• 統一地方選
    統一地方選

       9日投開票の道知事選と道議選、23日投開票の苫小牧市議選と市内でも投票機会が相次いだ統一地方選が終わった。振り返ると、出馬表明や公約発表が遅かった候補者も目に付き、有権者が政策の中身をじっくりと判断する機会が少なかったように感じる。  知事選や道議選で告示直前に出馬を決めた人は個性的な政策を

    • 2023年4月26日
  • 危機意識
    危機意識

       北朝鮮の弾道ミサイルが本道に落下する恐れがあるとして、政府がJアラートで道民に緊急避難を呼び掛けた13日朝。記者は自家用車で出勤途中だった。カーラジオから流れるアナウンサーの緊迫した声とは対照的に、車外の風景は平和そのもの。通学路をのんびりと歩き、学校へ向かう子どもの姿も見えた。  帰宅後、

    • 2023年4月19日
  • 白老の位置
    白老の位置

       白老町の1人支局記者として丸1年を迎えた。3月は前支局長やデスクと情報を共有しながら、町長選と道議選(胆振地域)の取材を進めてきた。秋には町議選を控えているものの、一息ついて思ったのが、町の地理的な位置のことだ。  東西に長い胆振管内にあって白老は、西胆振と東胆振の結節点のような場所にある。

    • 2023年4月12日
  • 人生のご褒美
    人生のご褒美

       苫小牧市大成町の元タクシー運転手、安川淳一さん(76)は昨年5月11日の朝、支笏湖で息をのむ絶景に出くわした。  べたなぎの湖面に周囲の山々や青い空などが上下対称に映り込む自然の美があった。毎年、新緑や紅葉の時期に来ていた湖畔だが、初めての体験だった。  今年2月23日付の本紙記事で、

    • 2023年4月5日
  • 忘れない
    忘れない

       「だいき、覚悟しろ」。津波に車ごと襲われた母を探す11歳の男の子に、伯母が駆け寄り叫ぶ。商業施設内へ流れ込んだがれきの山に、変わり果てた姿があった。東日本大震災から12年たったいまも、忘れられないテレビ報道の一幕。  出来事は仕事柄もあって5年、10年と節目で捉えがちだが、阪神・淡路大震災や

    • 2023年3月29日
  • 思い出を胸に
    思い出を胸に

       「給食を用意してあるから、食べていってね!」―。  3年半ほど前、安平町の遠浅小学校のイベントを取材した際、当時の校長にそう声を掛けられた。その日は体育館で全校給食の時間があり、私の席も用意されていた。十数年ぶりの給食を味わいながら、見知らぬおじさんに興味津々の子どもたちと楽しい時間を過ごし

    • 2023年3月22日
  • スポーツの力
    スポーツの力

       いつの時代も多くのドラマを生み出してきたスポーツ。各競技で選手たちは、コロナ禍を吹き飛ばすような活躍を繰り広げている。  世界最強を決める野球の国際大会ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が8日、日本などを舞台に始まった。メジャーリーグで2021年のMVPに輝いた大谷翔平選手を含む日

    • 2023年3月15日
  • 12年前
    12年前

       未曽有の大災害となった東日本大震災の発生から、11日で12年を迎える。一昨年3月11日、被災地の宮城県気仙沼市や同県石巻市の大川小学校を訪ねたことを思い出す。  気仙沼市で出会ったタクシー運転手から、「ここは海抜15メートルくらいあるけど、ここまで津波が来たよ」と当時の状況を聞き、災害の恐ろ

    • 2023年3月8日
  • 高校受験 
    高校受験 

       先日、駒大苫小牧高校で合格発表があった。コロナ禍によって、ホームページでも結果が発表されることが今では日常。そうした中、学校正門に置かれた合格番号の掲示板を見詰める男子生徒がいたので、「なぜ見に来たの?」と尋ねてみたら、「受験といえば掲示板で確認するのが醍醐味(だいごみ)。他校はインターネットでの

    • 2023年3月1日
  • マスク  記者コラム風
    マスク 記者コラム風

       先日、さっぽろ雪まつりを見に行った。会場は道内外や海外からの観光客でごった返しコロナ前の風景が戻りつつあると実感した。  ちょっと気になる場面も目にした。若い女性らがマスクを外し、笑い合ったりしていた。日常が戻ってきた光景と言えなくもないが、「人混みではまだ着けた方がいいのでは」と率直に思っ

