どうして
- 2023年11月4日
環境省によると今年4―10月の全国のクマによる人身被害が180人に上り、過去最多になったという。従来の最多は2020年度の158人。23年度はまだ5カ月残っており冬眠はこれから。2日には渡島半島の大千軒岳(1072メートル)で性別不明の1遺体が発見されている。数字はまだまだ増える可能性がある。
環境省によると今年4―10月の全国のクマによる人身被害が180人に上り、過去最多になったという。従来の最多は2020年度の158人。23年度はまだ5カ月残っており冬眠はこれから。2日には渡島半島の大千軒岳(1072メートル)で性別不明の1遺体が発見されている。数字はまだまだ増える可能性がある。
北海道の文化向上に顕著な功績があったとして表彰される北海道文化賞に今年度、白老町のアイヌ民族文化伝承者で古布絵作家の宇梶静江さんら3人が選ばれた。功績とともに「今後の活動が期待される」として顕彰されるのが北海道文化奨励賞。今年度は札幌市の書道家、山田起雲さんら3人が受賞した。 山田さんは数
中央競馬は秋のG1シリーズが熱気を帯びている。秋華賞はリバティアイランドが史上7頭目の牝馬三冠を達成した。菊花賞は馬肥ゆる秋を地で行くようにドゥレッツァが破竹の5連勝で戴冠した。秋の天皇賞はイクイノックスが芝2000メートルの世界レコードで制した。 いずれも生産は安平町のノーザンファーム。
町村合併後のむかわ町穂別地区には、2014年度に同地区内の全戸に配布された貴重な本がある。穂別・高齢者の語り聞き史「大地を踏みしめて」。A5判、上下2冊、計613ページの大冊だ。 旧穂別町ではこの25年前に、明治期に生きた古老らが記憶する町の歴史などをまとめた「翁媼八十代(おうおう・やそよ
鵡川など3漁協が今季のシシャモ漁を見送った。29年ぶりの休漁。コラム子は早い時期に取れる脂の乗った雄をあぶって食べるのが好きで、軒先のすだれ干しを買うために毎年秋、むかわに行く。今季、加工業者は他の道産もので対応しているが、やはり客足は鈍いという。影響は深刻だ。ただ、今回の生産者の重大な決断は応援
先日、母校の小学校を訪れる機会があった。卒業したのは四十数年前。校舎は建て替えられているが、鉄筋の旧校舎やグラウンドにわずかな面影がある。校庭の中に石造りの旧校舎の校門が残されていた。 その学校に小学生時代のクラスメートが校長として赴任している。後輩たちと懐かしい学校の歴史に囲まれながら、
1里(約4キロ)や2里を歩くのは当たり前の時代に育った。1里を1時間で歩くことができればほぼ一人前だったと思う。速い乗り物への憧れは強く自転車に始まり、やがて自動車を乗り回した。 自動車を初めて運転したのは17歳の頃だ。もう時効だろうから書くが、親戚が小さな乗用車を購入してわが家へ遊びに来
関東大震災直後、香川から千葉を訪れた行商団が朝鮮人と疑われ自警団に殺害される事件があった。犠牲者は幼児を含む9人。「朝鮮人が略奪、放火した」といった流言が広がる中での惨劇だった。 先月公開された映画「福田村事件」は地元でタブー視されてきた事件を地域誌の元編集者が掘り起こし、まとめた史料書籍
今年も「黄金色のトンネル」がきれいだ。北大キャンパス内のイチョウ並木。一気に色づき、見頃となっている。日が暮れるのが早い。晩秋を迎えている。 秋の夜長。8月末で政府・分科会が廃止され、新型コロナウイルス対策から「卒業」した尾身茂さんの著書「1100日間の葛藤」(日経BP)を読んだ。
二十歳の頃、書店の棚には水俣病やイタイイタイ病など公害の本が、たくさん並んでいた。食べ物や環境の安全が一部の企業や行政によって踏みにじられていたことが次々と明らかになっていた。 それらの本を読みながら、自分たちは長生きできない世代だと思った。化学調味料も人工甘味料も、自分たちの食べ盛りに売
年を重ねていくと気になるニュースがある。「認知症」に係るさまざまな情報だ。普段は元気で何の変わりもないが、時間の経過とともに、ゆっくり、ゆっくり進行。家族の顔と名前が一致しないことも多くなり、最期をみとる前には他人のようになってしまう。切ない期間を経験したから「自分も」の思いを描く。 そん
人気音楽グループ「アリス」のリーダーでシンガーソングライターとしても活躍した谷村新司さんが今月8日、74歳で亡くなったことが先ごろ報道された。1970年代初めに堀内孝雄さん(73)やドラマー矢沢透さん(74)とグループを結成、ファンの心を打つ数々の楽曲を発表してきた。結成10年を機にグループ活動を
介護や家事を担う子どもが今「ヤングケアラー」と呼ばれ問題点も含めてありようが注目されている。父方の祖母は全盲。本家で嫁や孫と暮らしていた。祖母がわが家に遊びに来る時、何度か手を引いていた。いろんなことを思い出す。 いとこがやって来て「ばっちゃんが来たいって」と母に告げると、仕事の始まりだ。
物価、燃料、光熱費の値上がりで家計が厳しい昨今。21日に苫小牧市民活動センターで開かれる「みんなの消費生活展」(苫小牧市主催)は、消費の在り方を見直してみるいい機会になりそう。 地元の消費者団体、企業、団体が出展し、有益な生活情報を幅広く、楽しく提供してくれる。例えば、防災グッズの紹介、途
前の冬が終わり、青天のへきれきで道東氷都の釧路に波乱が起きた。ひがし北海道クレインズによる給料未払いに業を煮やした所属選手大半による北海道ワイルズ移籍が明らかになった。長年取材したアイスホッケーアジアリーグの今季開幕前にあった一部始終にもどかしさを覚えた。結局は前者が雲散霧消して、新参後者のリーグ
