年輪 記者コラム風

年輪 記者コラム風

 ローカル紙の役割を一つ挙げるなら、地域の歴史を後世につなぐことにある。古里としてその土地で暮らしてきた人々は地域の語り部。地域と共に重ねてきた年齢にも重みがあると受け止めながら取材を続けている。

   40代半ばに近い記者も、いずれ老いていく。年齢を重ねた分の経験を自覚しつつ、見てきたものや聞いたきたことを、若い人たちに語り継いでいく役割が自分にも与えられているような気がする。

   高齢者には自身の人生で体験してきた大事なことを若い世代に語り伝える役目があると思う。経験不足から若者が気付かないところにも優しく目を配り、時にはいなすことも大切と感じている。

   年齢に重みがあるというのは、若者たちに自身の背中を見せながら、範を示す大人としての役割があるからだとも思う。記者も生きてきただけの年齢に恥じないよう、何か大切なことを伝えられる人間になりたい。経験から得た知恵を次代につなぐ。自分に課せられた宿題だ。(半)