    • 2023年2月22日
  • 社会の前提
    社会の前提

       1月4日、苫小牧市でパートナーシップ制度の運用が始まった。法律上は結婚できない同性のカップルらが、婚姻と同等の関係にあることを市が認める制度で、これまでに3組がパートナーシップを宣誓した。  このうち、2組の宣誓の場面に立ち会わせてもらった。共通して「これでようやく、自分たちの存在が認められ

    • 2023年2月8日
  • 年輪 記者コラム風
    年輪 記者コラム風

       ローカル紙の役割を一つ挙げるなら、地域の歴史を後世につなぐことにある。古里としてその土地で暮らしてきた人々は地域の語り部。地域と共に重ねてきた年齢にも重みがあると受け止めながら取材を続けている。  40代半ばに近い記者も、いずれ老いていく。年齢を重ねた分の経験を自覚しつつ、見てきたものや聞い

    • 2023年2月1日
  • そして僕は… 
    そして僕は… 

       13日に全国公開された、苫小牧出身の三浦大輔監督が手掛けた映画「そして僕は途方に暮れる」を見た。苫小牧の街並みが想像以上に登場し驚いた。  主人公を演じたKis―My―Ft2(キスマイフットツー)の藤ヶ谷太輔さんが市中心部の線路沿いを走り、ぷらっとみなと市場(港町)を見て歩く。シネマトーラス

    • 2023年1月25日
  • ほっと
    ほっと

       「またすぐ会えるから、元気でね」「はいはい、分かりましたよ」。15年ほど続いた祖母との暮らしは、昨年12月のグループホーム入所を機に幕を閉じた。  ついの住み家に―と新居を建てたのは7年前。「あなたの人生があるんだから、一緒に暮らす必要はない。このままでいい」と祖母の承諾を得られないまま、彼

    • 2023年1月18日
  • 楽しみ
    楽しみ

       成人の日(9日)を前にした8日、東胆振1市4町で20歳を祝う式典が行われ、各会場で華やかな振り袖や真新しいスーツに身を包んだ若者たちの姿が見られた。  小生がある町で晴れの式典に参加した女性にインタビューをした際のこと。「あれ、どこかで聞いたことがある名前だな」―。かつてよく取材に応じてくれ

    • 2023年1月11日
  • 納車とコロナ
    納車とコロナ

       納車が待ち遠しい―。そう思い続けて丸1年が過ぎた。昨年の12月末に注文した車がいよいよ年明け1月に届く。愛車がようやく来る喜びに胸が弾む。  世界的な新型コロナ感染流行の影響などで電子部品に使う半導体不足が深刻化し、新車の納車時期が大幅に遅れる問題が起きている。中には4~5年も待たなければな

    • 2022年12月14日
  • 講義
    講義

       「2ページ目を開いて」と講義のように始まった取材。苫小牧市内の万葉集研究サークル「さわらび会」が36年間の活動に終止符を打つと聞き、講師の森山弘毅さん宅を訪れた時の一幕だ。  同会は今月、活動の幕を閉じる。森山さんの体調がここ数年思わしくなく、息子の住む東京へ転居するためだ。同会の取材経験の

    • 2022年12月7日
  • バンド・フリーキック
    バンド・フリーキック

       苫小牧市を拠点にしたバンド「フリーキック」。スカパンクと呼ばれるジャンルの演奏を道内外で展開するプロの音楽グループだ。2000年に結成し現在、初期メンバーの河岸優樹さん(43)、秀樹さん(38)兄弟を中心に、20代から40代の5人で構成し活躍している。  モットーにしているのは、郷土に根差し

    • 2022年11月30日
  • W杯の思い出
    W杯の思い出

       サッカーワールドカップ(W杯)が、20日から中東のカタールで始まった。日本代表チームがロスタイムで失点し、予選敗退した1993年の「ドーハの悲劇」が起きた国で開かれるのは、元サッカー少年としても感慨深いものがある。  日本代表は98年のフランス大会で初出場した。個人的に2002年の日韓大会の

    • 2022年11月23日
  • 自分の中の偏見
    自分の中の偏見

       先日、猛烈に反省することがあった。小学生の娘と一緒にインターネットで動画視聴を楽しんでいた時だ。1人の人物を指さし、娘が言った。「すごく格好いいね」  あれ? この人、見た目は男性のようだけど、女性なのでは―。視聴した瞬間の思考がそのまま言葉になってしまった。「この人、女の人だよ」と。