各地から雪の便り。樽前山も真っ白になった。暖かい部屋に寝転んで読書でも―と思ったら、最近買った新書の値段を見て目が覚めた。本が高くなった―。 1週間ほど前の全国紙に出版科学研究所の価格推移の統計が紹介されていた。2011年に平均1100円だった新刊書籍が22年は14・3%高い1268円にに
新聞紙が不足しています―。老人ホームや動物保護団体がホームページで古新聞の提供を求めているのを見た。新聞紙はどこにでも、いくらでもあるものだとずっと感じていたので驚いた。 ホームランを打った後の大谷翔平選手のパフォーマンスで注目を浴びたかぶと。昭和世代なら誰もが一度は新聞紙で折ったことがあ
食欲の秋真っただ中、記者は秋サケを使った鍋にはまっている。切り身を調理ばさみでぶつ切りし、ハクサイや長ネギなどと鍋に入れ、その日の気分で「味変」すれば手軽で立派な料理。みそとバターが基本の石狩鍋が多いが、しょうゆで上品に仕上げてもいいし、鶏肉なども加えて具だくさんのちゃんこ風もいい。 そん
泣きやまない子どもをどうするか―若い母親が困り果てていると、車内放送。「お母さんが子育てを頑張っています。優しく見守ってあげてください」。何かで読んだ、バスの運転手さんの機転の話を思い出すと、鼻の奥が熱くなる。迷惑だ。うるさい。そんな視線や声が母親にどれほどつらいか。放送後、車内には舌打ちもため息
NHKで不定期に放送される「魔改造の夜」のファンだ。「ワンちゃん」「ペンギンちゃん」のおもちゃや掃除ロボットなどの家電を”魔”改造し、疾走させたり、大縄飛びや走り幅跳びをさせたりし、速さや回数、距離を競う「技術開発エンターテインメント番組」。参加するのは一流企業のエンジニア
白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)が当初1年目で掲げた目標の入場者数100万人を9月末で達成した。コロナ禍の中、入場制限やプログラムの変更など苦戦のスタートから3年2カ月余り。オープンが遅れた2カ月半は、先が見通せない不安とアイヌ文化復興・振興への期待が交錯した。 オープン後の数度の記者
10月最初の日曜の夜、苫小牧市西部の住宅街に防災無線放送が流れた。放送塔から遠いのか内容がよく聞き取れない。2度目の放送を、窓を開けて確かめた家人が「クマに注意と言っている!」。翌日朝、トイレにいると、はっきりと聞こえた。「桜坂町で、クマ3頭が目撃されました」。間違いない。ついに苫小牧にも来た。い
飼い犬が外で排せつできないことに悩む家庭は少なくない。わが家も保護犬を迎え入れて間もなく2年になるが、実は大も小も自宅を出るとほとんどしない。最初は家のトイレ(ペットシートを敷いたプラスチックのトレー)でしかしないことを「行儀がいい」と喜んでいたが、宗谷岬から苫小牧の自宅までの車中我慢し続けた時に
遠い昔。苫小牧の中心商店街も元気な時代があった。駅前通商店街振興組合の青年部が中心となり、毎年初夏に「ハスカップウイーク」というイベントを打ち、人気を集めていた。メイン行事で6本の作品を一挙に上映する「オールナイト映画祭」があった。駆け出し記者の頃、その作品選考に携わった思い出がある。 会
ヤナギの葉が黄色く色づいて枯れ始める頃、鵡川などに遡上(そじょう)するシシャモ。北海道の太平洋岸を回遊し、鵡川と道東の十勝川、渡島管内八雲町の遊楽部川などに遡上すると言われている。更科源蔵著の「アイヌ民話集」(みやま書房)に、その辺りの事情が詳しい。 雷神の妹がシシリムカ(沙流川)の上流か
政党交付金という言葉は知っていても、仕組みや実際に支払われている額はあまり知られていないだろう。国が政党に助成するお金で、年4回に分けて交付されている。その財源は税金だ。国民一人当たり250円が徴収されている。政党には議席数などに応じて配分される。 総務省によると、2023年分は自民党の約
手持ちのスマホアプリで計った1日の歩数は2500歩ほど。3000歩まで到達するのはまれで、苫小牧市に住むようになってから車社会にたっぷり漬かった生活が続いている。当方と同じ60代男性の歩幅は61~64センチとされ、1日に1600メートルほどしか歩いていない計算だ。「こたつ記者になるな。記者は歩いて
時代ごとに、とらわれたように、特定の問題や現象の周辺を取材して駆け回ってきた。入社した当時は開発と公害、減反の時代だったと思う。今は、地方の疲弊と少子化や高齢化の問題が頭を離れない。その周りでヒグマ、大地震や津波、火山がうごめいている―そんな時代。 1980~90年代は「大学誘致」だった。
家庭が貧しく学校給食以外の食事を満足に食べられない子どもたちに、無料か低価格で食事を提供する子ども食堂。食事には、家庭や企業がフードバンクに寄せた食品などが利用されている。 ただ、物価高が続く近年、家庭の余剰食品は減り、企業は在庫を抱えないように生産調整をするようになった。食堂では使える寄
江別市在住の作家、手島圭三郎さんはこれまでにシマフクロウやキタキツネ、ヒグマなど本道にすむ動物の生態に材を取る物語の絵本を多数著してきた。描線が力強い木版画で描く「おおはくちょうのそら」(1983年初版)も傑作の一つ。ハクチョウ親子6羽の中に病気で空を飛べなくなった子が1羽いて、北の故郷へ帰る時期