上の高齢者は、2021年に約5000人に上ったことが、厚生労働省の調査で分かっている。東京都市大学人間科学部(東京都世田谷区)の早坂信哉教授は「入浴中の事故は、特に高齢者で警戒が必要です」と指摘しつつ「若い方はスマートフォンの使用などによる長風呂が原因で低血圧を起こし、事故に至る
整形外科手術の後、早期に退院できた患者は主食を多く摂取していたことが分かったと、北里大の研究グループが発表した。 研究グループは、傷んだ股関節の骨を人工の骨に置き換える「人工股関節置換術」を受けた入院患者57人のデータを基に、2週間以内に退院した早期退院グループと、それより長く入院していた長期
がんと診断される前から日常的に運動していた人は、がんが進行したり死亡したりするリスクが低かったと、南アフリカなどの研究グループが発表した。 研究グループは、同国で最大の医療保険に加入するステージ1のがん患者2万8248人のデータを分析。がん診断までの1年間の身体活動量と、がんの進行や死亡との関
1950~80年代に生まれた35~69歳の中高年世代では、2015~20年度の体格指数(BMI)の推移が増加傾向だったと、慶応大などの研究グループが発表した。 研究グループは、15年度に全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入する35~69歳の男女815万5894人のデータを用い、性別や5歳ごとの
子どもの心に負の影響を及ぼす「教育虐待」。慶応大(東京都新宿区)の高橋孝雄名誉教授(小児科)は「教育熱心と教育虐待は紙一重」と語る。 ▽「子どものために」が虐待に 教育虐待は、子どもの意思を無視して目標を設定し、過度な努力を強いることで心身に深刻な影響を与えること。しかし、親は自分が虐待してい
妊娠中の喫煙や受動喫煙が胎盤早期剝離に大きく関係していることを、東北大病院などの研究グループが発表した。 胎児に栄養を送る胎盤が出産前に子宮から剝がれ、母体や胎児の命に関わる胎盤早期剝離。研究グループは、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に参加した8万1974人の妊婦データを
妊娠中にグルココルチコイド(ステロイド薬)を使用した母親から生まれた子どもは、いくつかの精神障害リスクが高いことが分かったと、デンマークなどの研究グループが発表した。 早産リスクが高かったり、自己免疫疾患などがあったりする妊婦には、子どもの生存や妊婦の症状軽減のためにステロイド薬による治療が広く