    • 2022年11月16日
  • 白老に笑い 
    白老に笑い 

       即興話芸のコメディアン村本大輔さんが、あす白老にやって来る。函館市の知人を介して知り合い、互いの仕事の価値観などを語り合ううちに仲良くなった。夏に訪ねて来てくれたとき、地場産のきのこ鍋やビールを気に入り、秋にも訪ねたいと言ってくれ、実現したというわけだ。  彼は、東日本大震災の被災地や基地問

    • 2022年11月9日
  • 納骨
    納骨

       10人乗りのワンボックスカーには、運転手の小生を含め4人が乗車した。白布に包まれた5人の遺骨も一緒。「乗る人は少ないけど魂はほぼ定員だね」。そんな冗談を言いながら、フェリーへと乗り込んだ。  例年より1カ月ほど早く、恒例の青森墓参に出掛けた。別の車に乗った4人と共に親戚宅を行脚し、道中の道の

    • 2022年10月26日
  • シシャモ漁
    シシャモ漁

       今月上旬、むかわ町の鵡川漁港で鵡川漁業協同組合によるシシャモ漁が始まった。陽光を浴びて銀色に輝く魚体の初水揚げに港は活気づいた―。と言いたいところだが、のぞいてみると、この日獲れたのは籠の隅っこに数えるほど。地元の漁師が「これじゃ、話にならないよ」と嘆く。  町のシシャモは「鵡川ししゃも」の

    • 2022年10月19日
  • アイスホッケー 
    アイスホッケー 

        10月に入り、冬のスポーツが本格化してきた。苫小牧ではアイスホッケー。アジアリーグのレッドイーグルス北海道をはじめ、小学生や女子チームの大会も開催されている。  記者も大学時代まで部活動で14年間プレーした。就職後、リンクに足を運ぶことがなかったが、スポーツ担当になってからは取材

    • 2022年10月12日
  • 秋の運動会
    秋の運動会

       「運動会の予行練習してるワ」と一通のメッセージが届いた。大阪市に住む母からだ。  私は幼少期から高校まで大阪市内で育った。小学校は自宅のマンションから横断歩道を一つ渡るだけという、通学時間1分の所。自宅にいても学校のチャイム音は自然と耳に入るし、登下校時の子どもたちの声も鮮やかに聞こえる。

    • 2022年10月5日
  • 映画館
    映画館

       ディノスシネマズ苫小牧で29日まで公開中の映画「激怒」。その舞台あいさつで出演俳優2人が6日に来苫した。取材を通して、映画館の大切さを改めて痛感した。  苫小牧市出身の奥野瑛太さんは「昔は苫小牧にも映画館が幾つもあったけれど、少なくなってしまった」と残念がった。札幌市出身で今作の主演を務めた

    • 2022年9月28日
  • まちのミライ
    まちのミライ

       17、18両日、複合型イベント「TOMAKOMAI MIRAI FEST(トマコマイミライフェスト)2022」(苫小牧都市再生プロジェクト委員会主催)を取材した。音楽ライブやDJパフォーマンス、AR(拡張現実)スポーツなどが3会場で展開され、非日常を体験できた。  会場の苫小牧市民会館駐車場

    • 2022年9月21日
  • 感染して思う
    感染して思う

       一家で新型コロナウイルスに感染した。最初は娘が発症し、気を付けていたが、家庭内感染は防げなかった。このコラムが読者に届いた頃も、自宅で療養の真っ最中だ。  日ごろから新型コロナの情報に触れる仕事をしているが、当事者となって初めて気が付いたことがある。  それは、市の新型コロナに関する特

    • 2022年9月14日
  • 芸術の秋
    芸術の秋

       白老町が一足先に芸術の秋に染まった。8月27日に始まった「ルーツ&アーツしらおい」や屋外写真展、9月5日に開幕した飛生芸術祭と、町内各所で芸術文化の行事が続いている。今月末には白老八幡神社(鈴木琢磨宮司)の例大祭で、道内各地からチームが披露するよさこい演舞をはじめ、境内での露店が3年ぶりに復活する

    • 2022年9月7日
  • 原爆の絵
    原爆の絵

       苫小牧市と広島市の共催で7月30日~8月21日に苫小牧市文化交流センターで開かれたヒロシマ原爆資料展に、その絵はあった。  1945年8月6日、広島への原爆投下で地獄と化した光景を地元高校生が被爆者から聞き取り、描いた。炎に包まれた建物の下敷きになった女の子が、逃げようとする少女に手を伸ばし

    • 2022年8月31日